田久保忠衛の発言 (安全保障特別委員会)

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○田久保参考人 二つばかり申し上げたいと思います。
 私は科学技術の知識は非常に乏しゅうございましてお恥ずかしい次第でありますが、まず最初の日米の科学技術の協力でありますけれども、これは内容が今のところ漠としてわからないものではないか、である以上、日本としても欧米、特に欧州諸国の動向を見守る必要があるのではないかと思います。
 そこで、まず私が気になりますのは西ドイツであります。今のコール政権のもとに、実は去年の九月でございますが、総理府、恐らく首相直属だと思うのでありますが、ここにSDI関係の機関ができた。しっかりした機関ができまして、科学者、物理学者、それから戦略家、政治学者、その他たくさんまじっているわけでありますが、本格的な研究機関が政府として確立した。こういう機関をつくって日本もしっかりした検討を進めるべきではないか、こう思うわけであります。
 もう一つ、二月のミュンヘンの会議でございますが、コール首相がSDI関係についてアメリカとの共同研究に西ドイツは参加したい、こう言ったわけであります。ところが、相前後するのでありますが、リチャード・バート国務省国務次官補はほかの会議でこの発言に関連して、これは大いに結構だ、しかしこれをやっているうちに情報がソ連に漏れるおそれがあるというようなことをちょっと言ったわけであります。実際に共同研究に参加しても情報が漏れるかどうか、ここのところが非常に問題になってくるのではないかな、私は問題点として申し上げたいわけであります。ただ、科学技術の進歩でありますけれども、人類発生以来科学の進歩をとめられた例があるかどうか、私は大変疑問だと思うのであります。そこで、二十一世紀、これは単なる一視点から見るのではなくて、二十一世紀の大きな科学の進歩に我が国みずから鎖国をする必要はないのではないかなというふうに私は考えております。これが第一点であります。
 第二点、SDIが核兵器かどうか、これが米ソ交渉で問題になるのではないか、どういうふうに位置づけたらよろしいかという先生の御質問であります。
 青木先生がおっしゃったとおりと思われますが、私はこの交渉で問題になるのは、核兵器か核兵器でないかということではなくて、研究段階でこれを認めるかどうか。今アメリカ側はあくまでも研究、それ以上の何物でもないという言い方をしているわけであります。研究段階で、これが開発の段階になる。開発ができますと今度は展開になる。この真ん中の開発のところがアメリカもソ連側もイギリスを先頭にした欧州も何となくぼやけていて、研究と展開、ここのところが問題になっているようでありますが、開発の部分がむしろジュネーブ交渉では米ソ間で大きな問題になってくるのではないかなと思うのであります。研究に関しましてはソ連ももうやっているわけでありまして、どっち側も懐の中を見るわけにいかないけれども、検証不能でありますから、ただソ連側が一切研究をやっていなくてアメリカの研究だけを非難しているというふうには信じがたいというふうに思っております。したがって、ジュネーブの交渉の焦点は、核兵器かどうかという定義もさることながら、研究を一歩進めるのかどうか、その次の段階が米ソ間で大きな問題になるのじゃないかというふうに理解しております。

発言情報

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発言者: 田久保忠衛

speaker_id: 4757

日付: 1985-03-27

院: 衆議院

会議名: 安全保障特別委員会