真野温の発言 (商工委員会)
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○真野政府委員 昨年十月の産構審の答申で、七十万トン体制を維持すべきである、こういう答申をいただきました。この基本的な考え方は、ただいま先生御指摘のように、昭和六十年度の需給を考えまして、その際、日本として一番安定的な供給は何かということをいろいろ検討したのが一つでございます。あわせて国際的なコストの面での競争力も考えたわけでありますが、その際、やはり将来日本のアルミの安定供給の主流というのは開発輸入、長契に移りつつある、これはもう事実でございまして、将来計画におきまして、国産よりも多いものが大体計画されているわけでございます。これが基本的にコスト的にも有利だからベースになるだろう。残りの部分について、いま申し上げました開発、長契、百二十万トンくらいになるだろう。こういうふうに想定したわけでありますが、残りの部分についてコスト的に見ますと、確かに外国の製品の方が安いわけでありますけれども、中長期のいままでのアルミの世界の需給を考えましたときに、スポット的なものについて過度に依存することは非常に危険である。従来の実績から見まして、日本として供給を受けられる安定的なスポット輸入というのは大体三十万トンというふうに想定いたしておりまして、したがって、一定量の国内の生産能力を維持する必要がある、こういうことで七十万トン程度の能力を維持することば必要であるという形が示されたわけであります。
他方、これに対しまして、果たしてこれが、先生御指摘のように、国際的に競争し得るものであるか、維持できるものであるかという点でありますが、これについては、私どもは、単に国内の製錬のコストだけではなくて、開発輸入、長契等これはいずれもアルミの製錬メーカーが実施しているものが相当部分でございますので、それを含めて両方で競争し得る体制というのを想定したわけでございまして、その場合にやはりいろいろな措置が必要であろう。その一環として、先ほど御指摘がありました製錬業者の輸入するアルミ地金については関税免除措置をとるということで、現在法案を大蔵委員会の方で御検討いただいておるわけでありますが、そういうことによってコストを総合的に下げる、こういうやり方をいたしたい、こういうふうに考えたわけであります。
それで、そういうような両面の相まった対策でこの七十万トンの能力を維持したい。ただ、先ほど御指摘のように、現在実際の生産レベルというのは五十万トンくらいに落ち込んでおるわけでありますが、ただ、これにつきましては、実は昨年一昨年と非常に国内のアルミ需要が落ち込んだことが一つと、国際的にも非常にアルミ市況というのは不況になっておるという異常要因が重なっておる。それによりまして昨年の輸入の急増があったわけでありますから、そこで国内に相当な過剰在庫がたまっておる。そういう意味で、急激な在庫調整をせざるを得ない、こういう状況が続いておるわけでありまして、そういう意味で、現実の生産は相当落ちておるわけでありますけれども、とりあえずアルミ産業、アルミ製錬企業の経営体質を改善するために、どうしてもこういう過剰在庫は解消せざるを得ない、こういう事情がございまして、それによってできるだけ需給を均衡させる方向に現在動いているわけであります。
ただ、日本の場合はこれが非常に大きかったわけでありますけれども、アメリカ、カナダ等もこういう情勢が同様に波及してまいりまして、最近のアメリカにおける生産レベルというのは、やはり相当落ちてまいりまして、能力に比べまして七〇%台に落としておるわけでありまして、世界的な在庫調整がいま急速に進んでいる状況でございます。
そういう特に異常な状況がこのところ続いておりますので、いろいろな経営面での苦境がより倍加しておる、これもまたやむを得ないところではございますが、そういう中にありまして、私どもとしては、中長期に見て日本の安定的なアルミの供給を考えるときに、この七十万トン程度の能力というのは維持すべきであると考えておりますし、それを維持できるような体制をできるだけつくってまいりたい、こういうことでいろいろな措置を講じてまいります。