大蔵委員会
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会
会議録情報#0
昭和五十六年二月二十六日(木曜日)
午後六時一分開会
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委員の異動
二月十三日
辞任 補欠選任
近藤 忠孝君 宮本 顕治君
二月十四日
辞任 補欠選任
宮本 顕治君 近藤 忠孝君
二月十六日
辞任 補欠選任
板垣 正君 野呂田芳成君
江島 淳君 藤田 正明君
梶原 清君 藤井 孝男君
高木 正明君 塚田十一郎君
二月二十四日
辞任 補欠選任
鈴木 和美君 佐藤 三吾君
二月二十五日
辞任 補欠選任
佐藤 三吾君 鈴木 和美君
二月二十六日
辞任 補欠選任
三治 重信君 伊藤 郁男君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 中村 太郎君
理 事
衛藤征士郎君
嶋崎 均君
藤井 裕久君
穐山 篤君
塩出 啓典君
委 員
大河原太一郎君
梶木 又三君
古賀雷四郎君
塚田十一郎君
野呂田芳成君
藤井 孝男君
大木 正吾君
小谷 守君
鈴木 和美君
和田 静夫君
多田 省吾君
近藤 忠孝君
伊藤 郁男君
野末 陳平君
国務大臣
大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
政府委員
大蔵政務次官 浅野 拡君
大蔵大臣官房会
計課長 加茂 文治君
大蔵大臣官房審
議官 水野 繁君
大蔵省主計局次
長 吉野 良彦君
大蔵省主計局次 西垣 昭君
大蔵省主税局長 高橋 元君
大蔵省理財局長 渡辺 喜一君
大蔵省証券局長 吉本 宏君
大蔵省銀行局長 米里 恕君
国税庁直税部長 小幡 俊介君
国税庁調査査察
部長 岸田 俊輔君
事務局側
常任委員会専門
員 伊東 保君
説明員
経済企画庁物価
局物価政策課長 中田 一男君
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本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
(財政及び金融等の基本施策に関する件)
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この発言だけを見る →午後六時一分開会
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委員の異動
二月十三日
辞任 補欠選任
近藤 忠孝君 宮本 顕治君
二月十四日
辞任 補欠選任
宮本 顕治君 近藤 忠孝君
二月十六日
辞任 補欠選任
板垣 正君 野呂田芳成君
江島 淳君 藤田 正明君
梶原 清君 藤井 孝男君
高木 正明君 塚田十一郎君
二月二十四日
辞任 補欠選任
鈴木 和美君 佐藤 三吾君
二月二十五日
辞任 補欠選任
佐藤 三吾君 鈴木 和美君
二月二十六日
辞任 補欠選任
三治 重信君 伊藤 郁男君
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出席者は左のとおり。
委員長 中村 太郎君
理 事
衛藤征士郎君
嶋崎 均君
藤井 裕久君
穐山 篤君
塩出 啓典君
委 員
大河原太一郎君
梶木 又三君
古賀雷四郎君
塚田十一郎君
野呂田芳成君
藤井 孝男君
大木 正吾君
小谷 守君
鈴木 和美君
和田 静夫君
多田 省吾君
近藤 忠孝君
伊藤 郁男君
野末 陳平君
国務大臣
大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
政府委員
大蔵政務次官 浅野 拡君
大蔵大臣官房会
計課長 加茂 文治君
大蔵大臣官房審
議官 水野 繁君
大蔵省主計局次
長 吉野 良彦君
大蔵省主計局次 西垣 昭君
大蔵省主税局長 高橋 元君
大蔵省理財局長 渡辺 喜一君
大蔵省証券局長 吉本 宏君
大蔵省銀行局長 米里 恕君
国税庁直税部長 小幡 俊介君
国税庁調査査察
部長 岸田 俊輔君
事務局側
常任委員会専門
員 伊東 保君
説明員
経済企画庁物価
局物価政策課長 中田 一男君
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本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
(財政及び金融等の基本施策に関する件)
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中
中村太郎#1
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十六日、板垣正君、江島淳君、梶原清君及び高木正明君が委員を辞任され、その補欠として野呂田芳成君、藤田正明君、藤井孝男君及び塚田十一郎君が、また、本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。
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この発言だけを見る →まず、委員の異動について御報告いたします。
去る十六日、板垣正君、江島淳君、梶原清君及び高木正明君が委員を辞任され、その補欠として野呂田芳成君、藤田正明君、藤井孝男君及び塚田十一郎君が、また、本日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。
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中
中村太郎#2
○委員長(中村太郎君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
前回の委員会におきまして財政及び金融等の基本施策について渡辺大蔵大臣から所信を聴取いたしておりますので、これより大臣の所信に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
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質疑のある方は順次御発言願います。
穐
穐山篤#3
○穐山篤君 大臣、大変御苦労さまでございます。
五十六年度の予算の問題は後ほどお伺いしますが、日本と非常に関係の深いアメリカの経済の問題について若干お伺いをしておきます。
二月の十八日ですか、日本時間で十九日になるわけですが、レーガン大統領が経済の再建計画というものを発表しました。これについての内外の評価というのはいろいろあります。いろいろありますが、日本の財政を扱います大蔵大臣として経済政策の四本柱についてどういうふうに御感想をお持ちですか、まず冒頭にお伺いしておきます。
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二月の十八日ですか、日本時間で十九日になるわけですが、レーガン大統領が経済の再建計画というものを発表しました。これについての内外の評価というのはいろいろあります。いろいろありますが、日本の財政を扱います大蔵大臣として経済政策の四本柱についてどういうふうに御感想をお持ちですか、まず冒頭にお伺いしておきます。
渡
渡辺美智雄#4
○国務大臣(渡辺美智雄君) レーガン政権が非常に効率的な身軽な政府をこしらえるのだということをスローガンにして歳出の削減、減税、政府規制の緩和、安定的金融政策という、いわゆる四本柱を立てたわけであります。それによって現在の不況とインフレから民間の活力を取り戻して、ひとつアメリカ経済を立て直そうというような中期的視野に立った思い切ったものである、かように考えております。これによりまして米国の経済が再建をされるということになれば、日本ばかりでなくて世界の自由国家陣営にとっては、私は世界の経済にとっても大変プラスになることじゃないか、そう考えておる次第であります。ただ、これがそのほかに防衛費の増額とかいろんなことも一緒に言っておるわけであって、ちょっと考えるというと。果たして減税とそういうものと一緒にうまくできるのかどうなのか、われわれとしては非常に期待をして実は見ておるところであります。
この間私はアメリカに行ったときに、予算局長のストックマン氏とも会談をしてきましたが、なかなかこれはむずかしいことでしょうと言ったら、非常にむずかしい、おやりになれるのですかと言ったらば、どんなむずかしいことがあっても国民世論が支持をしているから、議会は大変だと思うけれどもあえてやるんだというようなことを言っておりました。
この発言だけを見る →この間私はアメリカに行ったときに、予算局長のストックマン氏とも会談をしてきましたが、なかなかこれはむずかしいことでしょうと言ったら、非常にむずかしい、おやりになれるのですかと言ったらば、どんなむずかしいことがあっても国民世論が支持をしているから、議会は大変だと思うけれどもあえてやるんだというようなことを言っておりました。
穐
穐山篤#5
○穐山篤君 日本への影響という問題も当然あるわけですが、アメリカの経済を見てみますと、物価の上昇率、それから失業の率、金利、いずれも二けたであります。これを一けたにするというのは容易ならざることで、いろんなところの分析を見ましても当分の間続くだろう、二けたないしは二けたに近い状況がしばらく続くだろう、こういう厳しい見方をしております。私はこれも当然だろうというふうに思うんです。
そこで、参考までにお伺いをするわけですが、現在アメリカのドルが世界じゅうにいろんな形で流動しておりますね。中でもアメリカ系の銀行あるいはメジャーというものがいろんな国で投資をしたり、多国籍企業としてのことがあるわけですけれども、このアメリカ系の銀行が持っております過剰流動ドル、こういうものがアメリカ本国に吸収をされなければ、一言で言ってみまして、金利問題を一けたにするということはなかなかむずかしい。しかし、アメリカの金利が高いもんだから、逆に言いますと、世界に流れております過剰流動ドルというのは、またそれはそれなりに働いているわけですね。そういうことを考えてみますと、アメリカの経済の再建というのは非常に厳しいものになる。必然的にその影響が日本を含むいろんな国に肩がわりを要求をされる、あるいはアメリカの経済をできるだけ早く回復するために自由主義諸国が補強工作をせざるを得ない、こういうふうな印象を非常に強く持つわけですが、そういう点について大臣いかがでしょう。
この発言だけを見る →そこで、参考までにお伺いをするわけですが、現在アメリカのドルが世界じゅうにいろんな形で流動しておりますね。中でもアメリカ系の銀行あるいはメジャーというものがいろんな国で投資をしたり、多国籍企業としてのことがあるわけですけれども、このアメリカ系の銀行が持っております過剰流動ドル、こういうものがアメリカ本国に吸収をされなければ、一言で言ってみまして、金利問題を一けたにするということはなかなかむずかしい。しかし、アメリカの金利が高いもんだから、逆に言いますと、世界に流れております過剰流動ドルというのは、またそれはそれなりに働いているわけですね。そういうことを考えてみますと、アメリカの経済の再建というのは非常に厳しいものになる。必然的にその影響が日本を含むいろんな国に肩がわりを要求をされる、あるいはアメリカの経済をできるだけ早く回復するために自由主義諸国が補強工作をせざるを得ない、こういうふうな印象を非常に強く持つわけですが、そういう点について大臣いかがでしょう。
渡
渡辺美智雄#6
○国務大臣(渡辺美智雄君) たとえばIMFとか世界のいろんな機構に対するアメリカの出資というようなものについて、消極的になっているんではないかと見られる節も実はないわけではないわけであります。しかしながら、やはりアメリカが急激にそういうような他国との直接関係あるような問題について、自分だけで独走するということは私はないんじゃないかと、やはりそれらについてはいろいろ関係国と話し合った上でやられることだと思っています。ただ、アメリカ自身が非常に苦しい経済状況にありますから、自分を立て直すために国内的にいろいろな手を打ってくると、そのとばっちりというか、わかりやすく言えば……、影響を受けないかと言えば、多少の影響は当然私はあるだろうと思っております。
この発言だけを見る →穐
穐山篤#7
○穐山篤君 政治的、経済的あるいは軍事的いろんな分野で影響があるというのは当然予想してかからなければならぬわけですが、日本の財政の分野から考えてみて、いまから十分に防衛対策といいますか、十分に準備をしておかなければならぬ分野があると思うんですね。明確には数字は出ておりませんけれども、たとえば軍事の問題について日本はかなり肩がわりを要求をされる、これは日米安保条約という立場も踏まえて要求をされることについては、十分に見通しをしておかなければならぬ課題ではないだろうかと、こういうことが一つありますね。
それから、大臣の直接の所管ではないにいたしましても、日本から自動車その他いろんな物が輸出されておりまして、アメリカでも手をやいているし、EC諸国でも手をやいている問題がある。それらについても最終的に日本の財政に大変なかかわり合いを持ってくることも承知をしなきゃならぬと思うんです。日本の財政がいま非常に厳しいときであるだけに、心の準備というものをしっかり踏まえておかなければならぬと思うんです。
そこで、大蔵大臣として財政の分野からどういうふうな心の準備をいまからしておかなければならぬのか、その点、考えられます範囲で結構ですから明らかにしてもらいたい。
この発言だけを見る →それから、大臣の直接の所管ではないにいたしましても、日本から自動車その他いろんな物が輸出されておりまして、アメリカでも手をやいているし、EC諸国でも手をやいている問題がある。それらについても最終的に日本の財政に大変なかかわり合いを持ってくることも承知をしなきゃならぬと思うんです。日本の財政がいま非常に厳しいときであるだけに、心の準備というものをしっかり踏まえておかなければならぬと思うんです。
そこで、大蔵大臣として財政の分野からどういうふうな心の準備をいまからしておかなければならぬのか、その点、考えられます範囲で結構ですから明らかにしてもらいたい。
渡
渡辺美智雄#8
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま例示をされましたいろいろな日本の輸出というような問題について懸念はないかということでございますが、すでに通産省などでも、集中的な輸出というものが迷惑をかける場合もございますので、共存共栄をしなきゃならぬから、それについては秩序のあるお互いに納得のいくようなものにしようということで自発的にいろいろやっておるようでございます。アメリカの経済が立て直ってくれればそれはむしろ日本にとって非常なプラスになることであって、一刻も早く立て直ってもらいたいということが先であります。
ただいま軍事予算等において、日本で言えば防衛予算でございますが、ともかく非常に大きく要求をしてくるんじゃないかというような御心配の向きもあろうかと存じます。しかしながら、防衛の予算というものは、日本は日本の独自な立場でやはり日本人が最終的には決めていくことであります。ただ、日米安保条約というものを結んでおりますから、日米安保条約が役立たないような防衛体制でもこれは困るわけでありまして、それは日本防衛のために日米安保が機能するという中で、しかもどういうようなやり方があるか、少なくともこれについては日本の国内の事情というものも大きく影響するわけであります。したがいまして、防衛予算等でアメリカが極端なことを要求するということは私はないと思っておりますし、この間私が訪米したときにも、いろいろな方々とお会いをしていろいろお話しもしてきました。やはり最終的にはそれは日本政府が決めることですということでございます。したがって私どもとしては、防衛費の予算については日本の財政事情その他いろんなもろもろの事情を勘案した上で決めていくことでございますので、それほどの心配はしておりません。
この発言だけを見る →ただいま軍事予算等において、日本で言えば防衛予算でございますが、ともかく非常に大きく要求をしてくるんじゃないかというような御心配の向きもあろうかと存じます。しかしながら、防衛の予算というものは、日本は日本の独自な立場でやはり日本人が最終的には決めていくことであります。ただ、日米安保条約というものを結んでおりますから、日米安保条約が役立たないような防衛体制でもこれは困るわけでありまして、それは日本防衛のために日米安保が機能するという中で、しかもどういうようなやり方があるか、少なくともこれについては日本の国内の事情というものも大きく影響するわけであります。したがいまして、防衛予算等でアメリカが極端なことを要求するということは私はないと思っておりますし、この間私が訪米したときにも、いろいろな方々とお会いをしていろいろお話しもしてきました。やはり最終的にはそれは日本政府が決めることですということでございます。したがって私どもとしては、防衛費の予算については日本の財政事情その他いろんなもろもろの事情を勘案した上で決めていくことでございますので、それほどの心配はしておりません。
穐
穐山篤#9
○穐山篤君 毅然たる態度で節目をつけるという考え方はよくわかりました。
大臣の所管ではありませんけれども、ちょっとお考えを伺いたいわけです。
それは日米の経済摩擦、貿易摩擦というものが長年続いているわけですが、たとえば電電公社の機材の問題についての開放という問題が長年政治問題になっておりましたが、ある意味では一件落着をしました。それから外国たばこ、なかんずくアメリカのたばこの問題についても大筋解決をしたわけです。よく振り返ってみますと、一品ずつ処理をしているという感じですね。それもそういう方法があろうと思うんですが、さて、これからは——自動車を筆頭にしていろんな問題が現にあるわけです。たとえば先端分野の商品で見ましても、半導体のICがアメリカに比べ日本が非常にのしてきたわけですね。それからコンピューターはアメリカも約七割持っているわけですが、これも日本と西ドイツが追い上げてきている。それから航空機につきましては、アメリカの専売特許ではありますけれども、NCの装置だとかNCの工作機械、こういうものは圧倒的に日本がアメリカに対してかなり伸ばしているわけですね。それから組み立ての商品で言いますと、御案内のとおり、乗用車、トラック、二輪車、以下いろいろありますけれども、カラーテレビにいたしましても、カメラにいたしましても、相当日本製品の分野が広がってきているわけです。
そこで、先ほど申し上げましたが、一品ずつの処理というようなもので果たしてこれから日米の貿易問題、ECの貿易問題というのが十分に解決を図られるかどうか、そういう点について危惧をするわけです。もちろん私どもといえども、それは分業の時代でありますから共存共栄ということは十分考えなければなりませんけれども、一品ずつの処理でいきますと大変な、結果として日本の産業が一つ一つ後退を余儀なくされる、こういうふうに考えられそうであります。
そこで、大臣の所管ではないんでしょうけれども、もはやこういう状況になれば一品料理でなくて、皿にたくさん盛ったものをどうやってアメリカなりECとの間に円滑な関係を結んでいくか、こういう方法を政治的にとらなければならぬじゃないかというふうに考えますけれども、その点大臣の御感想はいかがでしょう。
この発言だけを見る →大臣の所管ではありませんけれども、ちょっとお考えを伺いたいわけです。
それは日米の経済摩擦、貿易摩擦というものが長年続いているわけですが、たとえば電電公社の機材の問題についての開放という問題が長年政治問題になっておりましたが、ある意味では一件落着をしました。それから外国たばこ、なかんずくアメリカのたばこの問題についても大筋解決をしたわけです。よく振り返ってみますと、一品ずつ処理をしているという感じですね。それもそういう方法があろうと思うんですが、さて、これからは——自動車を筆頭にしていろんな問題が現にあるわけです。たとえば先端分野の商品で見ましても、半導体のICがアメリカに比べ日本が非常にのしてきたわけですね。それからコンピューターはアメリカも約七割持っているわけですが、これも日本と西ドイツが追い上げてきている。それから航空機につきましては、アメリカの専売特許ではありますけれども、NCの装置だとかNCの工作機械、こういうものは圧倒的に日本がアメリカに対してかなり伸ばしているわけですね。それから組み立ての商品で言いますと、御案内のとおり、乗用車、トラック、二輪車、以下いろいろありますけれども、カラーテレビにいたしましても、カメラにいたしましても、相当日本製品の分野が広がってきているわけです。
そこで、先ほど申し上げましたが、一品ずつの処理というようなもので果たしてこれから日米の貿易問題、ECの貿易問題というのが十分に解決を図られるかどうか、そういう点について危惧をするわけです。もちろん私どもといえども、それは分業の時代でありますから共存共栄ということは十分考えなければなりませんけれども、一品ずつの処理でいきますと大変な、結果として日本の産業が一つ一つ後退を余儀なくされる、こういうふうに考えられそうであります。
そこで、大臣の所管ではないんでしょうけれども、もはやこういう状況になれば一品料理でなくて、皿にたくさん盛ったものをどうやってアメリカなりECとの間に円滑な関係を結んでいくか、こういう方法を政治的にとらなければならぬじゃないかというふうに考えますけれども、その点大臣の御感想はいかがでしょう。
渡
渡辺美智雄#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは通産大臣なり外務大臣の所管でございますから、私は深入りすることを避けますが、いずれにいたしましても、日米の貿易摩擦が過熱するということは両国のためにならない。アメリカなどでも、ともかく日本の企業がもっとアメリカに進出をしてもらいたいというようなことは、指導者の方はもうしょっちゅう言っていることであります。また、日本に対しては、どうしてうまくいっているのかというようなことをしょっちゅうわれわれにもいろいろ尋ねるわけでございます。
いずれにいたしましても、しかし、向こうが非常に誤解を持って日本を見ておる場合も実はあるわけでございまして、そういうところで意思の疎通を欠きますというと、ひょっとしたことから大きな話題を提供するようなことにもなりかねませんので、やっぱり日米両国においては外交チャネルを通して、いろいろな業界等の摩擦というものはそれが拡大しないように、またお互いが納得できるように、事前に話し合いの上で早目早目に解決をしていくということが必要ではないかと、かように考えております。
この発言だけを見る →いずれにいたしましても、しかし、向こうが非常に誤解を持って日本を見ておる場合も実はあるわけでございまして、そういうところで意思の疎通を欠きますというと、ひょっとしたことから大きな話題を提供するようなことにもなりかねませんので、やっぱり日米両国においては外交チャネルを通して、いろいろな業界等の摩擦というものはそれが拡大しないように、またお互いが納得できるように、事前に話し合いの上で早目早目に解決をしていくということが必要ではないかと、かように考えております。
穐
穐山篤#11
○穐山篤君 きょうはその問題が本命ではありませんけれども、先ほど私指摘をしましたように、わが国への影響というのはずいぶん出てくるだろうと思うのです。それから政治的に言うならば、レーガン政権の対中国政策がどういうふうに軌道修正されるかによっても日本への政治的、経済的あるいは財政的な分野でもかなりの影響を受ける。それはメリットもあるしデメリットもあるというふうに見ざるを得ないと思いますが、十分にひとつ御研究をいただきたいというふうに思います。
次に、財政の中期展望についてお伺いします。
私は一月三十日の本会議の代表質問でも申し上げましたが、昭和六十年までのごく短期な展望でなくして、もう少し、昭和六十年代に入ったものを含めた中長期の展望を明らかにしなければ、今回の大増税につきましても国民は十分に納得をするわけにいかない、そういう意味でその中長期の展望を質問したわけですが、たまたまその三十日の日に閣議で「財政の中期展望」というものが決定をされて明らかにされているわけです。時間の関係がありますから、これの性格その他について深く掘り下げることはできませんけれども、どなたが見ても一見不思議に思う事柄がこの数字の上からは明瞭ですね。その点についてお伺いをしたいと思うんです。
第一は、その歳入の見積もりの問題です。五十五年度が二二・九%。五十六年度が二二・二%。これを境にして五十七、八、九年度はいずれも一四・六、一四・〇、一四・〇というそういう伸び率になっているわけです。これについて、平たい言葉で言えば、こんなに税収を低く見積もっているのは何かその背景があるはずだ、これは純技術的な背景でなくて政治的な背景があるじゃないかというふうに問われるのも当然だと思うんですね。そこで、この歳入の見積もりの整合性があるかどうか、その根拠が十分に説明ができ得るものかどうか、まずその点をお伺いをしておきたいと思うんです。
この発言だけを見る →次に、財政の中期展望についてお伺いします。
私は一月三十日の本会議の代表質問でも申し上げましたが、昭和六十年までのごく短期な展望でなくして、もう少し、昭和六十年代に入ったものを含めた中長期の展望を明らかにしなければ、今回の大増税につきましても国民は十分に納得をするわけにいかない、そういう意味でその中長期の展望を質問したわけですが、たまたまその三十日の日に閣議で「財政の中期展望」というものが決定をされて明らかにされているわけです。時間の関係がありますから、これの性格その他について深く掘り下げることはできませんけれども、どなたが見ても一見不思議に思う事柄がこの数字の上からは明瞭ですね。その点についてお伺いをしたいと思うんです。
第一は、その歳入の見積もりの問題です。五十五年度が二二・九%。五十六年度が二二・二%。これを境にして五十七、八、九年度はいずれも一四・六、一四・〇、一四・〇というそういう伸び率になっているわけです。これについて、平たい言葉で言えば、こんなに税収を低く見積もっているのは何かその背景があるはずだ、これは純技術的な背景でなくて政治的な背景があるじゃないかというふうに問われるのも当然だと思うんですね。そこで、この歳入の見積もりの整合性があるかどうか、その根拠が十分に説明ができ得るものかどうか、まずその点をお伺いをしておきたいと思うんです。
渡
渡辺美智雄#12
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは一応の経済見通しと、それから過去のある程度長期にわたった税の伸び率というものを機械的に掛け合わせてつくったものでありまして、具体的内容については主税局長から説明いたさせます。
この発言だけを見る →高
高橋元#13
○政府委員(高橋元君) 今回のフォローアップの結果、昭和六十年までの成長率は年率一一・七、五十六年を起点といたしますとそういう見込みになるわけでございます。そこで、一一・七%が等率で伸びるというふうにまず考えました。次に税収でございますが、現在の三十二兆二千億という税収を基礎といたしまして、過去十年間の平均の弾性値が一・二であるということも参考にいたしまして、大体年率一四%——一四・〇四になるわけでございますが、伸びを想定をいたしたわけでございます。
なお、五十七年度につきましては、五十六年度税制改正の平年度化が約千五百百億ございますので、それを加算をいたしまして一四・六という数字になっておりますが、発想といたしましては現在の五十六年度の、いま御提案いたしております税制改正を織り込みました後の税制が毎年毎年一一・七%ずつ伸びていく経済の中で一四%の増収を生むものと、それが毎年等率に起こるものと、こういう想定でございます。
この発言だけを見る →なお、五十七年度につきましては、五十六年度税制改正の平年度化が約千五百百億ございますので、それを加算をいたしまして一四・六という数字になっておりますが、発想といたしましては現在の五十六年度の、いま御提案いたしております税制改正を織り込みました後の税制が毎年毎年一一・七%ずつ伸びていく経済の中で一四%の増収を生むものと、それが毎年等率に起こるものと、こういう想定でございます。
穐
穐山篤#14
○穐山篤君 ことしの五十六年度の二二・二は、たしか積み上げでいったというふうに理解をしているわけですね。従来、昨年もそうでしたけれども、当初説明の段階では弾性値一・二を基準にして考えましたと、数字が大きくなりますとこれは積み上げをいたしましたと、こういうふうに変わっているのが特徴です、皆さん方の説明では。そこで、弾性値一・二として税収の伸びを一四%に見たと、こういうふうに言われればそれまでのことでありますけれども、やっぱり原則的に言えば、積み上げをある程度無理をしながらも行っていかないと、増収見込みにずいぶんとアンバランスが生じるというのはもう過去の歳入見込みでも決定的にあらわれているわけですね。大きく論争するつもりはありませんけれども、非常に少ない見積もりをしているというふうに私どもは指摘をせざるを得ないというふうに思うんです。
この発言だけを見る →高
高橋元#15
○政府委員(高橋元君) ただいまお示しのございました二二・二%という数字は、実は増税が入っておるわけでございます。そこで、今年度一兆三千九百六十億円という税制改正による内国税収の増加を法案として御審議をお願いいたすわけですが、それを除外をいたしまして、かつ五十五年度の補正予算に計上いたしました七千三百四十億円という五十五年度の年度内自然増収を外して考えますと、五十六年度の実力の伸びと申しますか、実力の伸びは一三・七%でございます。
で、石油ショックの後で大体各年の決算対決算の税収の伸びというのを見てまいりますと、五十一年度が一二・三%、五十二年度が一二・四%、五十三年度が一〇%、五十四年度が一四・四——これは御案内のとおり非常に企業の収益力の回復が著しかった年でございます、いわば石油ショック後のピークでございますが、一四・四%。五十五年度は一二・一、七千三百四十億円の補正を入れました後一二・一でございますから、五十六年度の一三・七というのは決して過小な見込みではないと思いますし、今後一一・七%の成長が続く中で一・四%の税収増を見込んでおるということは、決してお話のように過小な見積もりを年々繰り返しておるということではないというふうに私どもは考えて御提案をしておる次第でございます。
この発言だけを見る →で、石油ショックの後で大体各年の決算対決算の税収の伸びというのを見てまいりますと、五十一年度が一二・三%、五十二年度が一二・四%、五十三年度が一〇%、五十四年度が一四・四——これは御案内のとおり非常に企業の収益力の回復が著しかった年でございます、いわば石油ショック後のピークでございますが、一四・四%。五十五年度は一二・一、七千三百四十億円の補正を入れました後一二・一でございますから、五十六年度の一三・七というのは決して過小な見込みではないと思いますし、今後一一・七%の成長が続く中で一・四%の税収増を見込んでおるということは、決してお話のように過小な見積もりを年々繰り返しておるということではないというふうに私どもは考えて御提案をしておる次第でございます。
穐
穐山篤#16
○穐山篤君 次に、歳出の問題ですが、国債費、地方交付税を除いた一般歳出の伸びが五十五年度五・一ですね。それから五十六年がいま審議されているものが四・三ですが、五十七年度からは一〇・四、次いで九・四、九・六というふうに二けたに近い、あるいは五十七年度は二けたになっているわけですね。そうしますと、歳出について思い切って節約をする、あるいは小さい政府をつくるというふうなことで四・三%というふうに相当切り詰めて五十六年度お出しになっているわけですが、五十七年からは高い伸び率をもうこの段階では想定をしているわけですね。
そうしますと、これは一体財政再建というのはどうなっているんだと。財政再建というのはあきらめたんじゃないか。小さい政府にすることについて努力を放棄するのではないか。こういうふうに見られるのは当然だと思うんですね。ここに非常に数字の整合性がないんです。その点はいかがでしょうか。
この発言だけを見る →そうしますと、これは一体財政再建というのはどうなっているんだと。財政再建というのはあきらめたんじゃないか。小さい政府にすることについて努力を放棄するのではないか。こういうふうに見られるのは当然だと思うんですね。ここに非常に数字の整合性がないんです。その点はいかがでしょうか。
渡
渡辺美智雄#17
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく説明をしないと、そういうような誤解を与えるおそれがございます。これは事実は違うわけでありまして、ことしの四・三%というのは、これはいろいろ手を加えてつくったものでございます。かなり八千数百億円に及ぶものをカットしたりあるいは伸びを極力抑えたりあるいは別な方法をとったり、いろんな政策手段を講じて四・三%に抑え込んだと、したがって、これはそういうことをやらないで伸ばせばもっと大きな数字に実際はなるわけです。
ところが、この中期展望というのは現在五十六年度の予算で御審議を願っているものを五十七年度においてそういうようないろいろな方策を全然とらない、そしてありのままに、自動的に伸びるものはそのままというようにしてみるというとこういうような数字になりますと。ですから、こういうような大きな数字になっては困るというわけですから、したがって、これをどういうふうにして今後抑え込んでいくか。ことに今度の国会等でもいろいろ言われるように、ともかく増税をするんならもっと歳出を切れという御意見がこれは非常に強いんです。ところが、現実には法律制度と関係のあるものが非常に多うございますので、ことし以上にさらに切り込んでいくということになりますと、それは新しい一つの政策手段を用いなければならない。物によっては法律の改正もお願いしなきゃならぬと、こういうようなことになるわけであります。しかし、それをしなければこういうことになってしまうということで、今後どうするかという問題については、皆さんの今国会での御議論というものを拝聴して大勢の赴くようにわれわれは決意をしなければならぬと、そう思っておるわけでございます。
この発言だけを見る →ところが、この中期展望というのは現在五十六年度の予算で御審議を願っているものを五十七年度においてそういうようないろいろな方策を全然とらない、そしてありのままに、自動的に伸びるものはそのままというようにしてみるというとこういうような数字になりますと。ですから、こういうような大きな数字になっては困るというわけですから、したがって、これをどういうふうにして今後抑え込んでいくか。ことに今度の国会等でもいろいろ言われるように、ともかく増税をするんならもっと歳出を切れという御意見がこれは非常に強いんです。ところが、現実には法律制度と関係のあるものが非常に多うございますので、ことし以上にさらに切り込んでいくということになりますと、それは新しい一つの政策手段を用いなければならない。物によっては法律の改正もお願いしなきゃならぬと、こういうようなことになるわけであります。しかし、それをしなければこういうことになってしまうということで、今後どうするかという問題については、皆さんの今国会での御議論というものを拝聴して大勢の赴くようにわれわれは決意をしなければならぬと、そう思っておるわけでございます。
穐
穐山篤#18
○穐山篤君 大臣言われますように、公務員の賃金を一%に抑える、あるいは国民金融公庫に対します助成について財投で肩がわりをさせる、いろいろなやりくりをするわけですから、それで四・三%になる。五十七年度以降もそういうふうな努力——そういう努力というのは言い方がいいかどうかわかりませんが、小さい政府にする、冗費を節約する、そういう努力がなされなければならぬわけですが、そうしますと、いまのお話でいきますと、この一般歳出の伸びというのは一定の条件のもとに出したものであって、これを、いうところの中期展望としてしっかり踏まえなくてもよろしいんだと、重要なものではありませんというふうにやや聞こえるんですよね。そうあってはこの中期展望というのは何のために出されたのかよくわからない。
少なくとも、後ほども申し上げますけれども、特例公債については五十九年まではゼロにする、そうしますと、しれの四二二%を超えます一〇・四、九・四、九・六%ということになりますと、相当思い切った増収対策を考える、あるいは特例公債は発行しないけれども、建設国債——四条国債を発行してつじつまを合わせるということが技術的にはどなたでも考えることなんですよね。すでに議論されておりますように、相当大型の増収、増税というものを考えているのではないかというのも無理からぬ意見ですよ、当然だと思うんです。このいま私が指摘をしました二けた台の数字が一けたの真ん中ぐらいに抑えられるという話ならばともかく、そうでないとするならば、いまから財政当局としては大型の増収対策あるいは四条国債の発行、それ以外に大きく財源を求めることは非常に不可能だ、こういうふうに考えます。いかがでしょう。
この発言だけを見る →少なくとも、後ほども申し上げますけれども、特例公債については五十九年まではゼロにする、そうしますと、しれの四二二%を超えます一〇・四、九・四、九・六%ということになりますと、相当思い切った増収対策を考える、あるいは特例公債は発行しないけれども、建設国債——四条国債を発行してつじつまを合わせるということが技術的にはどなたでも考えることなんですよね。すでに議論されておりますように、相当大型の増収、増税というものを考えているのではないかというのも無理からぬ意見ですよ、当然だと思うんです。このいま私が指摘をしました二けた台の数字が一けたの真ん中ぐらいに抑えられるという話ならばともかく、そうでないとするならば、いまから財政当局としては大型の増収対策あるいは四条国債の発行、それ以外に大きく財源を求めることは非常に不可能だ、こういうふうに考えます。いかがでしょう。
渡
渡辺美智雄#19
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはなぜ出したんだという御疑問でございますが、いま私が申し上げましたとおり、手放しておけばどんどんともかく費用がふえる。これは事実の姿ですから、ですから、これでは困るという御意見が私は多いと思うんですね、そういう御意見を持っていただいて結構なんです。したがって、多いといえばなぜこんなに多くなるのか。中身を見てもっと五十七年は切り込むべきじゃないかというと、どこを切るかという問題にこの次はなってくるわけです。したがって、そういうような議論をしてもらって、一緒になって歳出の削減を図っていくという手がかりになればいいということでございます。
したがって、われわれとしては、ただこういうものを出して足りないものは増税でみんなやるというわけではありません。こういうもので一緒になってまず歳出を切るものは切ってみましょう。しかし、どうしても切れないということになれば、じゃ不足財源はどうするんだと。いまおっしゃったように、じゃ四条国債を増発をしてつじつまを合わせるのかという御議論が出るのも私は当然だと思います。しかしながら、これについてはこの試算でも書いてあるように、一応四条国債というものについてはもう五十七、八、九というようにふやさないで考えようじゃないかということになっておるわけです。一方、公共事業はふえておりながら四条国債ふやさないということになれば、要調整額ということで財源どうするんだという問題が出てくるわけであります。これはそのときの経済事情や財政事情によって考えていかなければならない。あるいは年度間で調整して、ある年はふやさないがその次の年は倍ふやすということもあり得るかもわからない。いずれにしても、これは議論をしてもらうためにつくってあるわけであります。
したがいまして、私どもとしては四条国債というのは赤字国債のかわりに使うわけにはいかないわけですから、公共事業をふやさない限りは四条国債をふやすということはあり得ないのでございます。したがって、どうしても切り込めないということになれば、それじゃ切り込めない分についてはどういうような負担の仕方をするのか。負担はもういやだと言うなら切ってもらわなければならないし、切るのがいやなら負担をしてもらわなければならないし、どちらかということになります。したがって、それは大いにその議論をして、まず切り込んでいくということを優先的に考えていきたいと、そう思っておるわけでございます。
この発言だけを見る →したがって、われわれとしては、ただこういうものを出して足りないものは増税でみんなやるというわけではありません。こういうもので一緒になってまず歳出を切るものは切ってみましょう。しかし、どうしても切れないということになれば、じゃ不足財源はどうするんだと。いまおっしゃったように、じゃ四条国債を増発をしてつじつまを合わせるのかという御議論が出るのも私は当然だと思います。しかしながら、これについてはこの試算でも書いてあるように、一応四条国債というものについてはもう五十七、八、九というようにふやさないで考えようじゃないかということになっておるわけです。一方、公共事業はふえておりながら四条国債ふやさないということになれば、要調整額ということで財源どうするんだという問題が出てくるわけであります。これはそのときの経済事情や財政事情によって考えていかなければならない。あるいは年度間で調整して、ある年はふやさないがその次の年は倍ふやすということもあり得るかもわからない。いずれにしても、これは議論をしてもらうためにつくってあるわけであります。
したがいまして、私どもとしては四条国債というのは赤字国債のかわりに使うわけにはいかないわけですから、公共事業をふやさない限りは四条国債をふやすということはあり得ないのでございます。したがって、どうしても切り込めないということになれば、それじゃ切り込めない分についてはどういうような負担の仕方をするのか。負担はもういやだと言うなら切ってもらわなければならないし、切るのがいやなら負担をしてもらわなければならないし、どちらかということになります。したがって、それは大いにその議論をして、まず切り込んでいくということを優先的に考えていきたいと、そう思っておるわけでございます。
穐
穐山篤#20
○穐山篤君 議論をして切り込んでいくという話はよくわかりましたが、そういう点で、たとえば公共投資についてお伺いしますと、五十五年度は〇・二、五十六年度は〇・五のマイナス。ところが五十七年になりますと途端に九・六%いずれも伸びにしているわけですね。ところがその反面、いま大臣言われますように、四条国債というのは六兆七千九百億円ですか、三年とも据え置きにしているという、数字の上からいくと非常に整合性がない。非常に政治的な数字がここに置かれているというふうに見るわけです。これは素人が見てもそういうふうに思いますが、大臣どうでしょう。
この発言だけを見る →渡
渡辺美智雄#21
○国務大臣(渡辺美智雄君) この公共投資の額につきましては、これはこういうふうにすると決まったわけじゃもちろんないわけでございますが、一応政府は七ヵ年計画というものを持っておって、それをフォローアップして少し修正して二百四十兆を百九十兆に直したと。その百九十兆というものをその期間内でいままでやった分を差し引きまして残った分ですね、六十年までに。残った分を仮にこうやるとすれば、ここに書いてあるように九・六、九・六、九・六ぐらいの伸び方で公共事業をやらなければ百九十兆にならぬわけですよ。全体の問題がならない。しかし、そういう計画がある以上は、やはりその計画で公共投資が一応行われるというふうにここに書いてあるわけです、それで行われると。しかしながら、五十七年になってもう景気も回復したと、それによってむしろ物価対策の方が大切だと。ですから公共事業そんなにふやさなくてもいいじゃないかということになれば、これは減らすことも当然あり得るわけです。したがって、そういう点から考えて、四条国債というものについては、公共事業が伸びたからといってそれに伴って全部すっと伸ばすというようには考えてみなかったわけでございます。もともと公共事業というのは国債以外には金出してやっちゃいけないという規則はどこにもないわけでありますから、苦しいときに要するに公共事業の財源として四条国債を発行したということであって、税金で、一般会計でその公共事業をやって悪いということはどこにもないわけです。
でございますから、一応われわれとしては、そういうふうなふやすこともあるだろうし、減らすこともあるだろうが、現在の段階においては財政再建というんだから、赤字国債は五十九年まで減りましたと、なくなりましたと、そのかわり四条国債はその分以上にふえましたというんでは、借金の残高はむしろふえちゃって、財政再建でなくて——国債には別に、これは赤字の国債とかこれは四条国債だとか色違いで売っているわけでも何でもございませんし、金に色目ないわけですから。したがって、四条国債がうんとふえて国債残高がどんどんどんどんふえていくということになれば、金利がかかって借金がふえると同じことですね、これは。したがって、やはり財政再建という以上は、四条国債といえども、ともかくここでどんどんふやす姿であらわすということよりも、一応それは並べて書く方がいいじゃないかというニュアンスで書いてみたわけであります。
この発言だけを見る →でございますから、一応われわれとしては、そういうふうなふやすこともあるだろうし、減らすこともあるだろうが、現在の段階においては財政再建というんだから、赤字国債は五十九年まで減りましたと、なくなりましたと、そのかわり四条国債はその分以上にふえましたというんでは、借金の残高はむしろふえちゃって、財政再建でなくて——国債には別に、これは赤字の国債とかこれは四条国債だとか色違いで売っているわけでも何でもございませんし、金に色目ないわけですから。したがって、四条国債がうんとふえて国債残高がどんどんどんどんふえていくということになれば、金利がかかって借金がふえると同じことですね、これは。したがって、やはり財政再建という以上は、四条国債といえども、ともかくここでどんどんふやす姿であらわすということよりも、一応それは並べて書く方がいいじゃないかというニュアンスで書いてみたわけであります。
穐
穐山篤#22
○穐山篤君 いま予算審議が行われているわけですが、国民の立場から言いますと、増税の前にやるべきことがあるじゃないかということで、不公正税制なりあるいは歳出の節約というものを国民は要求をしております。それについて十分に納得できるものが提示をされるならば、ある分野について税金が高くなるのも協力をせざるを得ぬだろうという気持ちには多分なるだろうと思うんですよ、そこが一つあるわけです。ところが、そのある分野で協力しようと思いましても、先行きが不透明だとしますと、ことしは協力したけれどもこれは将来大変になる、先行きが不透明だと。そういう意味で言うと、ことしの増税にはそう簡単に賛成するわけにいかない、これも国民のごく常識論だと思うんですね。その常識論に答える意味もあるんでしょうけれども、われわれが審議するとするならば、「財政の中期展望」というものが一つの寄りかかりになるわけです。そのときに深く切り込んでくれるという話はいいと思いますよ。しかし、それだけでは国民に対する説明に全然なってない。ことしいろんな増税があるわけですが、これに協力してくれ、将来君たちの生活は安定しながら、国の財政は再建できるぞというその説明にはならないわけです。
だから、その意味で瀬谷先生も私も申し上げましたのは、単に中期の計画というよりも、もう少しきめの細かい、国民が見てなるほどなと、これならば協力しよう、こういうものが欲しいわけですよ。そういう意味で言いますと、この中期展望というのは、一定のたたき台にはなるんでしょうけれども、それ以上のものにならない、こういう気がするわけです。私はそういうふうに考えますが、その点いかがです。
この発言だけを見る →だから、その意味で瀬谷先生も私も申し上げましたのは、単に中期の計画というよりも、もう少しきめの細かい、国民が見てなるほどなと、これならば協力しよう、こういうものが欲しいわけですよ。そういう意味で言いますと、この中期展望というのは、一定のたたき台にはなるんでしょうけれども、それ以上のものにならない、こういう気がするわけです。私はそういうふうに考えますが、その点いかがです。
渡
渡辺美智雄#23
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは非常に経済が世界じゅう不安定でございまして、三年なり四年なりにわたる具体的な政策をずっと先まで見通して決めてしまうということは不可能に近いわけです。たとえば公共事業の問題を一つ取り上げましても、景気がかげりがあるから公共事業をふやせという人があるわけですね。一方においては公共事業はもっと減らせという人があるわけです。ところが、われわれといたしましては実際景気の動向をこうじっと見ておりまして、そしてともかく民間の投資意欲というものは強いと、しかし、個人消費にはかげりがあると。個人消費伸ばすのには物価の安定を図っていけばだんだん伸びるんではないか。だからいまここで公共事業を大きくふやすというようなことも考えられない。じゃ五十七年、五十八年には——一年先なんですね、もう。そのときには景気がどうなるんだかはっきり見通しをつけて公共事業をふやすという方に決めた方がいいのか、公共事業を来年、再来年は減らすというふうにしたのがいいのか。これはだれもなかなか結論出ないわけですね、実際問題として。したがって、それは先々まで見通して決めると言われましても実際問題としてむずかしい。
もう一つは、経費の切り込みという問題についても制度が現在もう手つかずであるわけですから、ここで切り込むということを仮に仮定しても、たとえてわかりやすく言えば、それじゃ農林省で検査員が一万三千人いると。いまどき配給切符や米を簡易検査を一つ一つ、一俵一俵国家公務員がやる必要ないじゃないかという議論があります。それをそれじゃ切るということをここで計画をつくっても、現実にはどこでも決定してないわけですね。政府としても、それじゃ米の食管制度を改正して地方の検査員を何年以内に何入減らすという方針がないわけです、政府としては。したがって、そういう方針が出ればその分だけは今度は減額の方にカウントできます。方針が決まらないんですから、だからカウントできない。
したがって、現在の状態でいけばこういう形になるというのであって、これでは大変なことなんだと。だからこれは一つの例ですよ。そういうのが厚生省においてもあるでしょう、ほかのところも、文部省においてもあるでしょう、いろいろあります。しかし、そういうような制度にも手を突っ込んで、ともかくこの際は増税なんて二回も三回もとんでもないと。国民の側からすれば、そんな過剰サービスは要らない、切ってくれというのが世論だと、したがって、世論の代表である国会においてそういうような意見が出てくれば、当然私はその方向に向かってそれは政策を決定していくと。政策を決定したときにはその決定された政策に従ってこれは修正されると、当然のことだと思います。
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したがって、現在の状態でいけばこういう形になるというのであって、これでは大変なことなんだと。だからこれは一つの例ですよ。そういうのが厚生省においてもあるでしょう、ほかのところも、文部省においてもあるでしょう、いろいろあります。しかし、そういうような制度にも手を突っ込んで、ともかくこの際は増税なんて二回も三回もとんでもないと。国民の側からすれば、そんな過剰サービスは要らない、切ってくれというのが世論だと、したがって、世論の代表である国会においてそういうような意見が出てくれば、当然私はその方向に向かってそれは政策を決定していくと。政策を決定したときにはその決定された政策に従ってこれは修正されると、当然のことだと思います。
穐
穐山篤#24
○穐山篤君 時間がもう来ましたので、中期展望につきましてはまた改めて見解を述べたいと思うのです。
最後に、大蔵省から予算委員会に出されております「国債整理基金の資金繰り状況についての仮定計算」だとか、それからごく最近出ました国債の借りかえだとか、いろいろ悩みの大きい問題も山積しているわけです。しかし国民の率直な気持ちは、昭和五十五年度におきましても七千億円近い自然増収があった、それから五十六年度におきましては四兆五千億近い自然増収を見込んでいる。加えてこの四年の間、税制改正が行われていない。物価の上昇で生活は非常に苦しめられている。こういうものがそれぞれ指摘をされて、国民の大合唱として所得減税を行え、将来の国の財政再建のためにも国民に返すべきものは一遍は返しなさい、これが国民の大合唱になっていると私どもは判断をするわけです。いずれわが党からは明日公式に提案をするわけでありますが、この国民的な大合唱に対して大蔵大臣としてどういうふうにこたえていくのか、短期的な対応の方法なりあるいは長期的な対応の考え方について最後にお伺いをしておきます。
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渡
渡辺美智雄#25
○国務大臣(渡辺美智雄君) 所得税の減税に反対する人は私はないと思いますね。私もできることだったらばやりたいと、条件がそろえばやりたいと思っております。しかしながら、現実の問題として、私がもうすでに七十一兆円からの国債残高を五十五年度末で持っておって、ことし五十五年度でも十四兆の借金をしておる。このために経済政策自体が、金融政策がもううまくいかなくなってきているというのが現実の姿なんです。したがって、これをいつまでも続けるわけにいかない。したがって、五十六年度からは本格的に赤字国債からの脱却を五十九年までにやろうという方針を決定したわけです。
それによって、要するに五十六年度で四兆五千億円程度の自然増収というものが見込まれます。見込まれますが、まずことしのように十四兆借金しないんですから、十二兆しか借金しないよということになれば、そこで二兆円の財源が必要であります。まず四兆五千億円のうち二兆円はその財源に優先的に充てられる。あと二兆五千億円残る。それは国債の利払いと、要するに増税によってお金が入れば三税の三二%は自動的に地方交付税に回ります。それによってほとんど四兆五千億円という金はなくなってしまう。
一方、当然増といわれるものが、それはもう老人がふえれば年金がふえるとか、生徒が三十万人ふえますから一万人先生がふえるとかそういうようなもの、当然増が一兆六千億円ある。準当然増として、物価が上がれば年金スライドするというようなものを含めると一兆九千億円になると、この金どうするかということになってくるわけでございます。したがって、既定の経費の中からかなり実は切り込んでいるんです、やりくりもやっているんです、先生が御指摘のとおり。それは一兆九千億円のものを一兆三千億に減らすわけにいかないんです、実際問題として。ところが、一兆四千億円の増税といっても一兆一千億円しか国は使えないんです、三千億は地方に打っちゃうんですから。一兆一千億円国が取って、そうして一兆九千億円近いものにちゃんと対応しているわけですから、何か手品がなければできないわけですね、これは。手品と言うとしかられるかしれませんが、中でやりくりがなければできない。それは経費のカットなり、あるいは先生が言ったように六百億円ともかく補給金を来年度財投に回したじゃないかというおしかりを受ける部分もそれはあるわけですよ。いずれにしても、そういうことをやって最小限度の増税によって一兆八、九千億に及ぶところの当然増の経費及びエネルギーを初め新しい政策で新しい経費を持っているわけですから、その金どっから出たんだと。それはどっかを切ってそれで差しかえたというようなことをいろいろ工夫を実はしておるわけです。そうなってまいりますというと、なかなか五十六年度において所得税減税をやりたい気持ちはやまやまなれど現実にはできないということで、御容赦をいただきたいと言って謝っておるような次第でございます。
この発言だけを見る →それによって、要するに五十六年度で四兆五千億円程度の自然増収というものが見込まれます。見込まれますが、まずことしのように十四兆借金しないんですから、十二兆しか借金しないよということになれば、そこで二兆円の財源が必要であります。まず四兆五千億円のうち二兆円はその財源に優先的に充てられる。あと二兆五千億円残る。それは国債の利払いと、要するに増税によってお金が入れば三税の三二%は自動的に地方交付税に回ります。それによってほとんど四兆五千億円という金はなくなってしまう。
一方、当然増といわれるものが、それはもう老人がふえれば年金がふえるとか、生徒が三十万人ふえますから一万人先生がふえるとかそういうようなもの、当然増が一兆六千億円ある。準当然増として、物価が上がれば年金スライドするというようなものを含めると一兆九千億円になると、この金どうするかということになってくるわけでございます。したがって、既定の経費の中からかなり実は切り込んでいるんです、やりくりもやっているんです、先生が御指摘のとおり。それは一兆九千億円のものを一兆三千億に減らすわけにいかないんです、実際問題として。ところが、一兆四千億円の増税といっても一兆一千億円しか国は使えないんです、三千億は地方に打っちゃうんですから。一兆一千億円国が取って、そうして一兆九千億円近いものにちゃんと対応しているわけですから、何か手品がなければできないわけですね、これは。手品と言うとしかられるかしれませんが、中でやりくりがなければできない。それは経費のカットなり、あるいは先生が言ったように六百億円ともかく補給金を来年度財投に回したじゃないかというおしかりを受ける部分もそれはあるわけですよ。いずれにしても、そういうことをやって最小限度の増税によって一兆八、九千億に及ぶところの当然増の経費及びエネルギーを初め新しい政策で新しい経費を持っているわけですから、その金どっから出たんだと。それはどっかを切ってそれで差しかえたというようなことをいろいろ工夫を実はしておるわけです。そうなってまいりますというと、なかなか五十六年度において所得税減税をやりたい気持ちはやまやまなれど現実にはできないということで、御容赦をいただきたいと言って謝っておるような次第でございます。
穐
穐山篤#26
○穐山篤君 大蔵大臣に言われっ放しでわかりましたというわけにはいかない。この国債の発行の問題は昭和四十年の発行のときからわが党が厳しく今日を予想をして指摘をしてきたわけです。したがって、今日までの政治的な責任というのは非常に大きい。与党並びにそのときどきの政権党は大いに反省をしてもらわなきゃならぬ。
そこで、この国民的な大合唱であります所得税減税については、十分に国民の声を聞いて政治に生かすようにさらに要望をして、私の質問を終わります。
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多
多田省吾#27
○多田省吾君 私も最初に、所得税の物価調整減税を強く要求したいわけでございます。
その理由は三つあります。一つは、やはり所得税の軽減が特に課税最低限が五十二年から据え置かれたままで、そして物価の異常高騰によって実質的な大増税になっております。昨年はそのために実質賃金が〇・九%減ったというような統計始まって以来の出来事もございました。第一次オイルショックのときも考えられないほどの出来事でございます。第二には、やはり私は、労働間の信頼関係が大きく現在損なわれていると思います。それを解決するには、やはり物価調整減税以外にはないと思います。第三には、やはり日本の経済が物価調整減税をやって、そして個人消費を喚起しなければ大変なことになるのではないか、このように考えるわけでございます。ですから、大臣のおっしゃるように、物価調整減税やりたいのはやまやまであるけれども、条件が整っていないのだ、財政再建ということをおっしゃるわけです。しかし、私はこの条件をつくり出していかなければならない、このように思います。
で、第一の問題である国民の所得の目減りということにつきましても、やはり勤労所得税というものが極端に増税されていることは否めない事実だと思います。先ほど大臣おっしゃったように、来年度の税の自然増収額は四兆四千九百億円が見込まれておりますけれども、税目別に見ますと、所得税が二兆七千六百九十億円、源泉分が二兆八百億円で全体の六二%に当たります。次いで法人税が一兆二千二百四十億円、二七・三%。物品税が一千百十億円、二・五%。圧倒的な部分を所得税で自然増収を賄っているわけでございます。ですから私どもは、異常なこの物価上昇に見合った分だけの増収分、これだけでもやはり七千億円や八千億円はあるんだと思います。ですから、野党あるいは労働組合等がこぞって国民的要求をしております四千五百億円程度の物価調整減税をやったとしても決して減税ではなくて、異常な実質増税を少し国民に還元する程度であって、その程度でも私は実質増税だと思っているわけでございます。やはり私は、その第一の理由によって、どうしても条件をつくり出して所得減税はしなければならないと思います。
第二番目は、やはり労使間の信頼感が非常に失われたということでございます。
昨年の春闘においても勤労者の大部分は政府を信用して、物価上昇は六・四%に必ず政府は抑えるだろうと。抑えなければ政治責任にもなるし、これは大変なことになるということで、六・九%程度の賃上げをやむを得ずのんだ姿になったわけでございます。ところが実際は、六・四%の消費者物価上昇が実は改定されまして七%程度だ。河本経企庁長官によれば、七%程度ということは六・五%から七・五%の間だ。非常におかしい論理を展開しておるわけです。私たち常識で言えば、七%程度、昔からの政府答弁によれば大体六・八から七・二ぐらいが妥当だと思うんですが、七・五%まで七%程度だということで言っているわけです。ところが、現在の消費者物価はそれにとどまらない、恐らく八%を三月末で超えるだろう、こういう見通してございます。ですから、そういう国民の信頼を裏切った政府というものが、どうしてもこの物価上昇によって異常に増収されたところの所得税というものをやはり国民に還元しなければ、私は大変なことになると思うんです。
第三番目には、やはり国民経済から見ましても、昭和五十五年度は政府の言うような実質経済成長率に私は達すると思います。しかしながら、これは大臣も御承知のように、異常な輸出増、あるいは大企業のいわゆる設備投資等に救われた形でございます。それもこの五十六年度は、御存じのように中小企業の設備投資が低迷したままで、しかも公定歩合も非常にいま高いので、大変中小企業も苦しんでおります。大企業がそれにつられて設備投資が低迷し出した。あるいは先ほどもございましたように、自動車や家電やあるいは工作機械等の輸出というものがアメリカ、EC等において非常に紛争を醸し出しておりまして、五十六年度においては輸出増というものは恐らく私は見込めないだろうと思います。そういうことになりますと、やはり個人消費を大幅に喚起しなければ日本経済の実質成長というものは非常に落ち込んでしまう、このように思います。その証拠に最近の在庫調整だって、一月−三月期でおおむね底に達するだろうといわれていたのが、四月−六月期まで繰り延べになるんじゃないかとも言われているじゃありませんか。
大臣は、きのうも衆議院の予算委員会等におきまして、日本の所得税の課税最低限は非常に高いのだ、フランスに次いで高いということをおっしゃっております。しかし、昨日も論議がございましたように、国民の可処分所得、あるいは実質購買力、物価水準、公共サービス、国民に還元される福祉や年金等の還元分等を考えてみた場合に、一概にそう言えないものがございます。アメリカですら、ああいう経済が逼迫している状況で、この三年間に一〇%ずつの所得減税、八兆円の所得減税を行おうとしているじゃありませんか。そして大臣あるいは総理も、このアメリカの民間の活力に期待しているんだと、こういうことをおっしゃる。なぜアメリカに期待して、日本にこの民間の活力をもっともっと強めるための、すなわち物価調整減税による個人消費の上昇ということをなぜ大臣は考えないのかですね。
私は、やはり条件を整えるということはいまからでもできると思うんです。補助金の整理、あるいは不公平税制の是正とか、やり方は幾らでもあります。私はやはり、こういう強い国民的要求もございますので、その三つの理由によってどうしてもここでやはり大臣としては、物価調整減税は財源がないからできないんだ、条件がないからだめなんだとおっしゃらずに、やはり物価調整減税に踏み切って、そして日本経済を立て直し、また国民を信頼して、そしてまた最も税制において過酷な扱いを受けているところの勤労所得者の勤労に報いるべきである、このように強く私は要求したいと思います。
この発言だけを見る →その理由は三つあります。一つは、やはり所得税の軽減が特に課税最低限が五十二年から据え置かれたままで、そして物価の異常高騰によって実質的な大増税になっております。昨年はそのために実質賃金が〇・九%減ったというような統計始まって以来の出来事もございました。第一次オイルショックのときも考えられないほどの出来事でございます。第二には、やはり私は、労働間の信頼関係が大きく現在損なわれていると思います。それを解決するには、やはり物価調整減税以外にはないと思います。第三には、やはり日本の経済が物価調整減税をやって、そして個人消費を喚起しなければ大変なことになるのではないか、このように考えるわけでございます。ですから、大臣のおっしゃるように、物価調整減税やりたいのはやまやまであるけれども、条件が整っていないのだ、財政再建ということをおっしゃるわけです。しかし、私はこの条件をつくり出していかなければならない、このように思います。
で、第一の問題である国民の所得の目減りということにつきましても、やはり勤労所得税というものが極端に増税されていることは否めない事実だと思います。先ほど大臣おっしゃったように、来年度の税の自然増収額は四兆四千九百億円が見込まれておりますけれども、税目別に見ますと、所得税が二兆七千六百九十億円、源泉分が二兆八百億円で全体の六二%に当たります。次いで法人税が一兆二千二百四十億円、二七・三%。物品税が一千百十億円、二・五%。圧倒的な部分を所得税で自然増収を賄っているわけでございます。ですから私どもは、異常なこの物価上昇に見合った分だけの増収分、これだけでもやはり七千億円や八千億円はあるんだと思います。ですから、野党あるいは労働組合等がこぞって国民的要求をしております四千五百億円程度の物価調整減税をやったとしても決して減税ではなくて、異常な実質増税を少し国民に還元する程度であって、その程度でも私は実質増税だと思っているわけでございます。やはり私は、その第一の理由によって、どうしても条件をつくり出して所得減税はしなければならないと思います。
第二番目は、やはり労使間の信頼感が非常に失われたということでございます。
昨年の春闘においても勤労者の大部分は政府を信用して、物価上昇は六・四%に必ず政府は抑えるだろうと。抑えなければ政治責任にもなるし、これは大変なことになるということで、六・九%程度の賃上げをやむを得ずのんだ姿になったわけでございます。ところが実際は、六・四%の消費者物価上昇が実は改定されまして七%程度だ。河本経企庁長官によれば、七%程度ということは六・五%から七・五%の間だ。非常におかしい論理を展開しておるわけです。私たち常識で言えば、七%程度、昔からの政府答弁によれば大体六・八から七・二ぐらいが妥当だと思うんですが、七・五%まで七%程度だということで言っているわけです。ところが、現在の消費者物価はそれにとどまらない、恐らく八%を三月末で超えるだろう、こういう見通してございます。ですから、そういう国民の信頼を裏切った政府というものが、どうしてもこの物価上昇によって異常に増収されたところの所得税というものをやはり国民に還元しなければ、私は大変なことになると思うんです。
第三番目には、やはり国民経済から見ましても、昭和五十五年度は政府の言うような実質経済成長率に私は達すると思います。しかしながら、これは大臣も御承知のように、異常な輸出増、あるいは大企業のいわゆる設備投資等に救われた形でございます。それもこの五十六年度は、御存じのように中小企業の設備投資が低迷したままで、しかも公定歩合も非常にいま高いので、大変中小企業も苦しんでおります。大企業がそれにつられて設備投資が低迷し出した。あるいは先ほどもございましたように、自動車や家電やあるいは工作機械等の輸出というものがアメリカ、EC等において非常に紛争を醸し出しておりまして、五十六年度においては輸出増というものは恐らく私は見込めないだろうと思います。そういうことになりますと、やはり個人消費を大幅に喚起しなければ日本経済の実質成長というものは非常に落ち込んでしまう、このように思います。その証拠に最近の在庫調整だって、一月−三月期でおおむね底に達するだろうといわれていたのが、四月−六月期まで繰り延べになるんじゃないかとも言われているじゃありませんか。
大臣は、きのうも衆議院の予算委員会等におきまして、日本の所得税の課税最低限は非常に高いのだ、フランスに次いで高いということをおっしゃっております。しかし、昨日も論議がございましたように、国民の可処分所得、あるいは実質購買力、物価水準、公共サービス、国民に還元される福祉や年金等の還元分等を考えてみた場合に、一概にそう言えないものがございます。アメリカですら、ああいう経済が逼迫している状況で、この三年間に一〇%ずつの所得減税、八兆円の所得減税を行おうとしているじゃありませんか。そして大臣あるいは総理も、このアメリカの民間の活力に期待しているんだと、こういうことをおっしゃる。なぜアメリカに期待して、日本にこの民間の活力をもっともっと強めるための、すなわち物価調整減税による個人消費の上昇ということをなぜ大臣は考えないのかですね。
私は、やはり条件を整えるということはいまからでもできると思うんです。補助金の整理、あるいは不公平税制の是正とか、やり方は幾らでもあります。私はやはり、こういう強い国民的要求もございますので、その三つの理由によってどうしてもここでやはり大臣としては、物価調整減税は財源がないからできないんだ、条件がないからだめなんだとおっしゃらずに、やはり物価調整減税に踏み切って、そして日本経済を立て直し、また国民を信頼して、そしてまた最も税制において過酷な扱いを受けているところの勤労所得者の勤労に報いるべきである、このように強く私は要求したいと思います。
渡
渡辺美智雄#28
○国務大臣(渡辺美智雄君) 広範にわたりましていろいろ御意見を交えたお尋ねがあったわけでございます。
私は、本当に、昨年の春の春闘において労働組合の指導者の方々が良識ある質上げで妥結をなさったということについては、深い敬意を表しておるような次第でございます。そのときに六・四%というように、政府はその程度の物価の目標を掲げたことも事実でございます。しかるにかかわらず、物価が七%台ということでその見通しに狂いが起きたと、これも事実でございます。ところが、世界じゅうこれはもうみんな大狂いに狂ってしまいまして、御承知のとおり、アメリカなどではいまでももう一三%程度のインフレでございますし、イギリスはそれよりちょっと高い、フランスも大体その程度、イタリーが一八、九というところでしょう、一時二〇%に行ったと言ってましたから。ブラジルも一〇〇%とか、世界じゅう実際狂っちゃったわけなんですよ。そこで、日本は狂いが実は一番少ない国でございまして、これをぴたっと当てると言われましても、なかなかこれは本当に、言いわけがましい話でございますが当たらなかったと、一〇〇%は。という点は申しわけないですが、もう世界の経済事情がそういう事情だったので、そこへもってきてイランの戦争、あるいは日本だと冷夏の問題とか豪雪とかいろいろ重なって、六・四にうまくいきそうにないということについては、それらの諸事情も御勘案をして、これは申しわけありませんというお願いをする以外にはないと私は思っておるわけでございます。それによって、要するに労働者の実質賃金が五十五年においてわずかではあるが〇・九、いままでにないことだ、減ったじゃないかと、これも私は御指摘のとおりだと思います。しかしながら、現実の問題といたしまして、いま私が言ったように日本の課税最低限というのは昭和五十二年に改正して以来ずっと据え置かれておることも事実でございますが、まあ幸いにその間における可処分所得の問題においては、これはわずかではありますがふえておることも事実でございます。で、いままで本来ならば税収がうんと減ったときに借金をしないで何らかの形で、公共サービスを少なくするかあるいは増税を行うかすべきものであったものを、それをやらなかったということも事実でございます。
そういうような諸般の情勢から、今回はまことに申しわけございませんが、結局財政の立て直しということがやっぱり国民経済に私は一番影響がある。ここでさらに財政を悪化させながら減税をするということのメリットと、そういう諸般の情勢からしてわずかに実質賃金が減ったことも事実であるが、しかしこれは幸いに、ともかく三月、四月、五月にかけての日本の卸売物価、それに続く消費者物価の低落傾向は顕著に実はあらわれてきておる。そういう点から考えると、むしろ物価の安定というものを先に進めることによって、個人消費の支出を伸ばすということによって景気を維持していくと、よくしていくということの方がいいという政策判断に基づいておるわけでございます。で、アメリカの民間活力というものははなはだ低くて、日本は労働生産性の上昇というのは、一つの例を取れば、一九七九年で対前年比で日本は四・五プラスになっていますが、アメリカの労働生産性というのは非常に低くてマイナスの〇・四というような状態でありまして、民間の活力というものは日本とアメリカでかなり違う。
私はそういうような点から考えますと、この際はひとつ、まあ労使の賃金問題でわれわれ口出すことは一切できませんが、物価の安定というものを通して国民生活に寄与するという点に重点を置いた方が今後のいろんな面で望ましいというような政策判断に基づいて、今回はひとつ減税はお許しをいただきたいということを申し上げておる次第でございます。
この発言だけを見る →私は、本当に、昨年の春の春闘において労働組合の指導者の方々が良識ある質上げで妥結をなさったということについては、深い敬意を表しておるような次第でございます。そのときに六・四%というように、政府はその程度の物価の目標を掲げたことも事実でございます。しかるにかかわらず、物価が七%台ということでその見通しに狂いが起きたと、これも事実でございます。ところが、世界じゅうこれはもうみんな大狂いに狂ってしまいまして、御承知のとおり、アメリカなどではいまでももう一三%程度のインフレでございますし、イギリスはそれよりちょっと高い、フランスも大体その程度、イタリーが一八、九というところでしょう、一時二〇%に行ったと言ってましたから。ブラジルも一〇〇%とか、世界じゅう実際狂っちゃったわけなんですよ。そこで、日本は狂いが実は一番少ない国でございまして、これをぴたっと当てると言われましても、なかなかこれは本当に、言いわけがましい話でございますが当たらなかったと、一〇〇%は。という点は申しわけないですが、もう世界の経済事情がそういう事情だったので、そこへもってきてイランの戦争、あるいは日本だと冷夏の問題とか豪雪とかいろいろ重なって、六・四にうまくいきそうにないということについては、それらの諸事情も御勘案をして、これは申しわけありませんというお願いをする以外にはないと私は思っておるわけでございます。それによって、要するに労働者の実質賃金が五十五年においてわずかではあるが〇・九、いままでにないことだ、減ったじゃないかと、これも私は御指摘のとおりだと思います。しかしながら、現実の問題といたしまして、いま私が言ったように日本の課税最低限というのは昭和五十二年に改正して以来ずっと据え置かれておることも事実でございますが、まあ幸いにその間における可処分所得の問題においては、これはわずかではありますがふえておることも事実でございます。で、いままで本来ならば税収がうんと減ったときに借金をしないで何らかの形で、公共サービスを少なくするかあるいは増税を行うかすべきものであったものを、それをやらなかったということも事実でございます。
そういうような諸般の情勢から、今回はまことに申しわけございませんが、結局財政の立て直しということがやっぱり国民経済に私は一番影響がある。ここでさらに財政を悪化させながら減税をするということのメリットと、そういう諸般の情勢からしてわずかに実質賃金が減ったことも事実であるが、しかしこれは幸いに、ともかく三月、四月、五月にかけての日本の卸売物価、それに続く消費者物価の低落傾向は顕著に実はあらわれてきておる。そういう点から考えると、むしろ物価の安定というものを先に進めることによって、個人消費の支出を伸ばすということによって景気を維持していくと、よくしていくということの方がいいという政策判断に基づいておるわけでございます。で、アメリカの民間活力というものははなはだ低くて、日本は労働生産性の上昇というのは、一つの例を取れば、一九七九年で対前年比で日本は四・五プラスになっていますが、アメリカの労働生産性というのは非常に低くてマイナスの〇・四というような状態でありまして、民間の活力というものは日本とアメリカでかなり違う。
私はそういうような点から考えますと、この際はひとつ、まあ労使の賃金問題でわれわれ口出すことは一切できませんが、物価の安定というものを通して国民生活に寄与するという点に重点を置いた方が今後のいろんな面で望ましいというような政策判断に基づいて、今回はひとつ減税はお許しをいただきたいということを申し上げておる次第でございます。
多
多田省吾#29
○多田省吾君 私は、大臣がいろいろ理由を並べられましたけれども全然納得できませんし、物価調整減税、数の少ない野党の要望なんかにこたえられるかというような、あるいは財政再建元年だから意地でも減税はしないぞというような意地を通しているようにしか私は思えないんです。ですから、異常な物価上昇の分における、それに見合った所得税の増収分だけでも七千億円、八千億円あるじゃないか、それを四千五百億円程度国民に返すのがなぜできないのか、その四千五百億円ほど物価調整減税を行うことによって個人消費も大いに喚起されて、実質経済成長率もぐんと伸びるし、またそれによる税収もそれ以上に私は見込めるはずだと思いますし、私はできないわけは絶対ないと思うんです。だから条件を整えて、この際、そういう一たん決心を強くなされたことはよく承知しておりますけれども、この際やはり、アメリカでさえあの財政の逼迫した現況において三年続けて一〇%の所得減税、八兆円の所得減税をやろうとしている。民間活力を回復させようとしている。日本が四千五百億円程度の物価調整減税——当然国民に戻すべき減税です、減税の名に値しない減税です、そのぐらいは行うべきだと、このように私は思います。
その点と、もう一つは、倒産等によって非常に中小企業が苦難を強いられておりますけれども、いわゆる金融政策の運営に当たって、総合的に判断して機動的に対応していくと、大臣も所信表明でおっしゃっていますけれども、第三次公定歩合引き下げに対してどういう考えをお持ちなのか、その二点をお尋ねします。
この発言だけを見る →その点と、もう一つは、倒産等によって非常に中小企業が苦難を強いられておりますけれども、いわゆる金融政策の運営に当たって、総合的に判断して機動的に対応していくと、大臣も所信表明でおっしゃっていますけれども、第三次公定歩合引き下げに対してどういう考えをお持ちなのか、その二点をお尋ねします。