新井直之の発言 (文教委員会)
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○参考人(新井直之君) 私は、基本的に申しますと、放送大学は学問の自由あるいは大学の自治、研究、そういうようなことから考えて、少々の手直しでは基本的には解決はしないのだろうというふうに考えております。
たとえば一つ例をとりますと、放送大学で非常に実際的に教育の第一線に立つのは各地の学習センターの人たちであるだろうと思います。学習センターができますと実験、実習もそこで行うことになります。それから、ビデオをそこに置いておきまして、それで昼間あるいは夜間仕事の都合などでテレビを見られなかった人たちがその学習センターに来てもう一度そのビデオを見るというようなことになって、あるいはそこで質問したいことがあればそこの学習センターに勤めているチューターあるいは非常勤の先生方などに質問をするということになったりします。そういうふうに各地域にできる学習センターというのが実際には各学生と直接に接し、そしてそこの人たちの持つ働きというものが非常な大きな役割りをするだろうと思うんですけれども、たとえば教授会などというものを仮に地位を高めたとしてもそういう各地の学習センターに勤めておられる方々は教授会に参加できないのでありますし、恐らくそういう大学の運営に参加することもできないだろうと思われます。
そういうことから考えますと、本当の意味での放送大学の学園の自治あるいは学問の自由あるいは研究というようなことが相当問題になってくるのではないかと思われます。私は、基本的には現在ある国立大学を充実させ、昼夜開校制をとり、あるいは通信教育を行い、そういうことによって働いている人たち、あるいは大学に行けなかった人たちに門戸を開放するということが基本的に大事ではないか。特に私は「放送大学について」というこの文部省のパンフレットを見ていて非常に疑問に思います点は、将来構想が全然具体的に何もわからないということなんでありますけれども、まあ伺うところによりますと、放送大学全部全国をカバーするというふうになるのには一千億円とか一千百億円とかの予算がかかるそうでありますが、それだけの費用があるならば、現在ある国立大学をなぜそのように開かれた大学にしていく、充実していくことを考えないのだろうかという点に不審を持っております。