嶋崎譲の発言 (文教委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○嶋崎委員 これは日本の学術会議の、私立大学に関係する全国の私立大学教授会連合、ここを基礎にして広範に開かれたシンポジウムであります。このシンポジウムで今日の私学助成のあり方について多くの議論が行われ、助成のあり方について意見が述べられ、大学改革についての方向などを打ち出しているということ、こちらの方の資料を読んでおられないということになりますと、この判断と皆さんの判断との間にはかなり違いが出ているのではないかと思います。
 たとえば第一に、なぜ学術会議が私学助成に関する国庫補助の改善・増額についての対政府勧告をやったかといいますと、その経過は前段に述べておりますが、今日まで私学助成という新たな制度ができたことは前進だと評価した上で、その助成の傾斜配分のあり方ないしはその他のいろいろな諸制度の運用から見て、助成の本来の精神が具体化されて発展しているかどうかは疑問だという多くの点が提出されております。
 たとえば、この学術会議の対政府勧告をやるに当たりましての経過として、なぜこういうものをやるかという経過の第一には「私立大学の質を規定している研究・教育の諸条件整備が、こんにちに至るもまだほど遠い状態であり、依然として改善を重ねていかなければいけない大きな課題として残されている」という点が第一の前提として出されております。
 ですから、たとえば先ほどその助成法ができてから質的強化があったと自民党の提案者も言い、文部省側も言っておりますけれども、この時期は、わが国の経済がきわめて非常に不安定なオイルショック時代に入って、低成長時代に入っております。一方で学費の負担が非常にふえてきております。特に私学関係は、多くの大学で多くの寄付金問題その他の腐敗が明るみに出ておりますように、大変な父兄負担、つまり教育費の増ということからくる制約、それから経済的な制約などから、これもまた重要な進学状況の指数の一つの側面として見なければならぬと思います。
 ですから、こういう抑制的な措置をとっているから、前は急増して学生応募がふえていたけれども、少し減っているとか、そういう指数だけでもってこれが効果があったかどうかというふうに判断をする、それだけが理由ではなかろうと思います。そういうことも、この学術会議でのシンポジウムでは、進学率の動向についての予測調査をあらゆる角度でやりながら、多くの議論をいたしております。
 第二番目の、いま言いました格差問題でも、是正されつつあると言いますけれども、たとえば五十五年度の私立大学の学費の中間集計平均を見ますと、七十一万ですが、これを医学系と文科系と分けた場合でも、たとえば慶応大学の医学部が百六十二万に対して金沢医科大学が一千五百三十万という大変な格差であります。同時に、また文科系を見ますと、最低の二十七万に対して最高の九十七万という四倍の格差を持っております。
 したがいまして、こういういわば私立大学における格差問題というのが、助成法適用以来徐々によくなっているとおっしゃるけれども、果たしてそうなんだろうかという疑問は依然として残るわけであります。格差はむしろ著しくなってきているという点に注目すべきであるというのが、この大学のシンポジウムの意見でございます。
 同時に、そういうことから見て、修学上の経済的な学費負担というものをいかに軽減するかということで、たとえば奨学金制度その他についての再検討が新たな課題になっていることも指摘しておりますし、同時に、学費の上昇の昭和四十二年から四十六年度の五年間の平均上昇率を大体四%と見ております。ところが、五十年から五十四年の五年間に平均上昇率一五%とはじいております。したがいまして、ここに学費負担の問題というのは、おっしゃるほど単純ではない実態が報告されているわけであります。
 それで問題の、われわれが助成法をつくった際に議論をいたしました例の二分の一助成問題、二分の一以下になっていますけれども、なるべく二分の一に向かっていこうということでコンセンサスを得られるかどうかが、あの法案の作成過程で大変問題になったわけでありますが、この助成率を見ましても、文部省の推計で私大の経常費総額の三二・三%、経常費の約三割が、いまのところ平均的に補助されているという意味では、かなり前進は見られますけれども、二分の一にはほど遠いわけでありますが、これをまた理科系と文科系に分けて見るならば、理科系の場合には、もうすでに五〇%に近い四八%ぐらいにいっていますけれども、文科系は二〇%そこそこでございます。
 こういうことから、大学の質的充実というふうに言うとすれば、医科歯科系などを中心にしてかなり補助率は高くなってきておりますけれども、文科系は依然として二割そこそこだ、こういうデータの中でこの格差解消の検討というものをやることが、大学の質的充実の問題になるのだということを提案いたしております。
 同時に、その「勧告の概要」として、三つの指標を挙げまして、第一は、修学上の経済的負担の軽減、第二は、研究と教育の水準の向上、第三は、私学経営の健全化、これを三つの指標として、修学上の経済的負担を軽減するにはどうするかということを、先ほども申し上げましたような数字に基づいて、どのように対応していくかなどをつぶさに議論いたしております。
 たとえば、授業料に関連して、奨学金受給者の比率を諸外国と比較したデータが出ておりますが、文部省、そういうデータを持っていますか。

発言情報

speech_id: 109405077X01019810417_050

発言者: 嶋崎譲

speaker_id: 860

日付: 1981-04-17

院: 衆議院

会議名: 文教委員会