田久保忠衛の発言 (安全保障特別委員会)

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○田久保参考人 二つございまして、第一点、米ソ絡みの核戦争が起こり得るか。これは非常に起こりにくいだろう、可能性は非常に小さいだろうと思います。ただいま青木先生のおっしゃったとおりだと私は思うのであります。その場合に、今の米ソの核がバランスしている、このバランスを崩すようなことはまずい、軍縮も相互にレベルを下げていく、片方だけを下げるのではなくて、両方バランスのとれた下げ方をしないといけないのではないかと思います。
 青木先生のおっしゃったもう一つの点なのでございますけれども、アメリカが非常に使いにくいというのは、民主主義国家と共産主義国家、全体主義国家の違いというものがあると思うのであります。アメリカが何かやろうとしても、フリープレス、自由な新聞、その他世論が見張っていて、例えば反核運動、実は非常におもしろいあれがあったのですけれども、後で申し上げます。
 今フランスでベストセラーズになっているのですが、これは英語にも訳されているジャン・フランソワ・レベルという政治評論家が書いた「民主主義はいかに消滅するか」という題の水なのですけれども、民主主義国家においては反核運動というものは非常に英雄視されて、こっちの方が声が大きく聞こえる。民主主義国家というのは、民主主義国家そのものを否定する勢力に関しても寛大である、したがって民主主義そのものを否定しようという勢力が行動に及ばない限りはこれを認めているわけでありますから大変不利な状態にあるのではないか。そういう意味から私は、民主主義国家と全体主義国家を比べますと、民主主義国家というのはかなり弱い点があるのではないか、核の問題もそこから現実的によく考えていかなければいけないのじゃないかなという気がいたします。
 二番目の米ソ絡みではない問題でございますけれども、さっきちょっと申し上げようと思ったのですが、去年の二月十四日アンドロポフ元書記長の葬儀のときにチェルネンコ前書記長がブッシュ副大統領に会ったときに、三十分会談したのでありますが、二点提案しているわけであります。
 そのうちの一点は、米ソ以外の国、例えばイスラエル、南アフリカ、パキスタン、ブラジル、アルゼンチン、具体的にこういった名前は挙げなかったようでありますが、この辺に核が拡散した場合に米ソがよく目配りをしなければならぬ、ここのところを非常に強調したようであります。中国が核戦争を求めているなどということは考えられないのですけれども、パキスタンが中国からノーハウをもらって核の開発に努めようとしていることは周知の事実であります。こういうところから、米ソのコントロールがきかないところでひょっとしたらひょっとした戦争が起こるのではないか、この懸念を私は非常に強く持っております。

発言情報

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発言者: 田久保忠衛

speaker_id: 4757

日付: 1985-03-27

院: 衆議院

会議名: 安全保障特別委員会