公職選挙法改正に関する調査特別委員会

1982-08-03 衆議院 全314発言

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会議録情報#0
昭和五十七年八月三日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 久野 忠治君
   理事 片岡 清一君 理事 小泉純一郎君
   理事 塩崎  潤君 理事 住  栄作君
   理事 佐藤 観樹君 理事 堀  昌雄君
   理事 石田幸四郎君 理事 中井  洽君
      上村千一郎君    大西 正男君
      後藤田正晴君    瀬戸山三男君
      田名部匡省君    竹下  登君
      竹中 修一君    浜田卓二郎君
      粟山  明君    中村  茂君
      山本 幸一君    渡辺 三郎君
      坂井 弘一君    岡田 正勝君
      安藤  巖君    小杉  隆君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 世耕 政隆君
 出席政府委員
        法務大臣官房審
        議官      亀山 継夫君
        自治省行政局長
        自治省行政局選
        挙部長事務取扱 大林 勝臣君
 委員外の出席者
        参議院議員   金丸 三郎君
        参議院議員   松浦  功君
        参議院議員   降矢 敬義君
        参議院法制局長 浅野 一郎君
        特別委員会第二
        調査室長    秋山陽一郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公職選挙法の一部を改正する法律案(参議院提
 出、第九十五回国会参法第一号)
     ————◇—————
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久野忠治#1
○久野委員長 これより会議を開きます。
 参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中井洽君。
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中井洽#2
○中井委員 二年前に行われました参議院の全国区の投票結果でありますが、私は選挙区へ帰りましていろいろな会合で話をするわけでありますが、三重県で、一番投票の多かったのはだれだ、こう言うと、大体市川房枝さんということで、これは皆当たるわけであります。二番目に多かったのはだれだ、こう言いますと、みんないろいろ名前を挙げるわけでありますけれども、全部違っております。二番目に多く票をとったのは無効票でございます。大体各県ともそういう形になっているんじゃないか。そういった意味も含めて、この参議院の全国区の制度は大変やりにくい、あるいはわかりにくい制度だ、これを直していかなければならぬということは各党、各会派、あるいは国民の各階層みんな一致をしておる、私はこのように思います。したがって、国会そのものが参議院の全国区の改正問題に取り組んでいく、こういうことは非常にいいことであろう、このように思います。
 しかし、何といいましても、いま国会があるいは政党が選挙法に関し真っ先に取り組まなければならないのは衆参の定数不均衡の是正問題であろう、私はこのように思います。まして、毎年毎年人口のあるいは定数の不均衡というものが拡大をされておる。しかも裁判所等の判例等も出ておる。そういった中で参議院の全国区制度だけをやって、定数是正に手をつけない、これはだれがどう見ても非難を免れないものである、私はこのように思います。定数不均衡是正につきましては各党間で話し合われ、五十二年には自民党さんも独自の案を出される、社会党、公明党、民社党等も共同で案を出すというようなところまで実は行っておったわけであります。それが今回なおざりにされ、あるいは緊急性の一番高いこの定数是正問題がほっておかれ、参議院の全国区の改正法案だけ出されてきた。ここに私は大きな不信を抱くわけでございます。この点について発議者はどのようにお考えになっておられるか、お答えをいただきます。
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金丸三郎#3
○金丸参議院議員 お答え申し上げます。
 参議院の地方区の定数是正につきましては本会議でも御質問がございまして、お答え申し上げましたとおり、私どもも実は緊急を要する問題である、かように考えております。そのためにいろいろと研究をいたしてまいってきておりますけれども、まだ最終的な結論が得られませんでした。
 一方、参議院の全国区につきましては、繰り返しこれもお答えを申し上げておりますように、ここ十年来改正の意見が強うございまして、できますならば明年の選挙に間に合いますようにと思いまして、数年前に結論を出し、昨年の五月でございましたか、国会にこの比例代表制案を提案をいたしたようなわけでございまして、地方区の定数是正の問題をなおざりにいたしておるような気持ちはさらさらないわけでございます。できましたら全国区の改正案と地方区の定数の是正案を同時に一つの法律案に盛り込んでやれればよかったと存じます。私どももそれが理想であると思っておりましたけれども、地方区の問題につきましては最終的な案が得られませんでしたので、今回は全国区の改正を急ぐというふうに考えまして、全国区の改正の方の案を提出いたしました。こういうような事情でございますので、その点はどうぞ御理解を賜りたいと思います。
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中井洽#4
○中井委員 それではその参議院あるいは衆議院の定数不均衡是正について、発議者の皆さん方は今後どのような形でこれを是正を図っていこうとお考えになっていらっしゃるのか、お答えをいただきます。
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金丸三郎#5
○金丸参議院議員 私どもは、できますだけ早く結論を得、各党におきましてもいろいろとお考えもおありのようでございますから、できるだけそういうお方々ともお話し合いをいたしまして、一日も早く成案を得て是正案を国会に出すように、議員立法になりますか政府提案になりますかそれはわかりませんけれども、できるだけ早く是正するように懸命の努力をいたしてまいらなければならない、かように考えております。
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中井洽#6
○中井委員 大至急検討して各党間で話し合ってこれを是正していきたい、こういうお話でございました。また総理大臣等も参議院あるいは衆議院の本会議での御答弁でもそういうお話がございました。私は、これは当然のことである、また各党間で話し合ってというのは民主主義のルールであり、選挙法を改正するということに関して、定数是正ということだけではなしに、公職選挙法のいろんな改正に関して各党間の話し合い、これが一番大事なことであろう、このように思います。しかし今回お出しになっておる、いま審議をしております参議院の全国区の改正問題については、大変恐縮でありますが、長年各党間で話し合いが行われてきたわけでありますが、この拘束名簿式比例代表制、こういうことに関して事前に各党間の話し合いあるいは各党間での議論、こういったものがなされずに、皆さん方単独で提案をされた、そして参議院においてその審議が途中一度打ち切られ、採決の場合には強行採決をされる、こういった形で衆議院へ送られてきているわけであります。選挙の基本的なルールを決めるものが、皆さん方はいつでも話し合いでやろうやろうとおっしやるけれども、現実には話し合いじゃなしに強引な形で運ばれておる。ここのところのやり方が、少し私は納得がいかないものがある、このように考えるわけでありますが、いかがですか。
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金丸三郎#7
○金丸参議院議員 全国区制につきましても、各党間の話し合いを済ませて提案をいたすのが一番望ましいとは思ったわけでございますけれども各党にもいろいろとお考えの違いがございました。私どもといたしましては、各党の御意見もおよそ見当がつきましたり、また実は五十五年の参議院の選挙に間に合うようにしたらどうかというような意見も党内でもあったわけでございます。しかし、五十五年には間に合いませんでしたので、明年の選挙には少なくとも間に合うようにやはりすべきではないかという党内の意見もございましたりいたしまして、提案に踏み切ったような次第でございます。何らほかに他意はないわけでございますが、全国区の改正についてはいろいろな方面からいろいろな意見が出ておりましたので、どのような意見があるかということは私どももある程度推測ができたわけでございます。
    〔委員長退席、塩崎委員長代理着席〕
したがいまして、五十八年をリミットと考えましたので、国会において十分に御審議をしていただいたらと、こう思って提案をいたしたような次第でございますので、どうぞこの点も御了承を賜りたいと存じます。
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中井洽#8
○中井委員 実は私自身はこの公職選挙の特別委員会に去年の一月から委員としてなったわけであります。わが党の高橋高望君が急逝をされましたので、跡を継いでやったわけであります。その間もう一つ前の委員でありました小沢貞孝さんあるいは元気なころの高橋高望君といろいろな話し合いの経過というものを聞いて委員に実はなったわけでございます。
 ところが、去年九十四国会で公職選挙法の一部を改正する法律案、これが提案をされた。この提案の中身を見ますと、その話し合いの経過が一部で一致したところもあるけれども、実はほとんど大半は違った部分の多い法律案であったわけでございます。各党間でこういうルールづくりを話し合う話し合うと言いながらも、去年のように話し合いを基礎に自民党にだけ都合のいい、あるいはまた、去年の法案もそうでありますし、今回の法案でもそうであります。大変失礼でありますが、社会党さんも実は内心でそれでいいのだ、このようにお考えになっているものだけがどんどん先へ提案をされてくる。私は公職選挙法の改正のやり方というものに、皆さん方のやり方あるいは自民党のやり方に非常に不信の念を抱かざるを得ない、このように思うわけであります。
 したがって、この問題を含めて、公職選挙法の改正という非常に大事な問題について、それは小さなことまで各党が一致するというのはなかなかむずかしいと思いますが、基本的なものはとにかく各党間の一致でやっていくのだ、こういうルールというものは本当に必要だと考えるわけでありますが、そういった点について再度お考えをお聞かせ願います。
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金丸三郎#9
○金丸参議院議員 選挙法は、御指摘のように共通の土俵づくりでございますので、各党間で事前に話し合い、できるだけ合意の得られたもので法律案として成文化し、御審議をいただくのが望ましいことは私どもも重々承知いたしております。いたしておりますが、先ほど来申し上げておりますように、全国区の改正につきましては各党意見が一致しておりますものの、改正の方法につきましていろいろと意見があり、それにつきまして事前に完全に了解がいただけるような様子でもございませんでしたので、自民党案として作成し、国会において十分に論議をしていただいたらと、かように思ったような次第でございます。
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中井洽#10
○中井委員 まとまらないということに関しては、いろいろたくさんあるわけなんです。まとまったことからいけば、まず最初に、衆参の定数是正をやろうということが一番最初であったわけであります。そして、それから全国区あるいは政治資金の規正法だ、こういう形で大体各党が一致をしているわけであります。そういうことを無視して、大政党だけがまあまあ裏から見れば有利な点が多いからという形で、理屈をいろいろ並べながらぱっと先におやりになる。それでは私どもを含めて少数政党がこのルールづくりの話し合いに謙虚にあるいは胸を開いて入っていくというわけにいかない、私はこのように思います。そういった態度について十分お考えをいただきますよう強く要請を申し上げたい、このように思います。
 また、もう一つお尋ねをいたしますが、内閣総理大臣の諮問機関として選挙制度審議会というのがございます。これのいわゆる存在価値、こういったものをどういうふうに発議者はお考えになっていらっしゃるか、お尋ねをいたします。
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金丸三郎#11
○金丸参議院議員 政府が選挙制度上の重要な問題につきまして諮問する機関でございます。政府が提案をいたします考えがございましたら、審議会をお設けになって、そこに諮問案をお出しになり答申を得てお出しになる、これが筋合いであろうと思います。六次、七次まではそうでございましたが、その後、絶えてございませんし、かたがた全国区の改正の問題につきましては、各方面一致した要望の意見が強いと存じましたので、政府の方でそのような審議会をおつくりになれば、私どもはそれを待って提案するなり改正を要望するのが筋であろうかと思いましたけれども、それがございませんでしたので、私どもとしては案をまとめて御提案を申し上げた、こういうようないきさつでございます。
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中井洽#12
○中井委員 自治省にお尋ねをいたします。
 現在、選挙制度審議会というのはどのような状態に置かれておるのですか。
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大林勝臣#13
○大林政府委員 現在、選挙制度審議会の委員は任命されないまま今日に至っております。(中井委員「何年ぐらい」と呼ぶ)四十七年の末まで活動しておりましたが、四十八年の初めから任命されておりません。
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中井洽#14
○中井委員 これもおかしなことで、もう十年間も任命されないまま置いておかれる。そして片一方では党利党略とも言えるような選挙制度の改革がどんどん行われる。非常に残念な気持ちがいたします。
 きょうは大臣等にお越しをいただいておりませんので、また次の機会に議論をいたすといたしましても、とにかく全国区の改正問題以外の急がなければならない衆参の定数不均衡の是正あるいは政治資金規正法の改正、こういったものについて各党間の話し合いと同時に、自民党側もひとつ選挙制度審議会というものを早急に再開をされる、そして政府みずからがこういったものに対して諮問をしていくあるいは成案を得ていく、こういう御努力をとっていただくように要請をしたいと思いますが、いかがですか。
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大林勝臣#15
○大林政府委員 選挙制度の改正のたびごとに、御質問のように選挙制度審議会の再開についての御論議があるわけでございます。私どもといたしまして、昭和三十六年から約十一年間にわたりまして七次の選挙制度審議会でいろいろ御論議を賜ってきた歴史がございます。物が物でございますので、やはり個々の問題については各委員、特に特別委員の皆様方の御意見が事ごとに鋭く対立をいたしました。したがって、七次にわたります審議の間におきまして、答申が出たものもございますし、あるいは答申の出ないまま報告に終わったものもございます。答申が出たものにつきましても大変な論議の末まとまったという経緯がございますので、いざ立法化いたす段階におきましてもなかなか御論議が絶えません。
 結局は、こういった問題は第三者機関でいろいろ議論するのもまた意味のあることではありますけれども、最終的には各党の御論議によらなければ実現するものが実現しない、こういう感触を私どもは強く持っております。今後選挙制度審議会を設けなければならないという時期がまいりますれば、その時期において私ども判断をしてまいりたいと、こう考えております。
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中井洽#16
○中井委員 それでは、また次の機会にいまの点は議論したいと思います。
 次に、先ほど発議者の方から、各党の考えについても十分話し合いをさしていただき、考えた、こういうお話がございましたし、また過般の質疑の中でもそういうお話がございました。その点について少しお尋ねをいたします。
 御承知のように私ども民社党は、参議院の全国区の改正ということに関してブロック制というものを、まあまあ非公式ではありますが提言をしてまいりました。各界から大変高い御評価をいただいたと実は自画自賛をしておるわけでありますが、このブロック制について発議者の皆さん方はどのようにお考えになったのか、お尋ねをいたします。
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金丸三郎#17
○金丸参議院議員 実は、自民党内におきまして全国区の改正案の論議と申しましょうか、審議と申しましょうか、いたしました過程におきましてもブロック制の主張がございましたり、実は参議院議員全員につきましてアンケートをいたしますと、やはり数名の方であったように記憶いたします、ブロックがいいのではないかという御意見もございました。が、大勢の意見といたしましては、全国的な人物を選ぶという点から申しまして、たとえば北海道とか四国とか九州とかが仮に一つのブロックだといたしますと、そういう点が選びにくくなりはしないかというのが一つでございます。地域が狭くなるだけ選挙運動の費用は少なくなる、こう理論的には申せますけれども、一面から申しますと、選挙運動が激化すればそう経費が著しくかからなくなるとも言えないのではなかろうかというようなことがもう一つ。それから第三は、四国とか九州というのは地域的に非常にはっきりいたしておりますけれども、関東地方とか中部とかをとります場合に、新潟県が東北ブロックに入っておりましたり、静岡県が東京のブロックに入っておりましたり、そういうようなブロック別のいろいろな日本の政治的な団体、経済的な団体等がございます。それによって違っております。
    〔塩崎委員長代理退席、委員長着席〕
したがいまして、わが国にとりましては、ブロックというものは行政なりあるいは政治なり社会生活に本当に十分に根をおろしておるかというと、まだどうもそう言い切れない面があるんじゃなかろうかというようなこともございまして、やはりブロック制ではいかがであろうという意見が多くございました。そういうような点から、やはり全国区制度は存置して、そして拘束式の、政党本位の名簿式にしたらどうであろうか、最終的にはそういうような結論に達した次第でございます。
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中井洽#18
○中井委員 いまここでとことんまでブロック制と拘束名簿式比例代表制との議論をするつもりはありませんが、いまのお答えをいただいて私は一、二お考えに納得できない点がある。それは、選挙が激しくなれば同じく金がブロック制でも要るじゃないかという、こういうお話もございます。私は、選挙というものはたくさんの候補者が出て、激戦であればあるほどそれでいいじゃないかと思うのです。いま日本のありとあらゆる議会あるいは首長選挙で私どもが一番心配をいたしておりますのは、候補者が少ないということであろうかと思うのです。民主主義でありますから、選挙のときに国民の方々にいろいろな形での判断を仰ぐ、これが基礎であります。その基礎の選挙に人がたくさん出るということが大事であろう、激戦になって結構なことじゃないか、私はこのように一つは思います。
 それからもう一つは、いまの御答弁にもございましたけれども、ブロック制というものはいろいろな形でなじまない、こういうお話がございました。お考えの趣旨はわからないわけでもございません。私の住んでおります伊賀上野というのは、きのうも大変な災害に遭ったわけでありますが、ここは三重県で、行政区からいけば東海という形になり、しかし私の郷里はもう完全に大阪経済であります。言葉も水も大阪、こういう不便さはあろうかと思います。しかし、政党というものよりもブロックの方がはるかに国民になじみがある。もちろんその基準は違いますよ。政党を選ぶのとは別にブロックで選ぶわけであります。しかし、小学校の子供に日本の政党の名前を全部言えと言ったってわからないけれども、日本の地方ブロックの名前を言えと言えば、大体みんな言える。地域住民にとってブロックでの選挙というのは、あるいはブロックでのいろいろなやり方というものははるかになじみのあるものだ、このように判断をいたしております。
 私どもの提唱いたしましたブロック制というのは、地方区もやめて、そして全部ブロックで一本で選ぶんだ、こういうことでございまして、特に皆さん方がお考えになっていらっしゃる、衆議院とは違う形での選挙を何とかやりたいんだ、こういうことにも非常に合致した面がある、このように考えるわけでありますが、いかがでございますか。
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金丸三郎#19
○金丸参議院議員 私も、御主張の全部ブロック制にいたしますことが、参議院の特色を発揮する一つの考え方でおありだろう、このようには理解をいたしているつもりでございますけれども、私どもの党内の大多数は、私がいま申し上げましたように、ブロックが国民の政治生活あるいは社会生活からいいまして、まだ十分なじんでいると言えないのではなかろうかということ、それから、選挙が多くの候補者で本当に戦われるということは望ましい面もあろうかと思いますけれども、非常に巨額の金がかかるような選挙制度をつくりますことは、やはりいろいろな政治上の弊害も生じてまいります大きな原因の一つになっておりますので、私どもはできるだけそういうような制度は避けた方がよろしいというような考え方でございまして、そういうようなことから、ブロック制の長所は私どもも十分に理解ができまするし、また自民党内にもそういう非常に強い主張を持った方もおいででございますが、大多数の方は、私が以上申し上げましたような理由で、ブロック制をとらず、全国区制を存置した拘束名簿式ということになったような次第でございます。
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中井洽#20
○中井委員 おっしゃるように、ブロック制の場合には、拘束名簿式比例代表制のように一遍に選挙がなくなるとかあるいはお金が一切要らなくなるとか、そういうことはないかもしれない。しかし、いまの制度に比べてはるかにお金も少なくなるし、候補者の運動というものも楽になるし、また候補者も出やすい状況になる、私はこのように思うのであります。また、先ほども申し上げましたように、なじみにくい政党よりもブロックにおける代表を選ぶという発想の方が日本人にとっては非常にわかりやすい、あるいはなじみやすい制度だ、私はこのように思うわけであります。
 しかし、自民党の大多数の方は、それではなじまない、また金もかかるし、肉体的にもきついんだ、こういう議論でそれをとらなかった、こういう御答弁でございましたから、それなら逆に、いっそのこと地方区全部やめて、日本じゅう全部、参議院を、二百五十二名の定数を拘束名簿式比例代表制度、こういう制度に思い切ってなすった方がよかったんじゃないか。参議院を何も二つの選挙に分けてやらなければならないということではないわけであります。思い切って全部を拘束名簿式比例代表制にしてやれば、それこそお金も要らない、選挙運動もうんと変わってくる、あるいは衆議院とは全く違った選挙のやり方になる、こういう形になろうかと思うのです。なぜ参議院全体を拘束名簿式比例代表制度にする、こういう改革案になさらなかったのか、その点をお尋ねをいたします。
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金丸三郎#21
○金丸参議院議員 大変むずかしい御質問でございますが、現在の参議院の制度が生まれました経緯もよく先生も御承知かと思いますけれども、私どもは地方区と全国区と両建てになっており、地方区の制度は、わが国では何と申しましても府県という制度が非常に国民のあらゆる生活に根づいておりますので、やはり地方区という制度は非常に合理性があるというように考えております。したがいまして、全国区一本にいたしますというと、非常に政治も揺れ動いてきてしまう心配もございますし、また国民の立場からいたしましても、なかなか選挙に当たりまして候補者の選択というようなことについてもむずかしい。やはり地方区は存置して、また全国区も現在ございます制度でございますから、やはりこれも存置するということを前提にいたしましてその弊害を是正するという、いわば漸進的かもわかりませんけれども、このような行き方の方が妥当ではなかろうか、こういうふうに考えた次第でございます。
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中井洽#22
○中井委員 いろいろとお答えをいただきまして、お言葉を一々返して大変恐縮でありますが、たとえば府県単位で選ぶという地方区は非常に合理性がある、なじみが深い、こういうお答えでありましたけれども、その一番合理性があるとお考えになっていらっしゃる地方区の定数是正をちっともやらずにおいて、この制度が合理的だ、府県で選ぶのは合理的だと言い切られたって、だんだん不合理に実はなってきておるのが現実であります。そんなに合理的だとおっしゃるなら、地方区の定数是正をどんどん人口の変化に応じておやりになるのが私は正しい姿だ、このように思います。政治が揺れ動く、こうおっしゃいましたけれども、どういう計算になるのかわかりませんが、それは多分自民党がしょっちゅう負けるということであろうと思う。負けたっていいじゃないですか。自民党の皆さんが嫌なだけで、国民の御選択である、私はこのように反論を申し上げます。また、お金がかかる、選挙運動がつらい、こうおっしゃるけれども、地方区の方だって、参議院のこの間のこの委員会でも議論がございました。大変なお金がかかっていらっしゃる。たとえば三重県でいうならば、衆議院の場合には九人の国会議員を選ぶところを一人で、候補者自身も大変な肉体労働でありますし、やはり大変お金がかかっていらっしゃるだろうと私は思います。また東京や神奈川というようなところでは八十万、百万という地方区の票をお取りになる方もいらっしゃる。全国区と同じだけの票数の選挙に現実はなっているわけであります。したがって、本当にお金がかかるのがだめなんだから、候補者自体が大変肉体的につらいから、あるいはまた選挙民にとっても大変選びにくいからというのであるならば、私はそれは参議院の地方区も一緒である、このように思うのであります。そういったような意味で、もう一度重ねて、どうして思い切って全部を拘束名簿式比例代表制度にするということをおとりにならなかったのか、あるいは検討されなかったのかもしれないが、そういったことも含めて御答弁をいただきます。
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金丸三郎#23
○金丸参議院議員 定数是正の問題の必要性、緊急性は、先ほど申し上げたとおりでございます。私どももできるだけ早くやらなければならない、かように考えております。一応定数是正の問題と地方区、全国区をひっくるめまして参議院の現在の選挙制度をどうするかは、別個の問題として考えておるわけでございます。地方区につきましては、何と申しましても私どもは国民に根づいた制度でございますので、やはりこれは存置することが適当であろう。だから、党内におきましても、地方区を廃止して全国区一本にするという意見は、全然いままで出たことはなかったように私は記憶をいたしてます。両方あわせてやはり私どもは考えていくのが穏当であろう、こういう考え方でございます。
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中井洽#24
○中井委員 それでは次の議論に移ります。
 参議院におきまして、わが党の委員は、大半の審議時間を実は悪法問題に費やしました。大変熱心に憲法論争をやったわけでありますが、どうもすれ違いに終わった感がございます。私どもは別にこの拘束名簿式比例代表制度を合憲性が強いなんということを言うつもりはございませんが、衆議院段階でいつまでも憲法論争というわけにもいきませんので、憲法論争をおいて、そして百歩譲ってこの制度が皆さん方や社会党さんやあるいは共産党さんのおっしゃるように合憲的なものだ、こういうふうに考えて、その中におけるわからない点あるいは矛盾が多いじゃないか、こういった点について質問をさしていただきたい、このように思います。本会議でもお尋ねをしたわけでありますが、具体的なお答えをいただけませんでした。
 まず、政党の要件というものが三つございます。このうち、所属国会議員五名あるいは十名の候補者、これに関しては政治資金規正法にある政党というものによって要件として出したんだ、こういうことでございます。この四%を直近の選挙で取った政党については政党と認める、この要件については、どういう合理的な、あるいは法的な根拠がおありになってお出しになったのか、お尋ねをいたします。
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松浦功#25
○松浦参議院議員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘をいただきましたように、所属議員五名、候補者十名、これは政治資金規正法あるいは公職選挙法の中の確認団体、法制体系との関連をつけるという意味で、政党らしい政党という認定で一号、三号を定めました。それだけでいいのかどうか検討いたしましたときに、やはり所属議員がそれだけなくても、あるいは名簿候補者がそれだけなくても、直近の選挙において一定の得票数を取っているものについても一つの要件を定めて政党らしい政党と認める方がいいんではなかろうかという意見が出てまいりました。
 そこで問題は四%という数字でございますが、これは正確な意味での算定の根拠があるわけではございません。しかし、一号、三号とのバランスをとりながら考えた、こういうふうにお考えをいただいて結構かと思うのでございます。さらにかみ砕いて言いますと、四%という数字は、現在の全国区制度、今後の比例代表、これについて考えますならば、大体これまでの経緯から、有効投票五千万をちょっと超えるところでございます。四%ということは、大体二百万を超えるわけでございますから、一回の五十名の定員の選挙において二名は確保できるだけの得票だというふうに数字的には考えるわけでございます。それが裏表になりますので四名、まあ五名に近い数字ということを考えたのでございますが、ちょっと下でもよかろうということで四%という数字を使った、こう御理解をいただけたら結構かと思います。
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中井洽#26
○中井委員 これまた本会議でもお尋ねをしたわけでありますが、いまの御答弁を聞いて、政党の要件というのはこじつけの計算みたいな気もするわけでありますが、政党に信頼を置いて、個人名のかわりに政党というものをお書きをいただく、こういう選挙に変えようということであり、したがって、根本に国民の政党に対する信頼あるいは政党自身のその信頼にこたえる日常の活動、こういったものも必要であろうか、このように思います。特に日本人全体がなかなか政党というものに入っていかない、政党に入っている人は少ない、あるいは普段の衆議院あるいは参議院の選挙あるいは地方議員の選挙等もなかなか国民は政党でお選びにならない。そういったときに、政党で選べ、こういう形で無理やり持っていかれる、そうすると、やはりその政党の基準というものあるいは政党の要件というものをもっともっと煮詰めて、あるいは議論をして、そして将来ともこういう形が日本の政党なんだ、こういう基礎的なものを凌駕しているものが政党として認められていくんだということをはっきりしていくべきだ、大変大事な問題だ、このように私は思います。したがって、当然本来政党法というものをお考えになる、おつくりになった上で議論をされるべき法案であると私は思うのであります。ただ参議院の全国区のことにだけ適用することだからという形で政党法というものをおつくりにならなかったのか、あるいは、日本の国において政党法というものは憲法上の問題やいろいろなことがあってつくることがむずかしいからおつくりにならずにこういう形でお出しになったのか。どういう御選択の中でこの政党の要件というものが政党法抜きで出てきたのか、そこのところを御説明願いたいと思います。
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松浦功#27
○松浦参議院議員 これまでの過程で金丸先生からもお答えを申し上げておりますように、現在の日本で政党法をつくるというようなことになりますと、政党に対する公権力の介入という問題あるいは一体何に力点を置いて政党法というものを定めるのかといった問題がまだ十分煮詰まっておりませんし、非常に重要な問題でございまして、もうしばらく検討する必要があるのではなかろうかということで政党法というものはあきらめました。
 そこで、具体的には拘束比例代表をとる以上はやはり名簿提出要件というものが必要でございますので、それは国民の意思を媒介する役目を果たす政党でございますから、政党らしい政党というものにすべきじゃなかろうか。この政党らしい政党というものを、現行法制の中から政治資金規正法、さらには公選法の中の確認団体の規定、こういうものとの関連をつけて、それを公選法の中に規定するという形をとったというふうに御理解をいただければ幸せでございます。
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中井洽#28
○中井委員 この法案全体を見ますと、先ほど私が申し上げましたように政党選挙をやるんだ、こういう形で全面的に打ち出されておる。しかし、片一方ではその基礎となる政党法というものをつくらないでいる。あるいはまた政党というものが選挙運動をやるときにどういう選挙運動ができるんだと言えば、いまの個人の選挙運動を規制しておる公職選挙法に合わせて考えるんだというような形、いろいろな形で制度が非常に中途半端だ、このように私は言わざるを得ないと思うのであります。そこのところを一つ一つ明確にしていきませんと、なかなか私どもはこの制度で——私どもは反対でありますからあれですが、この制度がやられたときに、この制度にのっとって思い切って選挙をやっていく、あるいは国民に新しい形で訴えていく、こういったことができないと考えております。そういった観点から御質問申し上げますが、できるだけ細かく御説明を賜りたいと思います。
 まず最初に御確認を申し上げたいのは、こういう要件の中で政党をお書きいただく、これはやはり国民にも政党というものを信頼してください、こういうことをお願いすることであるし、皆さん方も、議会制民主主義の日本の国家においては政党というもので政治をやっている、国民に政党で選んでいただいてそれでもう十分、憲法違反にもならないんだ、こういう自信を持ってお出しになっておると理解してよろしゅうございますか。
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松浦功#29
○松浦参議院議員 お尋ねのとおり憲法違反の問題はないと思いまするし、また、日本の政治というものが現実に政党を中心に回転しておる。そうすると、どの政党を選んでいただいてどの政党に政権を担当していただくかということを国民の一人一人の方にお選びいただく、これが政治の基本になるのではなかろうかという考え方、言いかえますならば先生のおっしゃったとおりだろうとお答え申し上げていいかと思います。
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