安田修三の発言 (地方行政委員会)

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○安田委員 私は、初めに田川自治大臣に、先般所信表明をいただきましたそのことからお伺いしたいと存じます。
 自治大臣は、民主主義の危機という点からいたしますと、中曽根総理をかって手厳しく批判してこられた方であります。
 一昨日の本会議におきまして、中曽根総理の地方財政計画や地方交付税等の一部改正に関する法律案の御答弁の中では、地方自治というのは民主主義の基盤である、こういうことを実はおっしゃっておるわけであります。
 今日の地方と国との財政あるいは仕事の仕組みをめぐっての配分、こういう関係からいたしますと、いろいろなかけ違いがたくさんございまして、これは、地方分権を進めろ、あるいは地方分権を進めておるじゃないかという意見もありますれば、いやそれは違うじゃないか、だんだん中央集権化しておるじゃないか。私たちは、そういう点では地方自治は非常に狭められておる、こう思っているのでありますが、大臣は、地方分権は地方自治体にとって非常に重要な役割なんだということを所信表明の冒頭にもおっしゃっておるわけです。そういうそれぞれの観点の相違があります。
 そこで、私はこうした今日の情勢からいたしますと、地方公共団体の関係者あるいは住民からいたしますと、田川自治大臣の場合には、一党の責任者として、いろいろと地方自治については今日まで政策的には自民党とはかなり色合いを異にしてこられた政策が発表されております。そういう点で、今度自治大臣になられたからには、公党である以上は、もちろん、大臣もかねがね本会議でもおっしゃっておりますように、政策協定をされたわけでありますから、地方自治体における財政あるいはこれからの仕事の適切な配分、整理等についても筋を通していただけるだろう、こういう実は一縷の期待というものは私はやはりあったと思います。しかしながら、今度の地方財政計画あるいはまた地方交付税法等の一部改正をめぐりまして大蔵、自治両大臣の政治折衝の過程から解決した中身を見ますと、どうも物の見事に期待が外れた、裏切られたと言うと何かちょっと余りひどい表現になりますので、外れた、こういうものは私はみんな持っておると思うのです。そこで、まさに君子豹変したんじゃないかという酷評まで出てまいる昨今であります。
 私は、そこでまず自治大臣にお伺いしたいのでありますが、例えば、児童扶養手当の地方の二〇%導入問題でも、これは自治省はかねがね、どちらかというと自治省の存在の、我々からしたら政治生命をかけて、それをやったんじゃ国と地方との財政の交通整理は混乱してくるという点で、こういう一線だけはきっちり引かなければならぬ、金科玉条にこういう点は絶対に導入してはならぬということを自治省は主張してきておられたと思うのです。
 ところが、今度は物の見事に導入がされてまいりました。私は、大臣の政治ビジョンにかける期待、志とあるいは相反したのかどうかわかりませんが、とにかくこういうことになりますと、これから際限なく、類似するものはこれもあれも――御存じのように、児童扶養手当は創設されたときには年金に準ずるあるいは年金を補完するに足る性格だから創設したという経緯がありまして、そういうものがいよいよ入ってくるとしますと、地方の事務や財政というものは一体国との関係はどうなるんだろうという危惧感が出てまいっております。そういう点ではこうしたことの歯どめがきかなくなってくるんじゃないだろうか。これに対する見解をひとつ。
 二つ目は、膨大な借金。来年度五十九年度、一昨日も大臣は四十数兆円と言っておられましたが、地方公営企業等これらの特別会計を合わせますと、来年度末には約五十四兆円になってくると思います。そこで、毎年赤字になっていく、これからの財政を健全化していくという、一体どの時点でこの収支の均衡がとれた財政の姿というものが出てくるんだろうか。先ほどから臼井委員とのやりとりをいろいろ聞いておりましても、盛んに自治省の行政指導という問題が出るわけでありますが、さて一体自治省は、どの時点で皆さん方の考えられるビジョン、立派なビジョンとされる財政のあり方というものが出てくるんだろうか、この点。
 それからもう一つ、今、大臣とのやりとりを聞いておりまして私も関連して聞きたいと思ったのですが、給与の問題が先ほどから出ておりました。私は一般論だけでお聞きいたします。自治省の地方公共団体の理事者側に対する指導監督権限は確かに自治法に基づいて明記されております。だが、理事者側と住民、理事者側と労働団体との間にそれぞれ自主的に決定されたものあるいは協議して定立されたものに対して自治省は一体どの点まで踏み込めるか。それは、憲法上の例えば労働基本権の場合には生存権としての天賦の権利でありまして、これは決して権力をもって介入することはなりません。そういう点では、先ほど公務員部長なんかちょっと生意気な言い方をしておられるのですけれども、一体どこまで皆さん方が踏み込める限界と心得ておられるか、この点をしかと承りたい。といいますのは、そこまで皆さんが画一的に規制されるということになりますと、後ほど聞きますが、地方自治のいわゆる特色ある団体運営というのは全部消えてしまう。
 以上、私は自治大臣の基本的な行政姿勢につきましてまずお聞きしたいと思います。

発言情報

speech_id: 110104720X00319840301_022

発言者: 安田修三

speaker_id: 10683

日付: 1984-03-01

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会