中曽根康弘の発言 (本会議)
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○国務大臣(中曽根康弘君) 柳澤議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、内外多難の折に、自由民主党の内部事情から四十日間にわたる政治空白の時期を生じさせましたことは、国民の皆様方にまことに申しわけない事態であると思っております。そのおくれを取り戻すために全力を投入してまいりたいと思っております。
また、一審でも有罪となった人は役職につけるなというお言葉でございます。御提言はしかと承っておきたいと思います。
政治倫理委員会の設置の問題等について御質問がございました。
この問題は国会議員の規律に関する問題で、先般来申し上げますように、国会としての重要事項であると思いまして、各党間で十分御協議願いたいと考えております。
現在の家庭環境をどのように認識して対策を講ずるかという御質問でございます。
わが国の家庭環境につきましては、現実におきましては一部において御指摘のような状態でさまざまの問題を持っておることを承知しております。特に暴力問題、覚せい剤問題等は重要な問題であります。このような問題を解決していくためにも政治の光を家庭に当てる必要がある、家庭の場を充実していく必要がある、そういう考えに立った次第なのでございます。したがいまして、日本社会を支える原単位としてこの家庭をいかに充実させていくかということに今後政治の力を集中してまいりたいと考えております。
政治倫理と社会倫理の確立について御質問がございました。
御質問の趣旨については非常に同感でございます。それにはまず政治家自身が自粛自戒をし、国民の模範になるような進退をすることが大事であると心得ており、また公務員の綱紀の粛正についても一層の努力徹底を図る必要があると思っております。
また、社会倫理の確立のためには健全な明るい礼節と愛情に富んだ家庭が基礎になる、そういう意味におきまして、家庭の充実という点につきましても先ほど来申し上げるように努力してまいりたいと思っておるところございます。
臨時行政調査会を中心にする行革の進め方につきましては、臨調答申を最大限に尊重してこれを実行するということはわが内閣の基本的姿勢でございます。
改革の具体的方策は、当面は九月二十四日の閣議決定を逐次実行していくということでございまして、具体的なプランは、今臨時国会におきまして国鉄再建臨時措置法案を提出して、これを速やかに御成立を願いたいと思っております。そして、できるだけ早期にこの臨時措置法案による委員会の人事の任命を国会の御協力を得て行って、作業に入っていただいて、国鉄に対する包括的なかつ具体的なプランを作成していただきたいと考えております。
次に、次期通常国会に提出すべく目下それを目途に準備している問題といたしましては、四共済年金の統合関係でございます。それから公社の改革問題、電電、専売の問題が主となってまいります。
それから五十八年金予算その他において立案ないし調整すべきものとして、国鉄再建緊急対策十項目の推進と国民医療費適正化対策、食管等の財政負担軽減対策、それから補助金カットの問題、このように考えております。
五十七年度の補助金について御質問、御言及がございました。
五十七年度におきましては、臨調の第一次答申を最大限に尊重して補助金整理合理化にも努力を払ったところでございまして、行革特例法案による補助金の削減額は約二千五百億円でございます。そして対前年度の増額、御指摘の分は、これも相当な努力をいたしましたのでございますが、若干増加をいたしました。しかし、増加額、伸び率ともに近年で最も低い水準を示しております。前年度におきまして補助金の増加額は六千五百億円でございましたが、五十七年度におきましてはこれを二千六百億円に抑えてきたので、さらにこの努力を継続してまいりたいと思っております。
新規採用の半減につきまして、定員削減には従来からも非常に努力しております。しかし、国家公務員の仕事の中には大学教育の問題、特に各県に医科大学が一つずつできまして相当の定員増が要求されてきております。国立病院、療養所の充実の問題、あるいは外交機能の確保、あるいは登記、税務の増強の必要性、あるいは海上保安関係、こういう問題がございまして、新規採用を半減せよということはかなり困難の状態であります。しかし、その御趣旨は十分尊重してやりたいと思います。
今後とも、人件費の累増を抑制するために、いまやっております第六次定員削減計画を強力に推進して、厳しい定員管理に努めていくつもりでございます。五十七年度におきましては、ネットで千四百人縮減をいたしました。来年度につきましても相当の成果を上げるように、予算編成の際、努力してまいるつもりであります。
人事院勧告の扱いにつきましては、人事院勧告尊重という基本的たてまえに立って検討しておる次第でございますが、危機的な財政事情のもとに、異例の措置として給与改定の見送りを行わなければならないのははなはだ残念な次第でございます。
仲裁裁定につきましては、与野党間でその取り扱いに関して合意が成立いたしました。これを守ってまいりたいと思います。
労働基本権の問題の提起がございましたが、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告制度、公労委の仲裁制度を今後とも維持尊重していく考えには変わりはございません。したがって、労働基本権については現行制度によって対処していくという考えでございます。
経済成長率について、五・二%を目途にせよという御指摘でございますが、最近の国際的な経済情勢の冷え込みからいたしまして、三・四%に改定せざるを得ない状況でございます。政府は総合経済対策を決めまして、今度の補正予算にも若干の項目でお願いをしておる次第でございますが、懸命の努力を払いまして、景気が上向くように努力してまいりたいと思っております。
所得税の減税につきましては、先ほど来申し上げますように、財源を得て、そして減税小委員会で与野党の合意をつくろうと努力しておるところでございます。この結論が得られれば、これを尊重してまいりたいと思っております。
財政再建五カ年計画、経済新計画について御質問がございました。
民社党が去る十月に新財政再建五カ年計画をお出しになりましたことは私も承知しておりまして、その内容も拝見いたしましたが、このような御努力を的確におやりになっていることに敬意を表しておる次第でございます。しかしながら、財政の実態、現況を見ますと、必ずしも民社党のおっしゃるとおりにやることには困難な面もあるのでございます。しかし、この御意見は重要な参考の資料といたしまして、今後とも財政再建の方策を探求してまいりたいと思っております。
国際情勢につきまして御質問がございましたが、米ソ間の状況は緊張が緩和される方向にいまあるとは考えておりません。しかしながら、ソ連に新しい体制が出現いたしまして、これがどういう方向に世界政策を打って出るか重大な関心を持って見守っております。昨日ソ連大使が私のところへ表敬に参りまして、アンドロポフ新政権の政策について私も若干質問をしてまいりましたが、大体従来のいわゆる平和政策を述べた程度で、特に顕著なことはございませんでした。
相互依存関係の深まった今日の国際社会においては、いかなる国も永続的な世界の平和と繁栄なくして自国の平和と繁栄はございません。特に日本はそのような条件にある国であります。それと同時に、国力の発展に伴って日本の果たすべき国際責任と役割りは非常に大きくなっていると考えております。
さらに南北問題について御質問がありましたが、わが国は自由世界第二位の大きな経済力を有する国といたしまして、この経済力等を通じて世界経済の調和ある発展及び世界の平和と安定に貢献すべき役割りを持っていると思います。このような考え方から、所信表明演説で申し上げましたように、新中期目標のもとで開発途上国に対する経済、技術面での協力に一層力を注ぐ方針でございます。また、国連等の場を通じて南北対話を促進し、南北問題の解決に積極的に貢献するという態度を堅持してまいりたいと思います。
難民問題について御質問がございました。
難民には二つの種類がございまして、いわゆる政治的亡命者とベトナム難民と二つ性格がございます。しかし、難民認定に当たりましては、庇護を求める外国人に対する人道的配慮のもとに、難民条約にのっとり、迫害の有無について慎重に審査をしております。難民と認定されなかった者につきましても、一律に在留を否定することはなく、個々の事情を検討して在留の許否を決定しております。インドシナ難民のわが国への定住受け入れにつきましては、今後とも国内の受け入れ体制を整備して努力してまいりたいと思います。
私は、行管長官当時、このベトナム難民の処理について非常に心を砕きまして、いま宗教団体や赤十字に委託してめんどうを見ていただいておるのが大部分でございますが、それではいけない、みずから政府は責任を持つべきであると、そういう考えに立ちまして今回大いに新しい難民センターを建設することを決め、約七百二十名の収容力を持つ快適な難民センターをこれからつくる予定で、すでに予備費から二十億円の予算をいただきましてその設計に入っておるところでございます。今後とも難民問題については人道上の問題として力を入れたいと思います。
わが国外交の基本につきましては、先ほど来申し上げましたように、果たすべき国際責任とその役割りが増大していることも十分認識するとともに、東西関係、南北関係等につきまして、日本の果たしている重要な位置と役割りについても認識を新たにして積極的に努力していく所存でございます。(拍手)
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇、拍手〕