多賀谷真稔の発言 (社会労働委員会)
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○多賀谷委員 どうも失礼しましたが、労働省からなかなか資料をよこさないんです、これは。ところが、もとはパンフレットを毎年出しておったんですよ、下請企業の災害率の小さなパンフレット。要するに下請企業の災害率とか言っているのじゃなくて、安全衛生のしおりというのを出しておった。それにずっと下請の災害率が書いてあったんですよ。近ごろはさっぱり出さないんだよ。それで統計を持ってこい、こう言いましたら、いや、そんなのはありませんと言うから、ないことはない、今までずっと毎年データが出ておったじゃないかということを言いましたら、やっと持ってきていただいたわけです。
例えば昭和五十八年度ですが、造船業について見ると、親企業と下請とを分けている。親企業は六十九事業場、下請は千六百六十八事業場。そうして度数率は、親は二・八七、これに対して下請は六・九三ですよ。それからさらに強度率は、親は〇・三〇に対して下請は〇・七〇です。化学工業も鉄鋼業もありますけれども、もう時間もありませんから申し上げませんが、上から順番に読んだのですけれどもこういう状態です。
要するに、下請は二倍ないし三倍危ないところにいるんですよ。賃金は、ボーナスを入れると大体七割くらいですよ。仕事は、塗装であるとか末端の組み立てであるとか、大体同じような仕事をしている。山口さんは教育問題に熱心でしたけれども、日本の学歴社会というのもこういうところにもあるんですよ。ただ学校だけの問題じゃないんです。下請だってやはり大学の卒業生を入れているんですよ。本工員と下請の労働者がこれだけ差があるのです。ですから、こういういびつな形をそのまま存続きすわけにいかない。
そこで、危ないところは下請に、親組合の組合大会でそういうことを言っている。あそこは危ないじゃないかという質問に対して、書記長が、いや、そういうところは今度は下請に出すように相談したりしていると言っている。ある製鉄所で炉から出た何千度の鉄の湯を動かした、ちょっと傾いたので下で修理しておる者は全部死んだ。そこで、その工場に私が行って、これは大変なことでしたと言ったら、しんとしてだれも何の葬式をする慌てるような風がない。葬式は一体どこでやっているんだと言ったら、いや産炭地の炭鉱ですよ、こう言っている。炭鉱から行った連中はみんな下請に行って、そうして犠牲を負うているわけですよ。昔は炭鉱なんかには組夫というのはいなかったですよ、昭和三十五、六年までは。ところが、今日、災害が起こると必ず組夫が出るでしょう。こういう状態を日本の雇用構造というのはつくっておるわけです。
そこで、法務省も来ておると思うのですけれども、今日、一体請負というのが、これは施行規則の四条で、とにかく作業に従事する労働者を指揮監督するものでなければならぬとある。そういうことでありますが、現実に派遣事業と言っても派遣先では派遣元の事業主は指揮監督していない。ですから、この状態が今日派遣事業と言われるものですよ。一体、なぜこれが取り締まれぬのか、今日まで放置しておったのはどういう理由であるか、どちらでもいいですけれども、これをひとつお聞かせ願いたい。