中曽根康弘の発言 (予算委員会)
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○中曽根内閣総理大臣 日ソ関係を打開しようという熱意はいまでも変わりありません。いまご指摘のことは事実でございまして、まだ日ソが国交を回復していなかったころ、いよいよ国交回復のチャンスが来たと思ったときに、鳩山先生を非常に激励したいと思ってお手紙を差し上げました。
その真意は、こういうような状態になって日本が世界的に認識され、国交を広げていく、それが貿易を拡充して日本が経済的に立ち直っていく非常に大事なポイントになってきておる。したがって、いろいろな問題で条件が合えば、勇断をふるって日ソ国交回復をやった方がいい。特に国連にはいれるということ、それからシベリアにおる大勢の同胞、抑留されているわれわれの戦友を一日も早く帰してもらうということ、それを非常に念頭に置きまして、鳩山先生を御激励して、やりましょう、私も協力します、総理、勇気を持ってやってください、そういう趣旨の手紙を出しました。
その考え方は基本的には私は変わっておりません。今日におきましても、私はよく一番手ごわい相手と粘り強く対話をやると言っておりますが、いまも打開するということもここで申し上げておるわけです。それはもちろん、日ソ間においてはその国交回復のときに領土問題という問題がやはり懸案で取り残されておりました。領土問題は基本的な重要問題であります。しかし、そのほかに、いまの漁業問題もありますし、あるいはシベリアにおける経済協力問題もございますし、あるいは科学技術や文化の問題についても過去においていろいろ話し合ってきたことも事実であり、人間の交流もございました。したがって、日ソ間にはその領土問題を基本にしつつ、いろいろな経済的にもそのほかの面におきましても友好を深めていく問題はあるのであります。そういう観点に立って、総合的、包括的にこの問題を取り上げていきたいと考えておる。もとより領土問題というものも基本的な重大問題でありますが、領土問題だけではない、ほかの生活に関連する幾つかの重大問題もあるという認識を私は持っておるのであります。
しかし、アフガニスタン問題とかあるいはポーランド問題とか、いろいろな問題がありまして、われわれは自由世界の一員として自由世界連帯の行動をとっております。したがって、そういう点についてはわれわれも連帯者としての、一員としての立場をわきまえてやっていかなければならぬと思っておりますが、日ソ間の、二国間の問題という問題については、敵対意識とかあるいは対立、対決するという考えは毛頭持っておりません。できるだけチャンスを見つけて、そして粘り強く打開していく、それが政治の本来の姿であり、私の年来の考え方であるということを申し述べておきます。