白川勝彦の発言 (社会労働委員会)

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○白川委員 私が質問しようということまで先走って御答弁をいただきましたので、質問が何かむしろ後ろになってしまったみたいでございますが、私がお聞きをしたいのは、あるいはこういうことが現実の問題としてはあり得るだろうかということなんでございますが、戦争の勝ち負けとは別に、戦時国際法に違反をする行為があった。これは戦争一般の平和条約もしくは講和条約の際取り決める損害賠償額などの決めとは別に、勝敗とは別に、しかしこれはあなたの方が戦時国際法に違反をしたのだから、これだけは差っ引くよとか、これだけは別個に被害者に渡してくださいよというようなことが、およそ戦時国際法というようなものが人類の中に出てきてからあったのだろうかということを、もし御承知であればお聞かせを願いたいということなのでございます。私は、抽象論としてはそういうことはあり得るだろうけれども、戦争という異常事態、そして、その異常事態を終結するときも結局は異常事態の中での終結だろうと思うのでございます。そういたしますと、その異常事態の中において理性的な終戦処理というのはなかなか実際は行われないのではないかな、こう私は思っているわけでございます。
 たとえば、私が若干関係をいたしております、ソ連国によります、満州国に在留をした日本軍人及び日本国民を、数もまだ定かではございませんが、六十万から八十万ぐらい抑留をして数年間強制労務に服させた、これなんかも国際法上、いかなる意味でも正当化する法規というのはないのではないかと思っています。これは単に日本国民だけではなくて、西ドイツの軍人あたりもこのような目に遭っておるわけであります。しかし、これについてソ連が賠償したという話は寡聞にして聞いておりません。そういう形で言いますと、人類はかなり利口のようでございますけれども、そんなに利口ではない、理性的ではない。いろいろな法律はつくっておるけれども、戦争しなかったならばりっぱなものでございますが、戦争したというのは、結局本来理性的であるべき人類が理性を失ったときという気がいたすわけでございます。
 そんな意味で、私がただ一点だけお聞きをしたいのは、原爆を投下するというきわめて違法、不当不法な行為ではございますけれども、広島市民、長崎市民が受けた損害を、国と国とを窓口にしてやるのかあるいはハーグ国際司法裁判所あたりでやるかは別として、秩序ある国内法でやるような損害賠償というのが果たして可能なのであろうかどうか。まだあと二、三質問したいことがありますが、時間ですので、その点重複になるかもわかりませんが、改めて森井議員の御見解を賜りたいと思います。

発言情報

speech_id: 109804410X01019830519_008

発言者: 白川勝彦

speaker_id: 9570

日付: 1983-05-19

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会