小野明の発言 (文教委員会)

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○小野明君 ただいま議題となりました義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 去る第七十五回国会におきまして、両院とも全会一致で可決成立を見ました女子教育職員等の育児休業制度は、女子教育職員、看護婦、保母等の継続的な勤務を促進することにより教育及び医療、社会福祉に関する業務の円滑な実施を確保するために設けられたものであり、これは全国の多数の女子教育職員等の永年にわたる念願が実現したものであります。
 ところで、育児休業制度を利用できる職員の範囲については、本法第二条及び第三条により、一歳未満の乳児を養育する義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等とされており、さらに女子教育職員としては、校長、教頭、教諭、養護教諭、助教諭、養護助教諭、講師、実習助手及び寮母と規定されております。これらの職員が育児休業制度の適用対象とされた理由は、その職場において果たす役割りが重要である上に、その職務内容が高度の責任を伴った特殊のものでかつ経験を必要とし、さらには、人材確保の見地から職務に慣熟した者の離職をできるだけ防止する必要性が着目されたからであります。
 このような立法趣旨からいたしますと、現在育児休業制度の適用対象となっていない養護学校等の看護婦、学校事務職員及び学校栄養職員も当然その対象に加えられなければならないのであります。
 まず第一に、養護学校等の看護婦についてであります。養護学校等における看護婦は、児童・生徒に対する療育、すなわち深い教育的配慮のもとでの看護業務に従事しているのであります。特に昭和五十四年度より養護学校の義務化が施行され、従来にも増して心身の障害の程度の重い子供の療育を養護学校が行わなければならなくなった状況を考えますと、そこでの看護婦の業務の重要性はさらに増してくると同時に、その人員も増加する必要性が高まってきております。したがいまして、これら看護婦については、本法の適用対象に加える必要があると言わなければなりません。さらに、医療施設、社会福祉施設等における看護婦の業務の困難性・専門性と比較しましても、また資格・免許の同一性に着目しても、育児休業制度の適用対象に加えるのは当然であり、むしろいままで適用されなかったことは、立法政策上のミスと言っても過言ではないのであります。
 第二に学校事務職員についてであります。学校事務職員を育児休業制度の適用対象に加えるべきかどうかについては、立法時にも検討されたところであります。しかし当時は、いわゆる産休代替の職員の確保に関する法律の適用対象に事務職員を加えることが問題となっていたため、その解決を待って検討するということで、ひとまず見送られてきたところであります。
 御承知のように、学校事務職員は、学校教育上きわめて重要かつ広範な役割りを果たしているのであります。すなわち、まず一般的な事務として文書・統計・給与・経理事務などがあり、また、直接子供にかかわる事務としては、教材教具、施設設備及び就学奨励などに関する事務、さらには地域の父母にかかわるPTAの諸活動への援助などきわめて多方面にわたっております。さらに、これらの複雑多様な学校事務を適正に行うためには、学校教育の理念、教育課程や教育行政の仕組み、子供に必要な学習環境など学校教育に関する深い知識、経験が要請されており、一般行政事務とは異なった専門性を持たなければならないのであります。この認識に基づいて学校事務職員については、学校教育法第二十八条において、原則として置かなければならない職員として位置づけられ、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律並びに公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律においては、その標準定数が定められ、また、地方公務員法第五十七条においては、一般の地方公務員と比べてその職務と責任に特殊性が存する旨が規定されているのであります。
 さらに第八十四回国会におきまして、学校事務職員についても産休代替の職員を確保するための改正法案が、両院とも全会一致で可決され、学校事務職員の専門性、特殊性が確認されたところであります。
 かてて加えて、学校事務職員は各学校に一名置かれている場合が多く、慣熟した職員に離職されると、すぐには専門家を得にくくまた育てにくい環境にあります。さらに同一職場に勤務する他の教育職員とのこのような不均衡、不平等は、学校の一体的運営を阻害するばかりでなく、人材の確保、積極的な職務態度の維持等の障害ともなりかねないところであります。
 第三は学校栄養職員についてであります。学校栄養職員は、児童生徒に必要な栄養量の算定、味覚、嗜好を考慮した食品構成による献立の作成などの栄養管理、食品、施設設備、従事職員等に対する衛生管理のほか、給食運営に必要な事務処理や物資管理、さらには教員や児童生徒に対する栄養指導などを職務としております。
 御存じのように第七十二回国会では、学校栄養職員の職務と教育的役割りの重要性から、学校給食法等が改正され、その職務の明確化が図られるとともに、県費負担教職員として位置づけられ、いわゆる標準定数も定められたのであります。さらにその教育的役割りにつきましては、同法が改正された際に出された初等中等教育局長、体育局長通達の中で学校栄養職員を「栄養管理にあたる教育的専門職員」と定義されていることや、第八十四回国会において、いわゆる産休代替の職員の確保に関する法律の改正で、学校栄養職員もその適用対象に加えられたことからも明らかであります。また実際に学校においても、校内放送で栄養指導を行ったり、子供や家庭に配る献立表の中で栄養知識や食品の解説を行ったりしているところであります。
 その上、学校栄養職員も各学校、共同調理場に一名置かれている場合が多く、学校栄養職員に離職されるとすぐには専門家を得にくい環境にあることは学校事務職員の場合と同様であります。
 したがいまして、学校栄養職員についても育児休業制度の適用対象に加えるべきであると考えるものであります。
 以上、それぞれ申し述べました理由から、養護学校等の看護婦、学校事務職員及び学校栄養職員を育児休業制度の適用対象に加えるため、本改正案を提出した次第であります。
 次に、改正案の内容としては、育児休業制度の適用対象となる職員に、養護学校等における看護の業務に従事する看護婦及び准看護婦、学校事務職員並びに学校栄養職員を加えることとし、それに伴い本法の題名中の「女子教育職員」及び本則中の「教育職員」の字句を教育職員と事務職員等の総称である「女子教職員」、「教職員」にそれぞれ改めることといたしました。
 なお、この法律は昭和五十七年四月一日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、至極もっともな提案でありますので、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 以上であります。
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発言情報

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発言者: 小野明

speaker_id: 28797

日付: 1981-03-31

院: 参議院

会議名: 文教委員会