渡辺美智雄の発言 (大蔵委員会)
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○渡辺国務大臣 この増税なきというのはむずかしい言葉でございまして、これは政治用語だと私は思うのです。法律用語では少なくともない。
私は、かねてから、五十七年度予算編成に当たっては大型、新型増税を念頭になく編成するということを言ってまいりました。財政再建の問題についても大型、新型増税なくと言ったところが、そんなわかりづらい言葉はだめだ、もっとわかりよくということで、要するに、新型、大型増税なきという言葉を詰めてなまらせると増税なきということになるのじゃないか。これは政治用語だと私は思うのです。
そこで、本当の意味はどういう意味なんだと言われましても、明確に、こういうのが増税なきという中身なんだというようになかなか言いづらい問題がございます。ただ、常識的に言えば、やはり大型、新型というような増税がいまの税体系のほかに出るのか。それを言うのか。いまの税体系では、いま言ったように、中で自然増収を含めてある一定のものを予想されているが、その中で、要するにもう所得税と法人税だけが七割ということで、これから財政需要がふえれば所得税と法人税につかまったきりみんな離れないということになると、所得税を減税しろと言ったって、それは不可能ですね。
しかし、現実には、もうだんだんアメリカのように、税制でも違いますが、所得税だけに国家財政が頼るのだというようなことが果たしていいのかどうかという問題を考えると、その中で税の構造の手直しといいますか、そういうようなものまでも増税なきに入るのだ、そこまで言ってしまったら、私は所得税の大幅減税なんというのは将来ずっと不可能だと思いますね。ですから、そこまでも入らぬのじゃないのかなという気も実はするわけでありまして、これは今後、増税なきとは何だということも大蔵委員会の中の小委員会の中でひとつ大いに議論をむしろしていただきたい、そう私は思っております。
一般には、新型、大型増税をいまのもののほかにとるということば、それは増税なきではないというようには解釈されると思うのですよ。ですけれども、それじゃどういうものまでなんだということになると、私も、はっきりと皆さんにこういうものだという正確な答えをいまのところ持ち合わせていないというのが正直なところでございます。