青木日出雄の発言 (安全保障特別委員会)
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○青木参考人 アメリカの核戦略と日本との関係なんでございますが、非核三原則を持っている日本にアメリカが核兵器を陸上配置あるいは陸上に配置をする航空機に積載しようとするかどうか、これについては今のところ何とも言えないわけで、ただアメリカ軍が今まで公表しております範囲では、極東におけるアメリカの核戦力は海上配置であるということを言っておりますので、核を積載している艦船についての取り扱いはどうかということと、陸上に配置をされるF16の取り扱いはどうかということでは幾らか相違があるのではないか。
それから、二番目は、これもまだはっきりした、公表されたことではございませんけれども、三沢にF16二個飛行隊参りますが、二個飛行隊のうちの二分の一個飛行隊を韓国の群山に移動させる、現在沖縄からF15の二分の一個飛行隊が韓国の鳥山に行っておりますが、それと同じ形でローテーションをさせて配置をするということを非公式にアメリカ軍側は言っております。そうしますと、三沢のF16というのは極東のアメリカの空軍戦略の一部として考える、そちらの方が強いのではないかと思うのです。ただ、場所が三沢でございますので、日本の中で、北海道を除きまして、本州から沿海州、それから南千島、樺太、この三沢の地域まで戦闘機が航続力を持てる限界は三沢であります。それよりも南側では戦闘機自体では航続力を持てない、そうすると、やはり北東アジアでのアメリカの戦力バランスを考えた配置というふうにも考えられるわけです。そのときの戦力バランスとなりますと、空軍の場合にはやはり核戦力が中心になりますので、そうすると三沢の陸上配置をしたものについても核を考える必要があるのかなという疑問も出てまいります。ただ、これについてはアメリカ側からは何の説明もない。
両者に関連をいたしまして、午前中にお話をしたときにちょっと落としてしまったのですが、いわゆる安全保障理事会決議の中にあります非核兵器国について定義がはっきりしないのです。一九六八年に安保理事会で決議をした当時、海上配置の核兵器というのもほとんど空母に限られていたのです。ですから、空母だけを問題にすればよかったわけです。現在のように潜水艦にも駆逐艦にも巡洋艦にもというふうに非常に核兵器の配置数がふえた場合に、拡散していった場合に、外国軍隊の艦船が入港することが核兵器の持ち込みに当たるかどうか。それが持ち込みに当たるとすれば、ある意味では非核兵器国の権利なわけですね。核攻撃を受けない、核脅迫を受けないというのは権利なんですが、それが守られるのかどうかが、今は当時の決議を見ただけでは何とも言えないわけでございます。
これは世界的にもいろいろな議論もございまして、ラテンアメリカのように非核地帯の条約がある場所は問題ないのですが、そのほかの場所では、例えばNATOの国の中でもデンマークとノルウェー、この二国は平時における外国軍隊の核兵器の持ち込み禁止であります。ですからアメリカも巡航ミサイルもこの二カ国には配置しようとしない。それから現在まで核を積載している艦船が入港しているという疑いを持たれたこともございません。それからANZUSの諸国、オーストラリア、ニュージーランドでは以前は核を陸上配置することだけを禁止していた、外国軍隊が陸上に配置することを禁止していたのです。根拠は、入港している艦船、特に当時は空母でしたから、空母が入港しているときはそこから飛行機が発進できませんので、核戦力を発揮することができない、だから問題ないんだというのが解釈だったわけです。それが現在のロンギ政権になりまして、今事情が変わってきて、例えば巡航ミサイルならば入港している艦船からも、発射することができる、そうしますと入港についても陸上配置と同様な核持ち込みになるということで入港も拒否をしたわけです。ですから、一番初めのもとは皆同じような考え方なんですが、現在の核兵器の配置とそれの状況に応じて各国の解釈がばらばらになってきたのです。
そこで、ことしは五年ごとの見直しの時期なんで、非核兵器国、これは日本も広島、長崎の災害だとか非核三原則だという考え方を全然抜きにいたしまして、現在の非核兵器国が安全保障理事会の決議と核防条約を誠実に履行するという点からも、非核兵器国というのは何で、それは艦船の入港も非核兵器国の権利を失うもとになるのかならないのかというものをはっきりすべきだ、そのあたりがないと、現在でも世界じゅうで揺れております核の持ち込みについての解釈が統一できないというふうに私は考えております。