青木日出雄の発言 (安全保障特別委員会)
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○青木参考人 最近言われるようになったのですが、実際には米ソの対抗している場所は北極中心でありまして、両方とも、防衛網にしろ戦略ミサイルの攻撃基地にしろ北極を挟んでおります。ただ、従来幾らか違っておりましたのは、潜水艦発射の弾道ミサイルは北極を越えて飛ぶ能力がございませんでしたので、両方とも太平洋及び大西洋に展開していた。それが今また射程が延びてまいりましたので、北極中心あるいは北極に非常に近いところ、ソ連の場合はオホーツク海から、それからアメリカの場合にはワシントン州、一番北ですが、アメリカとカナダの国境になりますが、その付近の沿岸から発射できるようになった。それで全部の戦略体制が北極中心になったというのが現状でございます。
二番目のバランスの問題なんですが、正直に言いまして、現在アメリカもソ連も事戦略核兵器についてはオーバーをしておりまして、必要量をはるかに超えてしまっているのです。これは、両方が競争をやった結果そうなったと思うのですが、今の戦略核兵器で注目していいと思いますのは、ソ連の方でいいますと、SS13それからSS11の両ミサイルでございます。その中でも特にSS13に至っては、配置をしてから既に二十年近くになっておりますが、その間わずか六十基を配置をしただけで一回も交換をしていない。要するに、これはもう余っている兵器ということなんですね。アメリカでいいますと、ICBMですが、現在一千三十七基あったと思いますが、そのうちの一千基がミニットマンでございます。ミニットマンは、これはいろいろ経緯がございますけれども、ミニットマンのⅡ型四百五十基、Ⅲ型万百五十基というのはここ十年間がわっていないわけでございます。八三年に弾頭をかえた新しいⅢ型を配置いたしました。そのときに古いⅢ型、同じⅢ型同士で交換をいたしまして、前からあるミニットマンⅡ型、これはずっと古いわけでございますが、これの四百五十基には手をつけなかった。要するにこれもジュネーブの米ソ間交渉で――いずれにしろレベルが下がることはわかっておりますので、それの削りしろだと思うのでございます。両方ともそういう削りしろを既に準備をしておりますから、それが一番初めに申し上げたジュネーブ交渉で、戦略核兵器交渉というのはまとまる公算が非常に高いだろうというのはそのためであります。
こういう交渉、SALT、START、今度のジュネーブ交渉というふうに交渉が続いてまいりましたのも、両方ともあるバランスをとれる量というのは既に充足をいたしまして、その上の数というのは両方とも余った数だ、だから削減をする、縮小をするという交渉が成立しているのだというふうに考えます。