中村茂の発言 (公職選挙法改正に関する調査特別委員会)
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○中村(茂)委員 参議院のあり方ということについてもう少し触れてみたいというふうに思うわけです。
ここに小林直樹東大教授の「憲法講義」という本の抜粋があるのですが、それは「日本における両院制」、その(ロ)項に「日本国憲法の両院制」というのがありまして、その中の一節、一節といっても若干長くなりますが、ちょっと読み上げてみたいというふうに思うのです。「結論からいえば、憲法が参議院に抑制と均衡の機能を期待していることは明瞭である。参議院に解散がなく、その議員の任期を長くし、より専門的知能を集めて、「理の政治」をおこなうことによって、衆議院に助言や警告を与える役割が望まれる、」こういうふうに憲法と成立当時の趣旨から先生が規定づけていて、しかしながら今度後段の方ですけれども、「従来までのところ、参議院の実情も、選挙区としての全国区制も、うえの」というのは先ほどの趣旨ですけれども、「期待を満たさず、参議院を「小型の衆議院」化する傾きを示しているだけに、この問題は、——もちろん、その背後にある根本問題は、制度の技術的処理によって解決されることはできないけれども——遅かれ早かれ改善を、要するものとなっている。」こういうふうに言っております。
私は、これはほんの一節ですからですけれども、全体をながめてみて、この主張というか論理は大体当たっているのではないか、こういう立場に立ってもう一度これを見た場合に、専門的な知能を集めて、理の政治を行うことによって、衆議院に助言や警告を与えていく、果たしていまの参議院がそういうふうになっているかどうか。先生も、小型の衆議院化してきている、したがっていまの選挙制度についても遅かれ早かれ検討していく必要があるだろう、こういうふうに指摘しているわけです。
そこで先ほどの話に戻るわけでありますけれども、確かに政党にその点については一任する、政党は国民、有権者が監視するだろう、こういう言い方ですから、その意味においてはわかるような気がするわけですけれども、それが今度の拘束名簿式比例代表制によってこういう人が本当に得られるのかどうかということになると、この下の方で言っている、より得やすい制度にすることが必要だと考える、得やすい制度がいわゆる拘束名簿式比例代表制だ、こういうわけであります。その選考一切を政党に任せるよ、こういうふうになっているわけでありまして、やはり政党本位の選挙にする以上、先ほども言われておりますけれども、政党らしい政党、これは国会議員が五名とか、四%とか、または立候補者が十名とか、そういう数の問題もそれはありますが、そういう数ではなしに、言い方は悪いのですけれども、政党の質の問題ももっと考えていかなければいけないのじゃないか。質の問題ももっと考えていかなければ、政党に任せる、政党のやることを国民、有権者がきちっと判断していく、それだけではこの制度が本山に生かされて参議院にふさわしい人が出てき、参議院の機能が完全に希望しているような方向で運営できるかどうか、こういうことが非常に疑問になってくるわけであります。
そこで、この参議院の改革という問題がこれから選挙のほかに一つ出てまいります。その点と、それから二審目には政党らしい政党とはどういう政党か、お聞きいたしたいというふうに思うのです。