山口敏夫の発言 (社会労働委員会)
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○山口国務大臣 ただいま議題となりました労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律案及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
最近における経済社会の進展を背景として、労働力の需要及び供給の両面において、多様かつ著しい変化が見られます。すなわち、労働力の需要側においては、マイクロエレクトロニクスを中心とする新たな技術革新の波が広範な分野に広がり、これに伴って、企業内においても、専門的な業務分野が増加しつつあります。一方、労働力の供給側においては、自分の希望する日時等に合わせて、専門的な知識、技術あるいは経験を生かして就業することを希望する労働者層が増加してきております。
このような変化が進行する中で、他の企業の仕事を請け負い、自己の雇用する労働者をその企業に派遣して就業させるといういわゆる人材派遣業が増加し、そこで就業する労働者数も相当な数になりつつあります。
ところで、これらの事業については、労働力の多様なニーズに対応した需給の結合を促進し、就業の機会を拡大する役割を果たしているところでありますが、一方では、労働者が派遣先の企業で就業する形態であることから、職業安定法第四十四条で禁止している労働者供給事業との関係で問題が生ずる場合もあるほか、労働者保護に関する労働基準法等の適用に関しても、現行法のもとでは適切に対処できないという問題もございます。
また、一方では、今後の労働力の需給の変化を展望した場合、増大する高齢者や女子労働者の雇用の安定を図り、技術革新の進展に伴う技能労働力を育成し、確保していくためには、我が国の雇用慣行や労働市場の状況との調和にも配慮しつつ、新たな観点から労働力需給調整システムの整備を図っていくことが必要となってきております。
このため、職業安定法第四十四条の精神を堅持しつつも、特定の業務分野については、労働者の保護と雇用の安定に配慮した上で、労働者派遣事業を制度化し、そのための法的整備を図ることが必要と考えます。
この問題に関しては、昭和五十二年以来広く関係者の意見を聞きつつ慎重な検討を続けてきたところでありますが、昨年十一月に、中央職業安定審議会の労働者派遣事業等小委員会より、労働者派遣事業の制度化とそのために必要な規制措置について報告が提出されたところであり、政府としては、この報告の趣旨に基づき、中央職業安定審議会等の関係審議会の審議を経て成案を取りまとめ、ここに二法案を提出した次第であります。
まず労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、この法律は、労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定と福祉の増進に資することを目的といたしております。
第二は、労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置であります。
その一として、労働者派遣事業を常用雇用労働者のみで行う特定労働者派遣事業といわゆる登録型等で労働者を派遣する一般労働者派遣事業に区分し、前者については届け出制、後者については許可制によることといたしております。
その二として、労働者派遣事業は、港湾運送業務、建設業務等を除き、専門的な知識、技術、経験を必要とする業務及び特別の雇用管理を必要とする業務のうち中央職業安定審議会の意見を聞いて政令で定める業務に限って行うことができることといたしております。
その三として、労働者派遣事業を行う者についての欠格事由等を定め、事業停止命令等の措置を講ずることといたしております。
第三は、派遣労働者の就業条件の整備等に関する措置であります。
その一として、労働者派遣契約に派遣労働者の具体的な就業条件を定めることとするとともに、正当な組合活動を行ったこと等を理由とする労働者派遣契約の解除を禁ずること等の措置を講ずることといたしております。
その二として、派遣元事業主に、派遣労働者の就業機会や教育訓練の機会の確保等のための努力、派遣労働者に対する就業条件の明示等適正な雇用管理を行わせることといたしております。
その三として、派遣先に、派遣労働者についての苦情の的確な処理等の努力を行わせるため、派遣先責任者を選任させる等適正な就業管理を行わせることといたしております。
その四として、労働基準法等の使用者責任を明確化することとし、派遣労働者については、基本的には派遣元の事業主が使用者としての責任を負うという原則を維持しつつ。派遣先でなければ履行の確保が困難な労働時間の管理、労働者の安全衛生の確保等の事項については、派遣先の事業主に使用者責任を負わせることといたしております。
その他この法律を施行するために必要な指導、改善命令、立入検査、報告の徴収等の権限及び罰則規定等を定めることといたしております。
次に、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の概要について御説明申し上げます。
この法律案は、ただいま御説明申し上げました労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律案の成立、施行に伴って必要とされる関係法律の整備のための規定及び経過措置を定めるほか、これにあわせて、最近の経済社会情勢の変化に対処して、民間の職業紹介事業、労働者募集及び労働組合が行う労働者供給事業につき、その労働力需給調整機能が効果的に発揮されるよう現行規制の簡素合理化等の改正を行うことといたしております。
以上、二法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。