板橋郁夫の発言 (文教委員会)

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○参考人(板橋郁夫君) 私が触れたいと思っている点を御質問いただきまして大変ありがとうございました。早速その点について申し上げます。
 共存の条件でありますけれども、これはちょうど国鉄と私鉄みたいな関係でありまして、共通の仕事はするんでありますけれども、ある意味で競争関係に立っていますから、共存はその競争の条件が同じであるならば共存できるだろうと思いますけれども、何せ財力が余りにも違い過ぎます。そういう意味では、私ども私大通信に関係する者は、この際内容の充実をどうしていくか。その上で放送大学とのいい意味での競争関係を築き上げて唇歯輔車の関係を将来にわたって保っていこうという実は心組みだけでありまして、内心では放送大学が発足すれば、差し当たってはかなり私大通信の学生数が減るという覚悟をしております。そういう認識でありますから、この共存の条件については、願わくは通信に対して特別の補助をお願いしたいと思うわけでありますけれども、これも限度がございましょうし、しかし私ども私学関係者は常に悪条件の中で、それぞれの建学の方針に従って努力をしてまいったわけでありますから、新しい制度ができることによってマイナス面をこうむることがあっても、決してそれによって弱音を上げるようなことはいたしません。それから学生層であります。
 これは非常に、何と言うんでしょうか、たとえば旧制の中学までとか、戦争によって学校を出られなかったという者がいまでも依然として多い。そういう人々に限っていまの仕事から抜けられないんです。時間的に抜けられない。でありますから、夜間の学部を置いても時間の制約があって、その学校にも行けない。そういう人々が通信教育に来ておりますから、職業は自分でマーケットをやっているとか会社勤めをしているとか、地方の公務員であるとか自衛隊におる者とか種々雑多であります。家庭の主婦もかなりのパーセンテージを占めております。そういう人々が来ておりますから、私どもの指導というのは、そういう学生に対してできるだけ個別に会って、学生諸君の希望するようにということ、つまりは会って話をすれば、かなりの部分学生諸君は満足をしますから、そういうことであとは学部制に従った教育をやっておるということであります。
 それから、何よりもこの席で私が申し上げたいのは、そのようにして苦労をして通信の学校を卒業するわけです。それは学力の評価から申し上げますと、通学課程の学生にまさるとも劣らない学力を持っております。御案内のように、何度かレポートを書かされます。そのレポートが通らないと単位試験を受けられないのです。でありますから、文章表現能力もかなりのものであります。それほどの苦労をして卒業をしていく学生に対して、社会は何の評価もしていない。私どもは卒業面接というのをやるわけですけれども、この学生諸君に決まって聞くことは、君は本当に長い間苦労をして卒業したんだけれども、これで職場へ帰ったら一号俸ぐらい月給上がるんですかということについて、いえ職場にそういう規定はありませんということが大部分であります。ほとんど例外なしにと言っていいのであります。したがいまして、それと横並びで、仮に社会が放送大学の卒業生をそう評価するのかということになれば、膨大な国費を投じて一体何を、どういう教育を求めていくのかという議論はあるわけであります。それから、したがって私どもは、いまなすべきことは、通信教育を出た学生に対する各種の職場、社会組織、官公庁においてもっと通信教育——スクーリングにはなかなか出られない、官公庁は出していただけるようでありますけれども。通信教育に籍を置く者は、場合によっては職場に連絡文書をくれるなという学生もあるのであります。そういう環境で勉強しながら一号俸も月給上がらない、職場でポストが上がらないというようなことに対して、ぜひ関係者がもっと世間に向かって、そういうりっぱな人々に対する評価はどうあるべきか、今後どのようにしていくかということを私どもとともにいろいろな機会に御発言を賜りたいと思っておるわけであります。
 たくさん申し述べたいのでありますけれども、時間の制約もありますので、以上でございます。

発言情報

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発言者: 板橋郁夫

speaker_id: 4274

日付: 1981-04-16

院: 参議院

会議名: 文教委員会