小関紹夫の発言 (行政改革に関する特別委員会公聴会)

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○小関公述人 今次臨調は、行政改革の視点として、変化への対応、総合性の確保、簡素化・合理化、信頼性の確保を掲げており、行政の組織、内容は簡素でかつ流動的なものであるべきことを明らかにし、それに沿うて行政改革が行われるべきであるとしております。かくて、行政の効率性の向上のための施策として、民間活力の利用、行政の活性、弾力性の確保が企図されているところであります。
 今次の行政改革の特徴は、これらの問題について、いろいろの立場からきわめて多様な意見なり批評が出されているということであります。私個人としましても、第二次臨調の答申を理想的なできだとは考えておりませんし、批判すべき点、要望すべき点も存することは言うまでもありませんが、今日のわが国の置かれている現状から見て、やはりその成果は認めてよいと思うのであります。
 行政改革は、ただに今次だけに終わるものではなく、これからも引き続いて行われるべきものと思うのであります。したがって、このたび提出されている改革諸法案も、それらの一連におけるものとして考えたいと思うのであります。
 まず最初に、国家行政組織法の一部を改正する法律案について申し述べます。
 右法案の内容は、現在法律事項となっている各省庁の官房及び部局の新設、廃止を政令にゆだね、政府が自由に手直しできることとするもので、これに対し、右は国会の統制機能を阻害するものではないかとの意見があるようであります。
 しかし、現代のように激しく変動する社会に対応する行政を行うためには、行政の内容を絶えず進展させる必要があり、したがって、省庁という大もとは別にして、実際の運営に当たる補助組織の変更を内閣の責任において行っていくことは、きわめて弾力に富んだ適切な措置と言えましょう。さらに、これらの変更を国民に周知させる公示の方法をもとられており、行政官庁の独善的体制になることを防ぐ配慮もなされておるところであります。
 省庁の変更の法律事項には手がつけられていず、また国会の行政統制については、国政調査権を初めとし、予算審議、一般法案の審議過程において十分に行われ得るところで、これら補助組織の変動まで一々チェックしなければ国会の統制権が阻害されるとは考えられないのであります。
 もっとも、基幹的な内部組織である官房及び局の膨張を生ぜしめないかという危惧に対しては、上限が決められているところであり、さらにスクラップ・アンド・ビルド方式によることが述べられており、これによって不当に現在以上部局がふえるおそれはまずないと言えましょう。
 イギリスは、各省の内部組織は各大臣が定めることができ、省の統廃合や所掌事務の移動についてさえ、政令に相当する枢密院令で定められることになっております。ただし、この場合は両院または一院の同意が必要とされます。
 西ドイツでは、各省の内部組織は各大臣が定め、省の設置や所掌事務も政令で定められます。
 フランスでは、各省の内部組織は大統領の発する統令、これは政令に当たるものでありますが、等で定められ、省外局等の設置や所掌事務も統令で定められることになっております。
 アメリカの省庁及び次官補以上の職については法律で定められますが、省によってはビューロー、局であります、この設置も法律で定められているところもあります。しかし、行政機構改革法という時限法をそのときどきに制定することにより、組織編成については大統領に大幅に権限がゆだねられております。
 このように、変動する社会に対応し、国民の行政需要を満たすために政府の行政機構に機動力を与えたことは画期的のものというべく、将来の活力を期待したいと存ずる次第であります。
 これに対し、もろ刃の剣であるという批判が出ております。しかし、戦後三十有余年、ようやく民主行政が育ってきた今日、国会議員の多数によって指名される内閣総理大臣によって組織され、連帯して国会に責任を負う内閣の行政責任のあり方も明確になってきている今日、国会は行政責任を追及することができないのではなく、いよいよ行政責任の重大性が確保されるべきだと考えます。国会により信任され、行政権を負託される政府に、より弾力的に、より効率的に行政効果を上げ得る方法としてこのような措置がとられることは、きわめて現代的と認めてよいのではないかと存ずる次第であります。
 次に、国家行政組織法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について申し述べます。
 本法律は、文字どおり国家行政組織法の一部の改正に伴う各省設置法等関係法律二百三件について必要な整理を行うものでありまして、国家行政組織法の一部を改正する法律の施行期日を昭和五十九年七月一日と定めるほか、新たに各省庁全体の所掌事務の規定を設けるとともに、官房及び部の規定並びに庁次長、局、部の次長、国務大臣を長としない庁に置かれる総括整理職等政令によることとされる部分の規定が削られております。
 その他、附属機関について審議会、施設機関及び特別機関に区分し、審議会及び施設等機関について法律で定めることを要しないものについてその規定が削られております。また、政令事項とされるに至った地方支分部局のうちブロック単位に設置された機関等の個別の名称、位置、管轄区域及び内部組織についての規定も削られております。
 問題は、省庁の所掌事務に関する点でありますが、右は、これまでの局単位に規定されていたものを省段階に取りまとめたもので、内容には変更を見ないので問題とするところはありません。それに、附属機関についても基幹のものについては依然法律事項と残されているところで、本案についても妥当なものと思量する次第であります。
 次に、総務庁設置法案について申し述べます。
 政府の総合調整機能の強化は、首相のリーダーシップ発揮の重要要件として先進諸国においてもすでに実現されているところで、わが国においても第一次臨時行政調査会においても取り上げられたところであり、きわめて重要な課題の一つとされているものであります。
 本法案は、総理府本府及び行政管理庁の組織と機能を統合再編成し、総理府の外局として総務庁を設置しようとするものであります。その点において今回の措置はいまだ理想的のものとは言いがたいのでありますが、行政機関の人事、機構、定員管理及び行政監察機能の一体的、総合的の運用をねらいとするもので、新鮮な現代的理論に裏打ちされた総合的行政管理機能の強化とその推進を図るものとして、きわめて意義のある措置と言えましよう。
 それに、行政組織の編成に強い権限を与えられるに至った現在、今後の総務庁の責任は一段と重大化してまいったと申してよいと思います。したがって、この措置は変化への対応、行政の効率化に沿うものと言ってよく、これをもとにして一段と政府の総合調整機能の推進に努めていただきたいと願うものであります。今後その機能の発揮に期待したいと存じます。
 次に、総理府設置法の一部を改正する等の法律案について申し述べます。
 本法案は、総理府の外局として総理府本府及び行政管理庁の組織及び機能の統合再編成として総務庁が設置されることになったため、本府業務の整序を目的とするもので、所掌事務の整理、総理府総務長官及び総理府総務副長官の廃止、審議会等の各省庁への移管、行政管理庁の廃止、関係法律の規定の整理を行うものであります。
 注目すべきは、この措置で国務大臣が一名減じ得ることになっていることで、その有効な活用は今後の課題であり、内閣の強化に充てられんことを希望するものであります。
 次に、総務庁設置法等の一部を改正する法律案について申し述べます。
 本法案は、府県単位機関の整理合理化を内容とするもので、地方行政監察局を初め地方公安調査局及び財務部を廃し、それぞれ行政監察事務所、公安調査事務所及び財務事務所に改めようとするものであります。
 今日、地方の時代と言われるほど地方公共団体の行政の水準の向上が見られるようになった現在、いつまでも国の地方出先機関を存置する必要はなく、これを縮小したのは多年の宿題の解決に前進したものとして歓迎したいと存じます。
 ただ、地方行政監察局の縮小は、地方に対する監察業務の必要がなくなったのではなく、一段と必要となったと言えるときに縮小はどうかと思われる節もないではありませんが、これはこれから検討が望まれている住民監査、オンブズマン制の実施等と相まって、行政の適正が行われるよう努力の必要があろうかと存じます。
 業務は残されるようでありまするから、廃止に伴う欠陥は十分に償われるでありましょうから、実際上の問題はないと存じます。
 次に、行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律案について申し述べます。
 本法案は、いわゆる許認可事務の整理、地方公共団体に対する機関委任事務の整理を内容とするもので、現状に対応する適切なものと思われます。民間の活力を促し、行政事務の簡素化を進める方法として大きな効果があるものと存じます。ただし、公共性の確保のため、必要な規制体制の弱化とつながらないよう配意すべきは当然でありますが、現状は多くのむだが指摘されているところでありまするから、今後とも思い切って整理する必要があろうかと存じ、今回の措置を歓迎したいと存じます。今後一段と作業を進めていただきたいと存ずるものであります。
 以上、簡単ながら所見を述べて、上程法律案の速やかな成立を希望するものであることを申し添えるものであります。(拍手)

発言情報

speech_id: 110004279X00119831005_002

発言者: 小関紹夫

speaker_id: 16127

日付: 1983-10-05

院: 衆議院

会議名: 行政改革に関する特別委員会公聴会