青木日出雄の発言 (安全保障特別委員会)
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○青木参考人 まず核兵器の検証の問題でございますが、現在検証可能なのは前のSALTの、米ソ間の核兵器制限交渉以来の戦略核兵器の検証でございます。戦略核兵器の検証につきましては、条約条文上は技術的手段とだけ書いてありますが、技術的手段というのは両者の偵察衛星であります。ここの話し合いでまとまっておりますのは、両方とも今までの戦略核兵器はサイロに収納してあるので、あるいは潜水艦に搭載してあるので、サイロの数を数えることと潜水艦の数を数えること、ここまでは偵察衛星で可能なわけでございます。ただ、逆に最近それが問題になってまいりましたのは、移動可能なミサイルをどう数えるか。実は数える手段がないわけですよね。その辺で問題になっているのですが、とにかく今までの検証というのはそれだった。次が両者の行います、今地下核実験しか認めてませんが、地下核実験の回数であります。これによってどれぐらいのものを開発しているかが大体わかってくるということで、この二つしか検証――これは地震の測定器のようなものを使いまして地中波を測定することによって地下核実験を探知できるということ、この二点であります。それで、私どももこういういろいろな数字を書いたりしておりますが、一番やっておりますのがスウェーデンのSIPRI研究所でございまして、ここでやっております核兵器の推定というのは核兵器の材料の使用量からの推定であります。特にその中で核兵器の材料になるウラニウムやプルトニウムではございませんで、これの発火、着火に使うためのものでございます。これの使用量の推定によりまして核兵器の毎年の生産量を出すというようなことで推定しております。ただ、これは検証の方法がないのでそういう希少金属がどれぐらい移動しているかということで見るしかないというような現状でございます。
それから二番目は、米ソの首脳会談ですね。実はジュネーブの会談にも非常に関係すると思うのですが、現在ソ連側が言っているジュネーブ会談の会期は八週であります。主要な会談は一週二回、今度は第三部会が始まりますので少し変わりますが、少なくとも戦略兵器に関する会談は一週二回でありますから、八週間で十六回、従来の交渉の経緯を見ますと、INF交渉にしろ前のSALTⅡの交渉にしろ非常に時間はかかっておりますが、第一会期の末に両方から提案を出し終わりまして、そこで第一会期が終わって休会になって、両方の代表がそれを持ち帰って、そこで、合意するものは合意する、話がまとまらないものはどうするかとも決めております。有名なジュネーブの森の中の合意というものがINF交渉でございますが、これもやはり第一会期から第二会期に入るときであります。ですから、今までの交渉は非常に長くかかっているように見えますけれども、割に大事なところは第一会期で提案は終わっておる。第二会期で両方がそれをどうするかという案を出し尽くし終わっておる。そうしますと、第一会期から後ろに休みがありまして第二会期が同じぐらいにあるとしますと、ことしの夏か秋には大体出尽くしているということです。そうしますと、やはりことしの九月ごろに、秋の国連総会というものが非常にいい機会でございまして、もしこれにソ連の共産党書記長が出席をいたしますと、そこで、はっきり話し合う材料はございますので、これは首脳会談になる可能性は非常に高いと思うのです。もしそれが行われますと、最終的な妥結はできるかどうかはわかりません、まだ手続上の問題は非常にいっぱいございますから妥結はできるかどうかわからないけれども、戦略兵器とか欧州の核戦力の問題についてはほぼ見通しが決まってしまうというふうに私は考えております。