山口巌の発言 (商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会)

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○参考人(山口巌君) 課徴金制度そのものに私どもは反対するものではないわけでございますが、ただ、非常に先般の提言等を見まして誤解をされておる点があるんではないかと思うんですが、ECの課徴金は輸入禁止措置として牛肉については取っておるわけでございまして、非常に高い課徴金を取るために、それだけの課徴金を払ったんでは牛肉のEC諸国に対する輸出はほかの国はできないわけで、そこでいわゆる輸入禁止措置として非常に高度な課徴金をかけておるわけでございますが、実際、ECは必要な肉は輸入割り当て制度を別にとっておりまして、国を指定いたしまして、たとえば豪州、ニュージー、こういう国にそれぞれ輸入数量を割り当てを行っております。それは課徴金を取らないで輸入しているわけです。そういう形で不足量につきましてはいわゆるIQ物資と同様な方針で、相手国に対して輸入割り当て制度をとって、課徴金を取らない。一般的には高い課徴金をかけて輸入禁止措置をとっているというのがECの牛肉に関する問題でございます。
 で、この間の政策フォーラムの課徴金の問題でございますが、私はNHKでちょっと三十分ばかり討論をやった経過があるわけです。しかしこれも、そのときに申し上げたんですが、いまの牛肉を例にとりますと、牛肉価格は日本を一〇〇といたしますとECが七〇ぐらいの水準でございます。現在ECがいわゆる課徴金をどのくらい課しているかというと、七五から七八%の課徴金をかけておりますから、三〇%乗せますと、一〇〇%を超える課徴金を日本はかけなければ現在の価格水準が保証されない、維持できないと、こういうことになります。それだけの課徴金をいまの日米間の問題あるいは国際関係において課徴金を取る——新しい打ち起こしをやるわけですから、国際的に許されるかどうか。それはむしろいまの輸入割り当て制度を守るよりもっとむずかしい問題ではないか。
 それから、牛肉は国際相場が変動いたしますから、果たして恒常的に課徴金で不足払い財源が調達できるかどうかということも大きな問題でございまして、財政が非常に逼迫している現状におきましては、国の財政負担が私は非常に伴うんではないか。現在、あの構想は二五%の牛肉に対する関税も不足払い財源とカウントをいたしておりますが、二五%財源は、御案内のとおり全部大蔵省に入りまして一般会計で出ているわけで、それが別に不足払い財源として固定化していくわけで、これは恐らく財政当局としても非常に私は問題視するのではないか。
 さらに根本的な問題は、御案内のとおり牛肉は代替性がきわめて強い。豚肉、ブロイラー等と代替性があるわけです。牛肉を自由化いたしました場合、自由化でございますから市場価格がうんと下がります。ともかく豪州が一番安いわけですが、豪州並みの水準まで仮に下がったといたしますると、豚肉を食っていた人が牛肉を食う、それから、あるいはブロイラーを食べていた人が牛肉を食う、こういう価格が仮に実現したとすれば、これは牛肉の生産農家には不足払いで所得が仮に補償されたといたしましても、豚肉、ブロイラーの生産農家は一体どうなのかと、こういう問題が出てくるわけでございまして、これは畜産、食肉生産全体の問題としてそういう視点からとらえていかなければ非常な誤りを犯す。結果的には牛肉の自由化問題だけ残って——実は、不足払いはなたね、大豆でやっておるわけです。全部日本は衰退してしまったわけです。自由化の問題だけ残りまして、もう大豆をつくる人もなたねをつくる人もいなくなっちゃったわけです。で、不足払いの価格水準というのが財政によって支配されますので年々下がるわけです。それじゃ再生産できない価格が現実の姿として出てきまして、つくる人がいなくなったというのが現状でございますから、その轍をわれわれは踏みたくないというのが農業団体としての気持ちでございます。

発言情報

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発言者: 山口巌

speaker_id: 32789

日付: 1983-02-23

院: 参議院

会議名: 商工委員会、外務委員会、農林水産委員会、科学技術振興対策特別委員会連合審査会