渡辺美智雄の発言 (大蔵委員会)

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○国務大臣(渡辺美智雄君) 所得税の減税に反対する人は私はないと思いますね。私もできることだったらばやりたいと、条件がそろえばやりたいと思っております。しかしながら、現実の問題として、私がもうすでに七十一兆円からの国債残高を五十五年度末で持っておって、ことし五十五年度でも十四兆の借金をしておる。このために経済政策自体が、金融政策がもううまくいかなくなってきているというのが現実の姿なんです。したがって、これをいつまでも続けるわけにいかない。したがって、五十六年度からは本格的に赤字国債からの脱却を五十九年までにやろうという方針を決定したわけです。
 それによって、要するに五十六年度で四兆五千億円程度の自然増収というものが見込まれます。見込まれますが、まずことしのように十四兆借金しないんですから、十二兆しか借金しないよということになれば、そこで二兆円の財源が必要であります。まず四兆五千億円のうち二兆円はその財源に優先的に充てられる。あと二兆五千億円残る。それは国債の利払いと、要するに増税によってお金が入れば三税の三二%は自動的に地方交付税に回ります。それによってほとんど四兆五千億円という金はなくなってしまう。
 一方、当然増といわれるものが、それはもう老人がふえれば年金がふえるとか、生徒が三十万人ふえますから一万人先生がふえるとかそういうようなもの、当然増が一兆六千億円ある。準当然増として、物価が上がれば年金スライドするというようなものを含めると一兆九千億円になると、この金どうするかということになってくるわけでございます。したがって、既定の経費の中からかなり実は切り込んでいるんです、やりくりもやっているんです、先生が御指摘のとおり。それは一兆九千億円のものを一兆三千億に減らすわけにいかないんです、実際問題として。ところが、一兆四千億円の増税といっても一兆一千億円しか国は使えないんです、三千億は地方に打っちゃうんですから。一兆一千億円国が取って、そうして一兆九千億円近いものにちゃんと対応しているわけですから、何か手品がなければできないわけですね、これは。手品と言うとしかられるかしれませんが、中でやりくりがなければできない。それは経費のカットなり、あるいは先生が言ったように六百億円ともかく補給金を来年度財投に回したじゃないかというおしかりを受ける部分もそれはあるわけですよ。いずれにしても、そういうことをやって最小限度の増税によって一兆八、九千億に及ぶところの当然増の経費及びエネルギーを初め新しい政策で新しい経費を持っているわけですから、その金どっから出たんだと。それはどっかを切ってそれで差しかえたというようなことをいろいろ工夫を実はしておるわけです。そうなってまいりますというと、なかなか五十六年度において所得税減税をやりたい気持ちはやまやまなれど現実にはできないということで、御容赦をいただきたいと言って謝っておるような次第でございます。

発言情報

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発言者: 渡辺美智雄

speaker_id: 9286

日付: 1981-02-26

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会