阿曽沼廣郷の発言 (安全保障特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(阿曽沼廣郷君) シーレーンの安全保障というくくり方をしましたのは、平時、戦時を問わずこの問題は日本の国民生活と国民経済を成り立たせる不可欠な条件である。この条件としては資源の循環ということがこれを成り立たせる要件であろうかと思います。その中で資源の輸送という問題が大きく取り上げられなきゃいかぬ。そういう意味で海洋国家である日本はこの資源の輸送というものについて平時、戦時を問わず考えておかなければいかぬ。もちろんそれに弾力性を与えるものは資源の備蓄という問題がありますが、これはあくまでもある時期、一時的な代替手段である、こういうふうに考えますので、ただしこの場合に、本当に戦時になったら資源の供給地をどこに求めるかというようなことは特に特定はできませんけれども、そういう状況の変化に応じてこの船舶のフローを、フローと言いますか船舶の流れというものを安全に安定的にやらなければいかぬ。しかし、安定と安全というのはこれは二律背反的でありまして、どうしても安全を追求するならば安定的な輸送というものはある程度犠牲にならなければいけないかとも思います。
 それから、シーレーンの安全保障のためには軍事的措置と非軍事的措置というものを両面を考えておかにゃいかぬ。かつて朝日新聞の論壇に全日本海員組合の組合長の小論文が載っておりまして、第二次大戦中帝国海軍ですら不可能であった、できなかった海上交通の保護を、いまのような環境の中で考えるのは時代錯誤だというような表現もその中にありました。
 もう一つは、海の平和というものが絶対に輸送を維持するために必要だ。海の平和は外交によってやるべきだ。ところがこのシーレーンの安全保障の中の軍事的側面というのは外交でできなくなったときどうするかということを論ずるわけでありますから、海の平和は外交でやるべきだで思考を停止してはいけない。したがって、非軍事的要素と軍事的要素というものをバランスよく考えていかなきゃいかぬというふうに考えます。
 確かに、先ほどおっしゃったように海洋法による新しい海洋秩序の問題、それから国際海峡の問題、これはシーレーン全般においてチョークポイントになります、航路の収束点になる。この航路の収束点における安全をどうするか。やはりたとえばマラッカ・シンガポール海峡であればその沿岸三国との友好関係を維持するということがこれ絶対に必要になる。あるいはアフリカのケープタウン沖合いの航路、これも一つのチョークポイントである。ロンボク海峡もしかり、日本の海峡もしかりであります。こういうふうにチョークポイントに対する配慮、これは外交でやるべきであり、情報システムを整備することによって的確にその情報をつかんでおくということも必要であろうかと思います。
 先ほども申し上げましたが、いずれにしても情報システムが整備してないと、非軍事的な措置をしようにも軍事的措置をとろうにも手がかりがないということになろうかと思います。

発言情報

speech_id: 109813818X00319830411_025

発言者: 阿曽沼廣郷

speaker_id: 14457

日付: 1983-04-11

院: 参議院

会議名: 安全保障特別委員会