森井忠良の発言 (社会労働委員会)

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○森井委員 実は古い話を持ち出すようで恐縮でございますが、七人委員会が出されましたときに、当時は園田厚生大臣でございました。今は故人で、冥福をお祈りするしかないわけでございますけれども、園田厚生大臣は、極めて遺憾だとはおっしゃいませんでしたけれども、これでは被爆者の皆さんの御意思に沿ったものにはなっていないだろうという御感想をお漏らしになった上で、この七人委員会の意見書を乗り越えて何か厚生省としてやることはないか、これから十分検討したいという御発言をなさっておられるわけでございます。もう故人のことですから大臣にお伺いするのはやめますけれども、そういった前提から立ては、やはり厚生省当局としてもあの基本懇の意見書というのはある意味で予想外だった……。
 実は経過があるわけでございまして、七人委員会の始まりは、これは言い出しっぺは当時の橋本龍太郎厚生大臣でございます。何とか被爆者援護法をつくってもらいたい、こういう要望が、今も強うございますが、その当時も強うございました。そのときに、社会保障制度審議会が原爆特別措置法の諮問に答えるときに、その答申書の中で、いつまでも被爆者対策が放置されておるというのは遺憾である。まあ放置という言葉は使ってありませんけれども、いつまでも解決がつかないということは極めて遺憾である、したがって専門家による権威ある機関をつくれという答申が実はなされたわけでございます。それを受けて七人委員会ができた経過があるわけでございますが、確かにその後政治情勢の変化がございました。大平さんが亡くなる、そしてダブル選挙が行われるというようなことがございまして、いろいろなことがあったわけでございますが、結論から申し上げますと、今申し上げましたように、残念ながら被爆者の意思をある意味で逆なでをするような意見書になったわけであります。これは首をかしげていらっしゃいますが、その当時の各団体の声明でもそれは明らかになっているわけでございます。
 そこで、我々国会といたしましても、先ほど申し上げました園田厚生大臣の気持ちも受けながら、国会での附帯決議の作成に取りかかりました。それが、昨年はございませんでしたけれども、一昨年あるいは一昨々年と続いて、本委員会で与党・自由民主党の皆さん方も含めて、満場一致で決定をした附帯決議でございます。
 国家補償の精神に基づく原子爆弾被爆者等援護法の制定を求める声は、一層高まってきた。
 また、原爆被爆者対策基本問題懇談会の意見書も、被爆者の援護対策は、広い意味での国家補債の精神で行うべきであるとの立場をとっている。
 政府は、原爆被害者が高齢化し、事態は緊急を要するものであるという認識に立ち、可及的速やかに理行法を検討して、これらの要望にこたえるとともに、云々と、こうなっているわけでございます。
 先ほど言いましたように、ことしの原爆特別措置法あるいは野党の原爆被爆者等援護法案におきましては、今大臣の御答弁がございましたように、何か七人委員会の答申だけがあたかも厚生省の原爆被爆者対策の基本になっているような感じがしてなりません。私は何代前かの大臣にお伺いしたわけであります。一体どっちをとるんだ。片っ方は今読み上げましたように国会の意思であります。七人委員会は厚生大臣の私的諮問機関であります。もちろん、私的諮問機関とはいえ、厚生省が一定の手続を経て意見書をお求めになったわけでありますから、これが厚生省の原爆被爆者対策の一つの指針になるということを私も否定するものじゃございません。しかし、今申し上げましたように、むしろ国会の意思は基本懇の意見書を乗り越えて明確に書いてあるわけであります。附帯決議の尊重という立場からすればおかしいのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 森井忠良

speaker_id: 6858

日付: 1984-07-19

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会