亀岡高夫の発言 (農林水産委員会)

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○国務大臣(亀岡高夫君) 最近の蚕糸事業、とみに厳しい情勢の度を加えておりますこと十分承知いたしております。御承知のように、生糸の糸価相場は二年ほど前から低迷をいたしておりまして、その反面また外国の生糸等も、五十二年、五十三年、五十四年と相当数量の生糸並びに絹織物が輸入をされておるわけでございます。これらの関係で蚕糸事業団の在庫量がどんどんどんどんふえまして、三月末で十四万八千俵と、こういう多量の糸を抱えておると、こういう現状にあるわけでございます。
 ところが、需要の方はぐんぐんぐんぐん減退をいたしまして、これまたさえない情勢が二年以上も続いておると、こういう情勢の中で、農林水産省としては転作作目としても奨励をしつつきておるわけでございますが、いかんせん事業団の十四万八千俵という在庫の圧力が糸価に影響いたしましてどうしてもさえないと。一面、実需割り当ての方も、放出しようといたしましても、放出する生糸の相場の値上がりという情勢も生まれてこないと、こういうことをずっと続けておりまして、このまま推移していけば大変なことになって、生糸の繭の価格を安定さしていくためのこの繭糸価格安定法という法律そのものの運用が動かなくなってくる心配も出てくると、こういうことで、何とかしてこの退勢を挽回しなければいかぬと、こういうことで、二年ほど前からあらゆる努力をし、蚕糸事業団法の改正等も行っていただいて努力をいたしてきたわけでありますが、何ら糸価に影響を与えることができない、こういう事態で昭和五十六年度の基準糸価を決めなければならない情勢になったわけでございます。
 そこで、私といたしましては、ここで起死回生の策をとってとにかく生糸が動くようにしなけりゃいかぬと。もう全く問屋は問屋で、織物は織物で、製糸は製糸でという立場、立場でまあ従来は生糸等を相当持っておったわけでありますが、それを全部事業団が肩がわりして事業団に在庫として残っておるということでございまして、糸が動かない。こういうことをやっておりましたんでは、もう事業団も大体千二百億くらいの借入金をいたしまして、そうして金利だけでも年間百億以上の支払いをしておると、こういうことになりますと、結局これが在庫の生糸にかかっていって、生糸の単価を引き上げるというような事態にもなりましてなかなか問題多しと、こういうことでございます。伸びんと欲せばまず屈せよというようなことわざも思い出しながら、私といたしましてはここでひとつ思い切った措置を講じて、屈してこの時期を乗り切るという構えをとったらいかがかなという考えも実は持ったわけであります。
 しかし、いろいろ諸般の情勢上、まあ異常事態でもありますので、もう少し情勢を検討をし、こういう大きな決心を実現する際には多くの方々のやはり意見も十分尊重しなければならないと、こういうことでいま最終的な詰めを、基準糸価に対する考え方の詰めをさしていただいておるという事情でございます。私といたしましては、そういうことを実行することによりまして、将来やっぱり養蚕農家がこの国会で制定していただいております繭糸価格安定法の精神を十分に活用して、そうして養蚕、製糸、機屋が日本の伝統産業であるこの絹産業を発展せしめていくことのできるような足腰の強い体制をつくっていく必要があるというふうに認識をいたしておる次第であります。

発言情報

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発言者: 亀岡高夫

speaker_id: 24740

日付: 1981-04-23

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会