森井忠良の発言 (社会労働委員会)
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○森井議員 お答えをいたします。
まず、白川委員前段の平和憲法等に関します認識の問題については、特に憲法の平和主義等にお触れになりましたけれども、私も同感でございます。
しかし御質問の中で、戦争というのは政府の統治行為であって政府の責任において起こすものである、それもそうだろうと思うわけでございますが、そのためには国民の合意が必要ではないか、事実、第二次世界大戦もしくは太平洋戦争は国民の合意に基づいて行われたのではないか、こういう御趣旨と承りましたけれども、私はそうは思いません。それこそ一握りの軍国主義者が仕掛けて起こした戦争でございまして、国民は合意をするどころか、全く相談も受けていないし、言葉が適当ではないかもしれませんが、ごまかされて戦争へ戦争へと追いやられたと私は思っております。八紘一宇の精神でありますとかいろいろ言われておりますが、要するに侵略戦争であったという認識を私はしております。それは、戦争を起こしたわが国もでありますが、そのつめ跡にかかっていまなお被害を受けておりますアジアの諸国を見れば、歴然としておるわけでございまして、明らかに侵略戦争でございましたし、国民は少なくとも相談を受けた覚えは全くない。その当時の日本というのは言論の自由は全くございませんでした。
それから、衆議院というものがあったではないか。なるほど、戦争中も含めて衆議院もありましたし、貴族院というのも御案内のとおりございました。貴族院は論外といたしまして、衆議院という名前はございましたけれども、これも、大政翼賛会等歴史的な一つの事実を申し上げましても、すでに国の何と申しますか国策に反対をするようなことはほとんどできなかった。また理論的にも、御存じのとおり、たとえば天皇機関説というのを美濃部達吉さんがお出しになりまして、これだけでも弾圧を受けたというふうなことがございました大変な時代であったわけでございまして、不肖私も、まだ小学生もしくは中学生でございましたけれども、日本の戦争は正しいと信じておりました。そして、私どもの仲間は次から次へと軍隊に入っていきました。そして、不幸にして散華をした諸君もたくさんございました。
しかし、いま振り返ってみますと、あの日本の国が起こした戦争というのは明らかに侵略戦争であり、全世界に迷惑をかけたことは間違いないわけでございまして、私はやはり、わが国といたしましては、深刻な反省の上に立って平和憲法をつくったものというふうに理解をいたしておるわけでございます。
したがいまして、私は、そういった国の不法な戦争行為によっていろいろ国民が被害を受けた、しかも白川委員に御理解をいただいておきたいのは、確かに国が戦争を起こしますと大なり小なり、程度の差こそあれ、全国民が被害を受けたと申し上げて差し支えないと思うわけでございます。
しかし、いろいろな被害はありますが、その中で、私どもが今度出しております被爆者援護法案は、特に命とそれから健康の被害に限って被爆者援護法案を提案しておるわけでございまして、一昨年私は今井議員と議論をしたわけでございますけれども、たとえば昭和四十三年にやはり判決が出ております。これは在外資産に対します損害賠償を求めたものでございまして、これが却下をされておるわけでございます。私どもが言っておりますのは、なるほど、いろんな被害を受けましたけれども、その中でも、亡くなられた人でありますとか、いまなお障害に苦しんでいらっしゃる、健康被害を持っておられる方、そういった方に限って今度提案をしておるわけでございまして、戦争の被害をもう一円の違いもなく全部支払え、国は賠償せよということではないのでございまして、その点御理解をいただいておきたいと思います。