永井孝信の発言 (社会労働委員会)
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○永井委員 今大臣が言われたように、今の雇用状態といいますか、雇用条件といいますか、終身雇用の考え方がかなり変わってきたという御指摘があるわけですが、ここはかなり論争があるところでございまして、終身雇用で雇用の安定を求めていくということから別の考え方に変わったということよりも、今の厳しい経済状況のもとで、企業の側が終身雇用を確保してくれなくなってきた。むしろ、そういう周囲の環境を問題にすべきであって、単に終身雇用に対する考え方が変わったという位置づけで問題をとらえるということは、若干問題があるような気がいたします。
きょうはもう時間が限られておりますので、これらの論争は後へ回しますけれども、そういうことだけ、まず申し上げておきたいと思うんです。
今回、内閣が提出しましたこの労働者派遣事業法なるもの、一九七八年の七月に行政管理庁の監察調査結果報告というものが出され、勧告が出されて以来、現在まで七年間の時間を経過いたしているわけですね。その七年間の経過をたどってみますと、最初に、職業安定局長の私的諮問機関の労働力需給システム研究会というものが発足させられた。そして、一九八〇年には、一定の提言を受けている。その後、労働者派遣事業問題調査会というものも設置をした。そして、それの中間報告を受けた。さらに労働大臣の私的諮問機関の労働基準法研究会、これが新メンバーで発足をし、そうして一九八三年には、労働者派遣事業問題調査会が活動を再開した、そういう経過がずっとあるわけですね。
この経過を詳しくはここで申し上げませんけれども、そういう七年間の間に、次から次へいろいろな諮問を繰り返していくという、いわばそれほどこの問題は複雑で難しい問題だったと見るべきだと思うんですね。それは戦後、民主主義という体制のもとで労働法の体系というものはつくられていった。そうして、そのつくられていった民主主義の根幹にかかわる問題だからだろう、私はこう思うわけですね。
ちなみに、労働省が昭和二十七年に職安法を改正したときに、その解説書として出しております「職業安定法と労働者供給事業」という解説書があります。この解説書の冒頭でも、労働者供給事業というものが、労働の中間搾取、強制労働等の弊害が伴いやすい、だから労働の民主化を妨げるものとして、職業安定法第四十四条において労働者供給事業を行うこと、あるいは労働者供給事業を行う者から供給される労働者を使用することについて原則的禁止を規定したんだというふうにここでもきちっと基本的なスタンスが明らかにされているわけですね。
その一方で、現実に派遣的形態の労働がどんどんふえてきて、労働者派遣的形態の企業が年ごとにこれまた増加してきている。そういうことになりますと、現実に、労働大臣が今冒頭に私の質問に答えて、大臣としての仕事に対する、任務に対する構えを言っていただいたわけでありますが、労働者の保護や権利保障が現実に今そういう面では侵されていると言って過言ではないと思うのですね。だから、何らかの規制措置というものは私も必要だと思います。何らかの規制措置は必要だと思いますが、今存在する職安法、労働基準法、労働安全衛生法、幾つかの労働関係法、こういう現行法でこの現実になぜ対処できないのか、これをひとつ大臣申しわけないのですけれども、時間がずっと来てしまいますので簡潔にお答えいただけますか。