松本幸男の発言 (地方行政委員会)

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○松本(幸)委員 いまのお答えでは、財政状況等をも考慮して決めるということですけれども、それでは基本的な考え方が誤っているんではないかというように私は思います。これはあくまでも、源泉徴収をされる給与所得者の給与所得控除というのは、申告納税をする給与所得者以外の経費控除と整合性を持って、それに見合った形で算出をされなければならない性格のものだ、このように私は理解いたします。ということからいきますと、いまの御答弁では満足をいたしません。それでは、いわゆる給与所得者以外の一般の個人、法人を含めての事業者の所得における、あるいは収入における経費控除の実態がどういうものであるのかということになるわけであります。
 これは、申告納税をされる方々の経費控除というものが千差万別でありますし、御商売によってもあるいは規模によってもいろいろ違うわけですから、これを統計的にとらえた資料というものを私も持っておりませんし、恐らく大蔵の方でも、この統計を出すということはなかなか至難なことではないかというように思うわけです。したがって推測の域を出ないわけですが、個人にしろ法人にしろ、申告納税をする事業者の所得における経費というのは、とても給与所得のような四〇とか三〇とか二〇、一〇といったような程度のものではなくて、これはあくまでも推測ですけれども、いわゆる粗利益に対する経費控除というのは、恐らく七〇、八〇にもなっているのではないか。
 まあ、一つの具体的な事例として申し上げますと、決して個人事業者からよけい税金を取れという趣旨で申し上げるわけではないので誤解をしないでいただきたいのですが、たとえば店舗と住宅とが一緒になっている御商売の方、これらの経費控除については、いわゆる事業に要する経費としての控除であるのか、あるいは家計として支出をされるべき経費であるのかということがなかなか判然としない部面があるわけです。特に光熱水道費あるいは車両費、こういったものについては、公私混同と言うとこれも大変語弊がありますけれども、事業と自分の私生活とがもう一体になってしまって、それが全部経費控除として行われる、こういう仕組みになっているわけです。
 そういう点から考えますと、これは給与所得者における経費控除に相当するこの四〇、三〇、二〇、一〇の給与所得控除額よりもはるかに高いものが、経費控除として申告納税の場合には認められている。青色申告等の場合には経費として記帳すれば、広告宣伝費とかあるいは交際費といったような形で、資本金その他によって一定の制限のあるものは別といたしまして、他の経費についてはまあまあのところ——まあまあのところと言うと、これまた語弊がありますけれども、出せば、余り文句も言わずに、調査もされずに認められる、こういう青色申告制度でありますから、そういう意味からいうと、要するに給与所得者の経費控除に相当する給与所得控除と、事業所得における申告納税の際の経費控除というものは、後者の方がはるかに大きいのではないか。
 たとえば社会保険診療における二千五百万円以下七二%、五千万円以上五二%というのであっても、これはやはり一つの経費控除のたぐいでありますし、あるいは各種の租税特別措置の中でも広い意味での経費控除、つまり収入に対する課税所得金額を少なくする、こういう意味合いの租税特別措置によるそれぞれの控除というものは、そういう性格のものではないかというように考えるわけでありまして、そういう意味からいうと、さっきもお話しのような、経済的に考えてもということでこの経費控除率というものが、適当と言うと悪いですけれども決められておるということについてはきわめて不合理で、もう少し事業所得者の経費控除がどのくらいのものであるかということを、困難であってもかなり正確に捕捉して、それに見合うだけの給与所得者の経費控除というものを考えてもらわなければいけないというように思うわけですけれども、その辺についてはどう考えておりますか。

発言情報

speech_id: 109604720X00619820319_015

発言者: 松本幸男

speaker_id: 28877

日付: 1982-03-19

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会