西本三十二の発言 (文教委員会)
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○参考人(西本三十二君) 第一は、放送大学では、高等学校卒業または同等の学力を有する者と言って門戸を開放しておることであります。そして、入学試験は行わない、書類審査によって申し込み順に入学を許すということがオープンユニバーシティーがこれだけ実績を上げたのであり、日本の放送大学もそれにならっておる点であります。
さらにもう一つは、他の大学で得た単位をオープンユニバーシティーが認めるということです。その第一表でごらんいただいてわかるように、第二年度にすでに卒業生を出しております。これは、イギリスのティーチャー・トレーニング・カレッジというのは昔の日本の高等師範のようなものでありまして、学士号がもらえていないんです。もう一年大学で単位を取れば学士号がもらえるというようなことで、第一年には教員が殺到したわけなんです。そして、このごろはもうそういうのがだんだん減ってきたから教員の志願者が少なくなってきたんですが、ここにもいわゆる差別的な待遇を受けておったところの英国の小学、中学、高等学校の教員にオープンユニバーシティーが非常に大きな役割りを果たした。日本も、病気その他経済上の理由によって大学を中途でやめた人が放送大学に入ってくることによって、いままでせっかく金をかけ時間をかけ努力したところの大学の勉強をむだにしないで、学士号を得ようとするならば得られるというところに大きな利点があることであります。
その次はラジオ、テレビを活用するということでありまして、ラジオ、テレビというとすぐに一方的であり、相互交流が行われないというふうに決めつけてしまうのがこのごろのジャーナリズムのたてまえでありまするけれども、一昨日皆さんがごらんになったように、スペースシャトル、宇宙連絡船がああいうふうな成果を上げておるのであって、放送大学はあれほどコンピューターやその他を十分に使うところまでいきませんけれども、今日のエレクトロニクスの発達したところのものを上手に使うことによって、従来の大学教育では行えなかったところのすばらしい方法あるいはテキストの製作あるいは放送番組の制作にまでもそういうものを使って、一教師いかに学徳のすぐれた先生といえども果たし得ないようないい番組を学生に提供することができる、私は決してそれで万能とは申すのではありませんけれども、いままでのいわゆる既定概念によるところの大学教師と学生との交流ということを、現代の高度に発達したエレクトロニクス、科学技術を使えば、大いに一方交通であるということの非難を緩和することができる。私は緩和と申します、絶対に全部がやれるとは申しませんけれども、そこには従来の大学教育では果たし得ない大きな可能性を持っておる。それがやはり英国においてもオープンユニバーシティーで活用されておることであります。そして、オープンユニバーシティーのラジオ、テレビはわずかだとおっしゃったけれども、これはウィルソンの考えておったいわゆる第四チャンネルを得られなかったからBBCに頼ったのであって、将来これはわずかにまだ十年しかたっていないんですから、今後こういう問題なども解決することによって、日本の放送大学もさしあたりは東京タワーから出てくる範囲内しかできないというまことにこれはもう赤ん坊にも等しいようなものでありまするけれども、それをもって放送大学がひ弱くてだめだと言ってしまうのは余りにも早合点だと私は考えるのであります。オープンユニバーシティーは、いろいろそういうものを使っておることによって非常に親しみ深い教材の提供と学習ができるというところに特徴があるのであって……