前田寿夫の発言 (外交・総合安全保障に関する調査特別委員会)
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○参考人(前田寿夫君) 私は何もしなくていいというふうには申し上げません。私は現在以上に防衛力を増強する必要はない、少なくとも現状程度あるいはそれより若干下回る程度の防衛力でよろしい、こういうことを言っておるわけであります。
今、北方領土、竹島あるいは尖閣の問題がお話にございました。北方領土の問題は御承知のようにこれはソ連が占領しておりますが、我々はこれを軍事力でもって取り返そうというようなことは毛頭考えておりません。あくまでも外交的に平和的な話し合いのうちに北方領土を返してもらおうと、こういうことを念願しているだけのことであります。
竹島にいたしましても、韓国はあそこに監視兵を上陸させたり、あるいは若干の人間を住まわしているようでございますけれども、しかしこれについても我々は決して軍事力で取り返そうというようなことは考えておらない。しかも、竹島という問題がありながら日韓関係は御承知のように発展をしております。また、尖閣列島につきましては一九七八年だったと思いますが、中国の漁船が押し寄せまして釣魚台は我々の島、領土だということで盛んに騒ぎ回りましたが、しかしながらこれは鄧小平氏の言うとおりに日中間のささいな問題であります。彼は、尖閣の問題は次の世代に、より賢明な次の世代に問題の解決をゆだねようと、こういう態度であります。しかも、今日中国は近代化のために日本の経済的協力を非常に必要としておる、このような状況において尖閣のような問題で日中関係を悪化させるというようなことは考えられません。したがいまして、以上申し上げましなどの戦後残された問題にいたしましても、日本にとって軍事的な争点になるおそれは全くないというふうに私は思うものであります。
それからまた、西欧あるいはアメリカの人たちが、日本は必要な防衛さえもしないで自分の国の安全を他国に任せて、そして経済発展にばかり熱心だというような非難をされるそうでありますけれども、それは日本人自身があるいは日本政府自身が、日米安保がなければ日本の安全は保たれない、あるいは戦後日本が平和でこられたのは日米安保のおかげだというようなことを公言している以上西欧の人たちがそう思うのは当然であります。決してこれは西欧の人たちの発明ではなくて日本人自身がそういうふうに言っているわけであります。私は日本人自身がそのような卑屈な態度をとる必要は全くない、日本政府が日米安保のおかげだなどということを持って回るからアメリカから圧力を受けるんだと、こういう考えてあります。日本は日本の基本的な事情、基礎的な事情というものを西欧に対してもアメリカに対してもはっきりと説明すべきである、そのように私は考えております。
失礼しました。