小花弘路の発言 (商工委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○小花説明員 お答え申し上げます。
今先生御指摘のとおり、工業所有権制度に関する重要な国際条約としてパリ条約とPCTという条約の二つがございます。それで、パリ条約は御指摘のとおり一八八三年に締結されました条約でございますが、これは世界じゅうの国民がそれぞれの国に出願ができる、他の国で特許が取れるという、まず特許というのが普通は自国にのみ取れるというのが大原則であったのを、世界じゅうどの国でも特許が取れる、お互いに特許が取れるという内外人平等ということを原則として発足した条約でございます。したがいまして、パリ条約のもとでは、出願人の方は特許を取りたい国それぞれに全部出願をしなければならないというのが大原則になっております。そのために、その便宜を図るために、先ほど志賀長官から御説明申し上げましたように、第一国に出してから一定期間の間に出せばその出願日を認めてくれるというふうな便宜的な制度がつくられてはおりますけれども、必ずしも外国で特許を取るのに十分な状況ではなかったわけでございます。その辺を改善しようという機運が高まりました。それは、技術が重要視されるにつれて、世界じゅうでお互いに特許を取りたい、技術の交流を図りたいという技術志向の結果と理解されるわけでございますが、それが一九七〇年にワシントンでPCTという形で締約されたわけでございます。
このPCTによりますと、先ほど長官から御説明申し上げましたように、出願の方式を統一しまして、一国にその国際条約に基づく出願をすると、その出願をもって各国に出願したと同じ効果が生ずる、一国に出願をすれば自分が欲しい国に出願したと同じ効果が生ずる、それでその後にいろいろな必要な手続をとればよい、例えば二十カ月以内に翻訳文を提出したりする、そういうことが可能になったわけでございます。
一方、先ほど先生御指摘の二重ではないかという点に関しましては、方式を統一して、一定の方式でどこへも出せるというメリットのほかに、先ほど御説明申し上げましたように、国際調査という先行技術の調査をこの条約のもとでは行うことになっております。その先行技術の調査が行われますと、出願人はそれを見て自分の出願が特許になるかならないかある程度判断することができます。したがいまして、さらに手続を継続するかどうかという点で経費の節減その他が図れるというメリットが一つございます。
それからもう一方、審査をする各国の特許庁にとりましては、先行技術の文献がついた形で各国に出願がされたと同じことになりますので、重複して審査をするというロードが軽減されるというメリットがございます。
そういう点で必ずしも二重構造ではないわけでございますけれども、確かに工業所有権という重大な権利を設定するために非常に慎重な手続が決められておるので、やや手続的に面倒くさいという問題がないわけでないので、今後こういう点の改善を図っていく方向で現在改正を考えておるわけでございます。
以上でございます。