青木日出雄の発言 (安全保障特別委員会)

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○青木参考人 まず、核戦争におけるC3I等の措置を重視する問題なのでありますが、これがはっきりした形であらわれましたのはレーガン大統領が大統領になりまして次の年、ですから八一年の国防報告に伴う演説であります。そのときから出てきたのですが、アメリカにいたしますと、あれだけの核装備を持ち、それから核戦略というのはアメリカの基本戦略でございますから、これがつかまれない形で維持をするということではできなかったろうと思う。ですから、実際に核戦争が行われた場合にアメリカで一番弱みがあるのは核爆発に伴うC3Iの途絶であるということで新しい防護措置等を進めることにいたしまして、それから戦略空軍の通信装置とかB52の通信装置とか、これについての核防護システムの予算をつけ始めたわけであります。ですから、アメリカにすれば核戦争が行われないという前提でやっているのではない、行われることがあるという前提でやっているということが事実だろうと思います。
 その次はSDIの問題で、先ほどの上田先生からの御質問にも関連するのですが、SDIは私どもが問題にし始めたのは一九八三年からだったのですが、これはちょっと言い方として極端に走るかもしれませんが、我々が当時から非常に疑問に思っていたことに日米の軍事技術協力の問題があったわけです。どうしてあの時期に軍事技術協力を言い出し、それからその後の日米間の話し合いを見ましてもさっぱり品目がはっきりしない。どちらかというと我々は民生用、一般用として開発をした技術について向こう側は言い出しているのではないかという疑問を持ちました。あの段階では実際に協力できるものがあるのだろうかという疑問があったわけです。ただ、先ほどから申し上げておりますように、今のSDIの基礎技術につきましてはずっと開発が行われておりまして、アメリカで、まだそのときはSDIではなくてBMDという名前をつけておりましたけれども、三軍を統合してこれの研究開発をやる予算がついたのが一九八四年予算からであります。ですから、この予算審議をやったのは八三年であります。ちょうどそのころに出たものではないかと思う。といいますのは、ことしの一月にレーガン・中曽根会談があった直後に、アメリカのSDIの開発担当者から日本に協力してもらいたい技術ということでぼろっと出たのがガリウム砒素と光通信だったわけです。どういうわけでこのときにもう一つ日本に要請してくるであろうマイクロ波の問題が抜けたのかなという疑問はございますが、とにかく例示として挙げましたのがガリウム砒素と光通信だった。先ほど田久保先生も言われましたように、実はこれらに関する高度技術がヨーロッパにはそれほどない。日本とアメリカにはいろいろな技術がありまして、その中で日本とアメリカで開発をしている技術で随分違っているものがある。その中でも大きく違っておりますのが光通信の技術ともう一つがスーパーコンピューターに関連をするガリウム砒素素子、それからジョセフソン接合素子、この二つについては日本が今トップレベルなのです。前から言ってきた防衛技術協力の中にやはりその項目があり、アメリカから調査団が来たときもその関連施設を見ておりますので。そうしますと、今までアメリカが開発してきたもので、開発を進めている段階で日本とアメリカで非常に技術的に相違があり、日本から欲しいという技術がある意味ではSDIに関連のあった技術だった。といいますのは、ガリウム砒素素子というのはほかの面にも随分使われるのですけれども、一番大きいのは、計算速度が速くて核爆発にも耐えられるということでこのあたりが一番ねらわれやすいわけです。御存じのようにガリウム砒素の結晶をつくる技術、その生産量も現在世界のシェアの六〇%は日本が占めておりますので{一番欲しい。それから同じガリウム砒素素子を使う技術も現在日本が世界一であります。ですから、そういう関連で言っているのじゃないかと思います。
 それから、どちらかと言えば一九九〇年代になって本当にSDIができるのかどうかわからないけれども、今基礎研究をやっておく、研究開発をやっておくというのは、それによっていろいろな利益ができるからだ。極端な言い方をしますと、アメリカの中で先端産業をやっているメーカーが日本との競争力をこれでまた押し上げることができるというようなある意味での下心があるのではないか。といいますのは、昨年参りましたアメリカからの防衛技術協力に関する調査団もヒューズの副社長が団長であります。ヒューズ社は御存じのようにアメリカでは軍事技術のトップメーカーであります。その中で、ヒューズ社でも足りなくて欲しいと言っているのが日本のスーパーコンピューターに関連する技術だったということから言うと、そのあたりにも関連があるのではないかと思います。
 それから、最後に核兵器かどうかの問題なんですが、それは、ヘリテージ財団から出ている「ハイフロンティア」でも推奨している兵器はKEW(運動エネルギー兵器)と言います高速射出体、レールガンと我々呼んでいますが、これは非核兵器です。爆発力もない、衝突で壊すというような兵器だ。もう一つ、今度はDEWという指向性エネルギー兵器というのがありますが、これがレーザーとか中性子とかを使うものなのです。八四年予算からアメリカでは予算配分をしておりますが、八四年、八五年と続きましておのおのの技術についてほとんど同じような金額の割り当てをしております。ただ、その中でも一番金額が大きいのがエックス線レーザーの兵器についてです。それから八三年に先ほどのフュージョン・エネルギー財団から出ました「ビームディフェンス」でも、これははっきりエックス線レーザーが究極のビーム兵器であって、これをやらなければいけないという書き方をしています。
 それから、レーガンが諮問委員会をつくりましてそれに諮問した結果では、二つの答えが出ました。一つの委員会ではエックス線レーザーを最良というふうに出しております。もう一つの委員会は、これはワインバーガー国防長官が議長になりました政府の各局間委員会というものですね。こちらの方はエックス線レーザーを抜いております。抜いたというのは、エックス線レーザーが一番効果があることはわかっておりますけれども、これを励起いたしますのは水爆しかございません。そういたしますと、エックス線レーザーは重量は非常に小さいものですから衛星搭載で回すことができるんですが、最小限度四十三個と言っておりますので、四十三個の水爆を地球の軌道に回すとすればやはり核兵器と認めざるを得ないだろうし、そうすると現在の宇宙天体条約にはっきりひっかかる、とするとだめだという、その配慮で各局間委員会では落としたんではないかと思うのです。
 ただ、先ほども申し上げましたように、現在でも予算はほとんど均等に配分されておりますけれども、その中でも多いのはエックス線レーザーの開発についてであります。それから、その中でも幾らか少ないのは中性子のビーム兵器でありまして、これは今までの開発の結果で収束するのは難しい。ですから、あるいは数年中に開発の目標がら除かれるのではないかと思います。ただ、今はわかりません。化学レーザー、それから中性子等の粒子兵器、パーティクルウエポン、それとエックス線レーザーと三つ並んでいて、そのうちのエックス線レーザーははっきり核兵器と認めるしかないだろうというのが現状であります。

発言情報

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発言者: 青木日出雄

speaker_id: 7102

日付: 1985-03-27

院: 衆議院

会議名: 安全保障特別委員会