森井忠良の発言 (社会労働委員会)

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○森井議員 よく言われるわけでございますが、戦争犠牲者にはさまざまな形態があると思うわけでございます。たとえばいまの例で申し上げますと、焼夷弾等によりまして無差別に爆撃を受ける、そういう場合には家屋等の財産の被害も当然出てくるでしょう、それから身体、健康上の被害も出てくるわけでございます。私どもの考え方は、財産被害は言いたいところだけれども、これはやはりいまの諸情勢から見ると財産被害まで要求するというのは非常にむずかしい。そういった観点から自制をいたしまして、健康被害あるいは生命の被害に限って国家補償を要求してきたという経過があるわけでございまして、その気持ちは変わりません。
 しかし、それにいたしましても、原爆の被爆者といま御指摘になりましたような一般戦災者との関係におきましても、たとえば亡くなった方の遺族については同じようなことが言えるじゃないか、あるいは体に障害を受けられた方についても原爆被爆者と何ら変わらないじゃないか、そういった意見があるわけでございますけれども、私どもは、結論から申しますと、いずれも少なくとも生命、身体の被害については国家が補償すべきであるという考え方に立っていますが、その中でもやはり緩急順序をつけざるを得ない。国の予算にも限界がございましょうし、国民的な世論からしてもやはり順序をつけるべきだろうということで、まず原爆被爆者の救済に努力したい、こういうことで御提案を申し上げておるわけでございまして、先生すでに御案内のとおり原爆の熱線、爆風あるいは放射能による障害、こういったものは一般戦災者の方と比べて非常に厳しいものがある。しかも原爆の場合は一発の爆弾で瞬時にして何十万という方の生命を失うというふうな残忍さがございます。かてて加えて、放射線障害をお受けになった方は、戦後三十七年たっていますがいまもってまだ原爆に起因するところの疾病で呻吟をしておられるわけでございまして、まずそういった方から救済をしていこうじゃないかという形で、順序をつけているわけでございます。
 しかし、私どもとしては、いま申し上げましたように、たとえば遺族というふうな場合を考えますと、一般戦災者の方も原爆で亡くなられた方もそういう意味では同じような立場にありますから、弔慰の念をあらわす具体的な方法としては、やはり一般戦災者のことも当然考えてやらなければいけませんし、現に私どもは各野党と御相談をいたしまして、毎年参議院に戦時災害援護法という一般戦災者を対象にした援護法案を提案しておるわけでございます。

発言情報

speech_id: 109604410X01019820422_005

発言者: 森井忠良

speaker_id: 6858

日付: 1982-04-22

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会