渡辺美智雄の発言 (大蔵委員会)

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○渡辺国務大臣 ただ、私が言うのは、これから歳出削減はもちろんやりますよ。極力やりましても、たとえば社会保障費のようなものは、幾ら節約だ何だと言ったって私はふえると思うのですね。幾ら切れ切れと言われたって、それはもう老齢化社会になり老人がふえれば年金がふえる。老人がふえれば医療費がふえる。これは全体的には世界じゅう切りようがないのですから、その負担は一体何でやるのだ。もう保険税、保険料だけでやるのだ、政府はふえた分は持たないのだ、そういうことは言えないのじゃないか。私はかなりの財源が必要だと思っております。それを所得税と法人税で七割いま保っているわけですから、だんだん今度は借金もしなくなるということになれば、所得税と法人税に皆ぶら下がってくる。そういうことの中で大幅な所得税の減税なんてできるのでしょうか。
 現在、問題として課税最低限も五年間もいじっていない。課税最低限をこのままにしておくということは非常に酷だと私は思っていますよ。できることならば、こういうようなものは直すべきじゃないかとも思っている。それから、一千万円以上は高額所得者だと言うけれども、それじゃ国会議員は全部高額所得者になります。これは二十年も前に決めたことですね。公示制度で、一千万円以上の人は全部高額所得者で所得の内容を申告、発表する。一体、いまでもそういう時代なのかどうかということになると、所得税問題というものは一遍再検討する時期が来ておる。
 そういう中で、一方では、もう歳出がどうしても財源が必要であって何らか調達しなければならない。その中で、新しい税目とか、いまのいわゆる見直しでも何でも一税目ごとに税金がふえるようなことを、税率をいじったり何かすれば、それは全部増税なんだということを言われたのでは、それこそ財政硬直化になってしまって、収入の硬直化になってしまって、とてもじゃないが、近代的な税体系はできないんじゃないか。だから私は、そういうものを増税なきというのは含まない。
 それじゃ、新型の増税は全部増税ありの方に入ってしまうのか。これも、いまの体系をそのままにしておいて、そのほかに別に大型、新型をというのは、これは明らかに増税ありの方へ入るのだろうと私は思いますが、そこらのところは、先ほどもいみじくも先生が言ったように、GNP対比何ぼぐらいの負担率というようなもので増税というものをはかるのか、税目ごとにはかるのかというような細かい詰めというものは、まあ政府の方で言い出したと言えば確かに言い出したのですけれども、実際、具体的にこういうのが増税なきという正確な意味でございますということまで詰まっていないということを私は正直に申し上げたわけでございます。
 要するに、いまに突如として税負担がいっぱいかかるというようなもの、これは増税ありですね。という程度の政治的用語だというように私は思っております。したがって、これらについては、われわれももちろん今後一生懸命検討してまいりますが、一緒になって知恵をかしてもらいたいということを申し上げたわけでございます。

発言情報

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発言者: 渡辺美智雄

speaker_id: 9286

日付: 1982-03-10

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会