海原治の発言 (安全保障特別委員会)
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○参考人(海原治君) まず私は、これはことにお答えしますが、前から言っていることでありまして、役人をやめて評論家になったから言っているのではございません、この点を前もって申しますが。かつての大日本帝国の大本営は、当時の日本の最高の頭脳集団であったはずであります。その大本営の作戦計画というのは、当初の真珠湾の強襲とマレー作戦を除きましては全部、ことごとく失敗しています。なぜか。それは願望の表明でしかない、具体的な方法論の裏打ちがない、そのことが大日本帝国を滅ぼした、そういう意識が日本人の意識にあると思いますので、そういう同じ過ちをしてはいけないというのが私の個人的な気持ちです。そこで、ことさらに防衛庁におりますとき以来、現実的具体的防衛論と言っております。その立場で見ますと、いわゆるシーレーンの安全確保論は、平時は不必要であります。なぜか。どこの海軍も現在ただいま、そういうことはやっておりません。ところが一部では、アメリカの艦隊が、その空母がどこかをパトロールしておる、そのおかげで日本の商船が自由に海上を交通しておるというふうな錯覚があります。私はそれは幻想だと言っております。もう一遍申しますが、平時は不必要であります。
戦時においては、相手はだれかということであります。ソ連の脅威がもっぱら強調されます。最悪の事態を考えて最善を尽くすのが防衛だと思いますから、じゃ、ソ連と交戦状態のときはどうかと考えますと、先ほどちょっと申しましたように、真っ先に、私がソ連の司令官であるならば、破壊する目標は二十八カ所のレーダーサイト、それから十数の飛行基地、さらに横須賀、佐世保等の基地であります。これが破壊されましたら何もできない。したがって、有事においてはいわゆるシーレーンの安全の確保は不可能であると私は考えます。