大蔵委員会

1982-03-10 衆議院 全212発言

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会議録情報#0
昭和五十七年三月十日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 森  喜朗君
   理事 大原 一三君 理事 粕谷  茂君
   理事 小泉純一郎君 理事 中西 啓介君
   理事 伊藤  茂君 理事 沢田  広君
   理事 鳥君 一雄君 理事 和田 耕作君
      相沢 英之君    麻生 太郎君
      今枝 敬雄君    木村武千代君
      熊川 次男君    笹山 登生君
      椎名 素夫君    白川 勝彦君
      中村正三郎君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    藤井 勝志君
      毛利 松平君    森田  一君
      柳沢 伯夫君    山中 貞則君
      山本 幸雄君    与謝野 馨君
      大島  弘君    佐藤 観樹君
      塚田 庄平君    戸田 菊雄君
      野口 幸一君    平林  剛君
      堀  昌雄君    柴田  弘君
      渡部 一郎君    玉置 一弥君
      正森 成二君    蓑輪 幸代君
      小杉  隆君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  山崎武三郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      佐藤  徹君
        大蔵省主計局次
        長       西垣  昭君
        大蔵省主税局長 福田 幸弘君
        大蔵省理財局次
        長       酒井 健三君
        大蔵省証券局長 禿河 徹映君
        大蔵省銀行局長 宮本 保孝君
        大蔵省国際金融
        局長      加藤 隆司君
        大蔵省国際金融
        局次長     大場 智満君
        国税庁次長   小山 昭蔵君
        国税庁直税部長 吉田 哲朗君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局財政金融課長 宮島 壯太君
        外務省経済局外
        務参事官    佐藤 嘉恭君
        郵政省貯金局第
        一業務課長   荒瀬 眞幸君
        大蔵委員会調査
        室長      大内  宏君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一五号)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一六号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一七号)
     ————◇—————
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森喜朗#1
○森委員長 これより会議を開きます。
 国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
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佐藤観樹#2
○佐藤(観)委員 大臣は、きのう衆議院で予算が成立をして、まことに御苦労さまでございました。それで本論に入る前に、ちょっと大蔵委員会のことではないのでありますけれども、簡単なことですので、大臣にお伺いをし、お願いをしておきたいと思うのであります。
 この半月間、テレビで中国の残留孤児の日本の親を探す運動、私自身、その孤児という言葉にちょっと抵抗があるのですけれども、それは別といたしましても、連日報道され、うまく見つかった組もあれば、あるいは残念ながら見つからないで帰られた方もいらっしゃる。私は、日中国交回復して十周年という中で、なぜもっと早くできなかったんだろうかということを思いますし、また、ちょうど置き去りにされたのが三つか四つぐらいの方、あるいは戦後お生まれになった方もいらっしゃる。大体いまその方々は私と同じぐらいの年になっているわけですね。私の子供もちょうど四つでございますので、そういった意味では、年齢的にちょうど同じような境遇で、自分の子供があそこで置き去りになってきた、これはあらゆるいろいろな事情があったわけですね。
 ですから、そのことを思いますと、私たち政治に携わる者として、この十年の歳月、なぜもっと早くできなかったんだろうかということをつくづく思うと同時に、戦争の悲惨さ、あるいはまた歴史的に日中の関係がこんなに長くかかったということの悲劇が、一つのしわ寄せになって彼らのところに来ているということをつくづく思うわけですけれども、ひとつ大臣に、これは別に大蔵委員会の直接のテーマじゃありませんけれども、どういうふうにお感じになったか。新聞や雑誌なんか読んでみますと、本当にうり二つの親ではないかと言われるんだけれども、家庭の事情で出られない方もいらっしゃるようですし、また孤児の方々も、恐らく自分は日本人だということを知らない方もいらっしゃるだろうし、また知っていても、周囲の事情からなかなか名のり出ないこともあるんじゃないだろうかと思う。
 こんなことを思いますと、今度のことが与えた日本人への心の重さというものをつくづく感ぜざるを得ないのでありますが、大臣はお忙しかったと思いますので、そう全部をトレースしているとは思いませんけれども、どんなふうにごらんになりましたか。
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渡辺美智雄#3
○渡辺国務大臣 これは悲劇でございますが、私は、親を知っていれば親を一目見たいというのは人情の常じゃないか、しかしながら、日本人であるかどうかはわからないというような人にまで強いて親を知らせる必要があるのかどうか、問題だと思うのです。
 というのは、実は私自身が生まれて十四日目に里子に行きまして、それで中学に出るまでは全然里親が本当の親だと思っておったわけですから、それが親でないということを言われて、私は非常に激怒したことがございます。親はなくても子は育つと言いますが、結構育ったわけでありまして、私は、自分の母親というようなものにもちろん親しさといいますかなつかしさは感じますが、他界して当然いない、やはり育ててもらった人が本当の親だといまでも思っております。したがって、私は、その孤児を育ててくれた人、その人には大いに孝養を尽くしてもらって、それでまたわれわれも感謝をしなければならぬ、むしろそういうように考えております。
 でありますから、この問題は本人にお任せするのが一番いいのじゃないか。それで、育ての親も育てられた人もみんな大人ですから、子供じゃありませんから、日本でそういうような血族者に会いたいという人は、きのう郵政大臣が言ったように、何千人も日本に飛行機で連れてくるといったって、事実問題としてなかなかそう簡単にいかない。したがって、民放は視聴率が高くていっぱいスポンサーがつくそうですから、中国と話をして、これはハルビン班とか、これは天津班とか、これはどこ班とかいうように分けて、宇宙中継でそういうような心当たりの人は探してお手伝いをするということは、政府も金かからないし、それからスポンサーもたくさんつくそうですから、私は、できることからやったらいいんじゃないか、そういうように思っておるわけでございます。見つかった人がいて、見つからない人がいると、かえって本当にお気の毒だ、むしろ見つからないで悲しんで帰った人がお気の毒だというのが偽らざる印象でございます。
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佐藤観樹#4
○佐藤(観)委員 大臣の人生観というか、少しおもしろいなという感じがしたのですけれども、実は、なぜこんな問題を取り上げたかと申しますと、大臣のように、民放でスポンサーがついて政府も金かからなくていいわということを言われると、次がちょっと言いにくいのでありますけれども、戦後三十七年たって、親御さんの方も亡くなっていくだろうし、だんだん記憶が薄くなっていく、しかし、戦争の惨禍というものの残りと申しますか、彼らにとってみればやはり戦争は終わっていない。大臣が言われるように、いや、育ての親の方が本当の親だという考えの方もいらっしゃいますけれども、会いたい兄弟が日本にいるということになりますと、やはり会いたいということになるわけで、その意味では厚生省の方もさらに大がかりに、まあまだ千人いらっしゃるとかあるいは二千人いらっしゃるとかいう話もあって、よくわからぬわけでありますけれども、そうそう大した予算がかかるわけではないので、ひとつ来年度に厚生省がこの件についてさらに大々的にやりたいと言ってくるときには、まだ彼らには終わっていない戦後をできるだけ早く、そして日本人として中国で戦争を行ったということ、あるいは中国に満州国をつくったり、こういった戦争の、何といいますか侵略のつめ跡というものが残った一つの悲劇がここに来ているわけでありますから、そういった意味で、親探しというのが、あるいは兄弟探しというのがもっと大々的に行われるときには、ひとつ大蔵省としてもそれなりの対応をぜひしてもらいたい、このことをお願いをしておきたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
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渡辺美智雄#5
○渡辺国務大臣 十分に検討させてもらいます。
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佐藤観樹#6
○佐藤(観)委員 さて、本論に入らせていただきます。
 これは繰り返しになりますし、あるいはおさらいになるかと思うのでありますが、非常に重要なことでありますから、大臣のいらっしゃる間にお伺いしておきたいと思うのであります。
 鈴木内閣が政治生命をかけてやる、やらなければならぬと言ったのは、言うまでもなく増税なき財政再建、このことになるわけであります。このことは大臣、間違いはないわけですね。よろしいですね。うなずいていては速記録に載らぬものですから。
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渡辺美智雄#7
○渡辺国務大臣 よろしゅうございます。
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佐藤観樹#8
○佐藤(観)委員 そこで、財政再建という意味は、五十九年度には赤字国債がゼロになっていますよ、こういう意味にとっていいのですか。五十九年度に赤字国債がゼロになっていますよ。されど、その分だけ建設国債がどんどんふえたのでは、国債という意味では一緒ですから、それはそれなりに減っているということでしょうけれども、少なくとも具体的な目標として五十九年度に赤字国債ゼロですよ、こういうことだということでよろしいですか。
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渡辺美智雄#9
○渡辺国務大臣 それは財政再建のシンボルである、第一歩だということだと思います。それだけで、五十九年度赤字国債がゼロになれば財政再建が済んだというものではないと私は思っおります。
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佐藤観樹#10
○佐藤(観)委員 それは財政再建のシンボルである、あるいは第一歩であるということは、少なくも——少なくもじゃない、最大と申しましょうか、最大とにかく五十九年度は赤字国債はゼロですよ、こういうことだと思うのですね。
 それじゃ、大臣も、しかし経済は生き物ですから努力目標として五十九年度ゼロにしますということも記者会見で言っているようでございますけれども、それが後退発言ではないかというようなことも言われたのですけれども、いま言われたように財政再建のシンボルである、あるいは第一歩であるということは、もう必ず五十九年度の予算は、それは大臣が組むわけではないと思いますけれども、大蔵省の基本方針としてあるいは政治的な道筋として、五十九年度は赤字国債ゼロである、こういうふうに理解しておいてよろしいですね。
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渡辺美智雄#11
○渡辺国務大臣 赤字国債の脱却ということは、つまり消費的な経費の財源を減らすということと裏表ですから、したがって、赤字国債をゼロにするということは、その分だけ消費的支出の分が圧迫をされる、裏から言えば歳出カットという問題とつながっていると言っても過言ではないのじゃないか。
 そういう意味で私は、この財政再建、行政改革というものをつなげて五十九年度からの脱却ということが言われておるものと考えております。したがって、そのためには最大限の努力をしてみたいと考えております。
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佐藤観樹#12
○佐藤(観)委員 そこで、もう一つの増税なきという意味ですがね、これは一体どういう意味なんでしょうね。
 何か人によりますと、対GNP比が変わらなければ、中身が変わっても、直間比率が変わっても、あるいは税制改正をやっても、片方で減ってトータルとして租税負担が二三・五とか二四・五とかいうことで、六十年度までに二六・五ということを言っておりますけれども、トータルとして対GNP比の租税負担率が変わらなければ、それは増税なきなんだということを言う人もいるのですが、一体、そういうことまで増税なきという中には含まれているのですか。この増税なきというのは一体どういうことなのか。増収は入ると思うのですね。法律を改正をしないのでありますから、いい悪いは別としても、増収は入ると思いますけれども、増税なきというのは、たとえば直間比率を変えて全体としての租税負担率は変わりませんよということまで、大臣の頭の中には、増税なきの中には入っているのですか。それは入ってないのですか。
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渡辺美智雄#13
○渡辺国務大臣 この増税なきというのはむずかしい言葉でございまして、これは政治用語だと私は思うのです。法律用語では少なくともない。
 私は、かねてから、五十七年度予算編成に当たっては大型、新型増税を念頭になく編成するということを言ってまいりました。財政再建の問題についても大型、新型増税なくと言ったところが、そんなわかりづらい言葉はだめだ、もっとわかりよくということで、要するに、新型、大型増税なきという言葉を詰めてなまらせると増税なきということになるのじゃないか。これは政治用語だと私は思うのです。
 そこで、本当の意味はどういう意味なんだと言われましても、明確に、こういうのが増税なきという中身なんだというようになかなか言いづらい問題がございます。ただ、常識的に言えば、やはり大型、新型というような増税がいまの税体系のほかに出るのか。それを言うのか。いまの税体系では、いま言ったように、中で自然増収を含めてある一定のものを予想されているが、その中で、要するにもう所得税と法人税だけが七割ということで、これから財政需要がふえれば所得税と法人税につかまったきりみんな離れないということになると、所得税を減税しろと言ったって、それは不可能ですね。
 しかし、現実には、もうだんだんアメリカのように、税制でも違いますが、所得税だけに国家財政が頼るのだというようなことが果たしていいのかどうかという問題を考えると、その中で税の構造の手直しといいますか、そういうようなものまでも増税なきに入るのだ、そこまで言ってしまったら、私は所得税の大幅減税なんというのは将来ずっと不可能だと思いますね。ですから、そこまでも入らぬのじゃないのかなという気も実はするわけでありまして、これは今後、増税なきとは何だということも大蔵委員会の中の小委員会の中でひとつ大いに議論をむしろしていただきたい、そう私は思っております。
 一般には、新型、大型増税をいまのもののほかにとるということば、それは増税なきではないというようには解釈されると思うのですよ。ですけれども、それじゃどういうものまでなんだということになると、私も、はっきりと皆さんにこういうものだという正確な答えをいまのところ持ち合わせていないというのが正直なところでございます。
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佐藤観樹#14
○佐藤(観)委員 大蔵委員会の小委員会で審議をしてくれと言うが、増税なきという方針に政治生命をかけると言われたのは政府の方ですからね。その中身を大蔵委員会の方で審議してくれというのは、これは少し本末転倒というのか、少し客体が違うのじゃないかという気がするのです。
 それは別といたしまして、いま大胆のお話をお伺いをしておりますと、要するに、除かれるのは、新型、大型は除きますよ、それ以外のことはありますよ。とにかくいまの大臣の御答弁で完全に除かれるのは新型、大型なのであって、小型のもの、中型のもの、あるいは税の構造を手直しをするもの、こういったものは増税なきという範疇には入らないのだ、こういうことになってきますね。そういうことでよろしいですか。
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渡辺美智雄#15
○渡辺国務大臣 ただ、私が言うのは、これから歳出削減はもちろんやりますよ。極力やりましても、たとえば社会保障費のようなものは、幾ら節約だ何だと言ったって私はふえると思うのですね。幾ら切れ切れと言われたって、それはもう老齢化社会になり老人がふえれば年金がふえる。老人がふえれば医療費がふえる。これは全体的には世界じゅう切りようがないのですから、その負担は一体何でやるのだ。もう保険税、保険料だけでやるのだ、政府はふえた分は持たないのだ、そういうことは言えないのじゃないか。私はかなりの財源が必要だと思っております。それを所得税と法人税で七割いま保っているわけですから、だんだん今度は借金もしなくなるということになれば、所得税と法人税に皆ぶら下がってくる。そういうことの中で大幅な所得税の減税なんてできるのでしょうか。
 現在、問題として課税最低限も五年間もいじっていない。課税最低限をこのままにしておくということは非常に酷だと私は思っていますよ。できることならば、こういうようなものは直すべきじゃないかとも思っている。それから、一千万円以上は高額所得者だと言うけれども、それじゃ国会議員は全部高額所得者になります。これは二十年も前に決めたことですね。公示制度で、一千万円以上の人は全部高額所得者で所得の内容を申告、発表する。一体、いまでもそういう時代なのかどうかということになると、所得税問題というものは一遍再検討する時期が来ておる。
 そういう中で、一方では、もう歳出がどうしても財源が必要であって何らか調達しなければならない。その中で、新しい税目とか、いまのいわゆる見直しでも何でも一税目ごとに税金がふえるようなことを、税率をいじったり何かすれば、それは全部増税なんだということを言われたのでは、それこそ財政硬直化になってしまって、収入の硬直化になってしまって、とてもじゃないが、近代的な税体系はできないんじゃないか。だから私は、そういうものを増税なきというのは含まない。
 それじゃ、新型の増税は全部増税ありの方に入ってしまうのか。これも、いまの体系をそのままにしておいて、そのほかに別に大型、新型をというのは、これは明らかに増税ありの方へ入るのだろうと私は思いますが、そこらのところは、先ほどもいみじくも先生が言ったように、GNP対比何ぼぐらいの負担率というようなもので増税というものをはかるのか、税目ごとにはかるのかというような細かい詰めというものは、まあ政府の方で言い出したと言えば確かに言い出したのですけれども、実際、具体的にこういうのが増税なきという正確な意味でございますということまで詰まっていないということを私は正直に申し上げたわけでございます。
 要するに、いまに突如として税負担がいっぱいかかるというようなもの、これは増税ありですね。という程度の政治的用語だというように私は思っております。したがって、これらについては、われわれももちろん今後一生懸命検討してまいりますが、一緒になって知恵をかしてもらいたいということを申し上げたわけでございます。
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佐藤観樹#16
○佐藤(観)委員 いまの大臣のは、われわれ税をずっとやってきた者にはある程度理解はできる。賛成するとか反対するとかじゃなくて、理解はできるわけですけれども、一番最初増税なきという言葉が出てきたときの政治的な雰囲気というのか迫力というのか、これから見ますと、かなり後退をしたなという感じを免れない。
 増税なきという言葉が出たとき、これは大臣も言われたように歳出とのうらはらの関係、つまり、これは自民党の税制調査会長の山中さんがいみじくも言われたように退路は断たれた、あのときは退路だかあるいは橋は落とされたと言われたように、もう後ろに下がれないのですよ、それぐらい、つまり下がれないのだから歳出に切り込まなければいかぬ、こういういわば迫力があったわけです。
 しかし、どうも大臣のお話を聞いていますと、大型、新型は除くけれども、それ以外はやはりあり得る可能性がある。果たして国民はそう受け取っているのでしょうかね。増税なきと言えば、国民は非常に素直だから、まあ増収でもそれはいま大変文句が出てきていることは御承知のとおりだけれども、税制改正をして増税をはかるということについて、それが大型、新型と称するもの以外のところでもというのは、私は、これは国民の認識と違うのではないかと思わざるを得ない。
 ちょっと主税局長、この大型、新型というのはどういうイメージを言うのか、例示的に挙げてみていただけませんかね。大蔵省内で言っている大型、新型というのは、どういうのを大型、新型と言うのですか。
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渡辺美智雄#17
○渡辺国務大臣 その前に。たとえば皆さんから、各党から、財源はこんなにあるではないか、税制の手直しをやれと言ったように、確かにそれを直すということは、それだけの税目からいえば、それは増税になるのですね。それも増税なんだということで、それもいかぬのだ。しかし財源はこんなにあるのだから不公正税制を直せ。それは増税なんだ。そうすると、どっちをやってもしかられるということになりますな。だから、そこまで全部増税なしの中にみんな入ってしまうということでは、もう税制の改正というのはできないのではないのかということを私は申し上げたわけでございます。
 問題は、要するに、これから行革をやる。それで歳出の切り詰め、カットをするというときに、一方において財源をたやすく用意しますよという物の考え方があったのでは、財源があるのなら切らなくたっていいじゃないかという議論がすぐ出てくるから、切るということは非常につらいことで、それを受け取っている人からすれば、月給の値下げぐらいつらいですよということを私は財政演説の中でも言っているわけです。だからそういう意味で、やはり歳出カットを歯切れをよくするために、要するに増税はやらないのが原則なんですと、そういう政治的な意味が非常に強く出ておるということを申し上げたわけでございます。
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福田幸弘#18
○福田(幸)政府委員 お答えするのにはちょっとむずかしいのですが、大型というのはやはりボリュームだろうと思うのですね。ボリュームというのは、ほかとの比較でいくのだろうと思いますが、いずれにしろ、大臣が申しているように、歳出の方との関係がやはりボリュームの問題、また全体の税収が変わらない中で入り繰り的に考えるかというような問題、すべて絡みますので、答えが何兆出たから直ちに大型というふうにはいかないと思います。
 それから、新税と言っても、小さな新税ならいいのか悪いのかとか、たとえば一つの例ですが、出国税とかやっても、新税だけれども税収は小さい、しかしやった方がいいというようなものはあり得ると思うのです。しかし、新型というと大型が何かくっつくということもありますけれども、いずれにしろ、抽象的な問題ではなくて、歳出を絡め、税制の体系を考えた上での判断で、それ自体、大型はどのくらいだとか、それから新税とは何かというのは、それをやるやらないということは別としまして、これから御審議される過程ではやはり重要な課題だと思います。政治的な問題がございますので、ちょっと答弁としては非常にしにくい問題であろうと思います。
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佐藤観樹#19
○佐藤(観)委員 大臣、大型、新型と言われたのは、大型でかつ新型という意味ですか。いま主税局長の答弁を聞いていると、やはりそのことを確認をしておかなければいかぬのですが、新型、大型と大臣が言われたイメージというのは、大型でかつ新しい型のという、かつなんですね、アンドなんですね。両方、二つの要件を備えているものは頭にない、こういうことですね。
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渡辺美智雄#20
○渡辺国務大臣 五十九年度までに脱却のための財源としての大型かつ新型のと言えば正確になるのかもしらぬけれども、それではわかりにくい。したがって、歳出カットというものをやる以上は、やはり増税なきというのは気持ちの上で、何らかの形でも増税をいっぱいするんですよということでは歳出カットできなくなってしまうから、歳出カットの方が増税よりも優先という意味で、私は政治的な意味が非常に強いというように思っておるわけです。
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佐藤観樹#21
○佐藤(観)委員 そこで先へ進めますけれども、新型かつ大型と言えば、いままでボリュームの少ない意味では消費についてもかけていたわけでありますけれども、一般的に言う大型間接税なりあるいは一般消費税と言われるものなり付加価値税なり、いわば額としては消費に着目をしてベースが大変大きいもの、なおかつ税収を上げるという面から言えば、いま申し上げたような、いままで余りわが国の税制の中で取り入れてなかった間接税を中心にしたもの、とりわけ消費に着目をしたもの、新型と言えばこういうことに具体的にはなっていくのだと思いますが、こういうふうに考えておいてよろしいのでしょう。
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渡辺美智雄#22
○渡辺国務大臣 穏当な解釈かと存じます。
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佐藤観樹#23
○佐藤(観)委員 なぜ私がこの辺のところをしつこく聞いたかと言いますと、大臣が言われたように、税制というのは、経済が動いていくわけでありますし、かねてから不公平税制の是正ということは言われていたわけでありますので、増税なきという場合には、私は、国民の皆さん方は一銭たりともという認識だと思うのですね。だけれども、私たちは、いま大臣が逆に言われたけれども、不公平な税制というのはやはり改革をしていく、私は個人的にこう思っていますが、こういう高齢化社会になりあるいはサービスをより受けようと思えば、税負担が重くなるのはいたし方ないと思うのです。ただ、問題なのは、みんながひとしく税負担が重くなる、まあ、大体国民の皆さんが均等だなと思うようならば、これは私は、国民の皆さん方も納得してくれるだろうし、説得力があると思うのです。ただ、これが非常にアンバランスだと、なかなか納得してくれないだろうと思うのです。
 そこで私は、今度の税制改正の中で、初年度三千四百八十億、平年度も同じ額になりますけれども、税制改正が行われ、増税が行われているというのは、まさに大臣の言われた新型かつ大型でない範疇の、一部は私たちがかなり前から言っておりました不公平税制の是正、いわばこういう概念の中で行われた増税である、こういうふうに理解した方がわかりやすい、こう思うのでありますが、そういう理解でよろしいのですか。
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渡辺美智雄#24
○渡辺国務大臣 不公正の是正といいますか、いろいろ皆さんの中でも減税財源として出されておるものの中で、たとえば給与所得控除五%青天井のやつは一千万円で頭打ちだということになると、それは直すわけですから、それ以上の人は増税になる、これは増税だというようなことまで、一つの例だけれども、そういうものを一々全部、増税だから全部だめだ、全部だめだと言われたのでは、税制の改正なんかできるわけがないのであって、だから私は、やはりいま佐藤委員が言ったようなことが穏当な考え方じゃないか、そう思っておるわけです。
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佐藤観樹#25
○佐藤(観)委員 大臣が前に答えておられましたような税の構造の手直しといいますと、これは御存じのように、五十三年度から所得税は課税最低限を引き上げてないために、こちらのウエートがどんどん高くなってくるので、直間比率がますます直の方が多くなってくるということがあるので、これを少し手直ししようということになりますと、私は、新型、大型の方へつながっていく考え方だと思うのです。それよりも、不公平税制の是正という範囲内ならば、この増税も国民の皆さん方には、私は、理解をされてくるんじゃないだろうか。不公平税制の是正、これはなお一層進めなければいかぬと思うのであります。
 次に、あわせて「財政の中期展望」の関連でありますが、主計局にお伺いをしたいのですけれども、ことしの一月の二十九日に閣議報告をされた「財政の中期展望」ですね、これを見ますと、五十八年度の税収は四十兆九千七百億、税外その他の収入が二兆五千七百億、これが若干五十七年度よりも落ちているわけであります。それから、公債金収入が八兆四千八百億、これを入れまして合計五十二兆二百億、これが五十八年度の歳入に立つわけですね。
 歳出の方は、国債費が八兆八千五百億、それから地方交付税が十兆四千四百、これだけ引きますと、これだけの合計で十九兆二千九百億になりますので、いわゆる一般歳出というのは三十二兆七千三百、つまり、五十七年度の一般歳出よりも一千百億しかふえない、こういうことになりますけれども、こういう解釈でよろしいですね。
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西
西垣昭#26
○西垣政府委員 要調整額の分を全部歳出カットで調整をいたしますと、御指摘のような数字になります。
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佐藤観樹#27
○佐藤(観)委員 そこで、歳入の方からいって、いま大臣と議論をいたしましたように、できる範囲はいわば不公平税制の是正の範囲内だということになりますと、そう一兆も二兆も出てくるというのは、私は無理だと思うのですね。もしそれが可能ならば、いままでにやっていたと思うのであります。
 そうなってきますと、この「財政の中期展望」の中で、歳入をさらにふやす、大体この税収の中でも、新社会経済七カ年計画の九・五%の経済成長自体は高いんじゃないか。それをもとにした四十兆九千七百億でありますから、歳入自体が、税収自体が大変高く見積もられているということから考えますと、さらに不公平税制の是正をやって、一体これでどのくらい乗るだろうかというのが一つの問題であります。
 もう一つは歳出カットで、たとえば五十七年度の三十二兆六千二百億、じゃ一体これをどのくらいさらに切り込めるのか。次長、三十二兆六千二百億の一般歳出のうち、義務的経費と申しますか、あるいは法律補助に基づいた経費というのはどのくらいあるのですか。ざっと丸い数字で結構ですが。
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西
西垣昭#28
○西垣政府委員 その内訳につきまして、私いま数字を持っておりません。ただ、毎年のようにいままで出しております当然増と言われておりますものが、普通の年で一兆五千億から二兆ぐらいというのがいままでの把握でございます。
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佐藤観樹#29
○佐藤(観)委員 そこで次長、どうなんですか、当然増経費がこれだけあるということは、いまの御答弁を延長していきますと、歳出カットでは、これは五十八年度の中期展望で見たような三十二兆七千三百億しかない、この一般歳出に回れる分、これをなお切り込むことは無理だ、こういうことになりますね。
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