商工委員会

1985-05-15 衆議院 全124発言

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会議録情報#0
昭和六十年五月十五日(水曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 城地 豊司君 理事 長田 武士君
      甘利  明君    尾身 幸次君
      奥田 敬和君    奥田 幹生君
      加藤 卓二君    梶山 静六君
      高村 正彦君    佐藤 信二君
      椎名 素夫君    仲村 正治君
      野田  毅君    原田昇左右君
      水野  清君    奥野 一雄君
      上坂  昇君    水田  稔君
      横江 金夫君    和田 貞夫君
      渡辺 嘉藏君    草野  威君
      西中  清君    福岡 康夫君
      青山  丘君    横手 文雄君
      工藤  晃君    野間 友一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  村田敬次郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局経済部長 厚谷 襄児君
        通商産業政務次
        官       与謝野 馨君
        通商産業省立地
        公害局長    平河喜美男君
        特許庁長官   志賀  学君
        特許庁特許技監 梅田  勝君
        特許庁総務部長 小川 邦夫君
        特許庁審査第一
        部長      廣重 博一君
 委員外の出席者
        特許庁審判部長 小花 弘路君
        商工委員会調査
        室長      朴木  正君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四六号)(参議院送付)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部
 の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承
 認第三号)
     ————◇—————
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粕谷茂#1
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 参議院送付、内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案並びに内閣提出、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲村正治君。
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仲村正治#2
○仲村委員 今回の特許法等の一部を改正する法律案は、昨年二月、特許協力条約いわゆるPCTの条約及び規則が改正されたことに伴う国内法の整備を図るためとされております。我が国においては、ことしは工業所有権制度いわゆる特許制度が明治十八年に制定されてから百年という記念すべき年でありますが、私はこの記念すべき年における法律改正に当たって質問に立つことができまして、まことに光栄であります。
 そして、この百年間の我が国の産業経済の目覚ましい発展を考えるとき、もちろんそのためには外国からの技術導入も少なくありませんが、国内においても、新技術発明や技術革新に対する政府の施策や国民の積極的な研究、そしてその意欲の成果が今日の先進工業国としての地位を築き上げたものだと考えるとき、今回の法律改正も、特許制度百年の歴史的節目として技術革新や新技術発明に対する国民の意欲と認識をさらに高めるよい機会であると考えるものでございます。私は、政府としてもこれを契機として、通産省や特許庁が国民の技術革新、研究、発明の意欲を促す一大キャンペーン等を行われるべきではなかろうかと思うのであります。
 もちろん、四月十八日に国立劇場において、天皇陛下の御臨席のもとに工業所有権制度百周年記念式典も行われ、私も出席いたしましたが、これと並行して、さきに申し上げましたような記念事業等が計画されているのかどうかという点について、まずお尋ねをするものでございます。
 私は、特に技術革新や発明を奨励する上で、まず通産大臣並びに特許庁長官の御所見や抱負をお伺いしたいと思うのであります。
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村田敬次郎#3
○村田国務大臣 仲村委員にお答えを申し上げます。
 今、委員の御指摘になられましたように、ことしの四月十八日で我が国の工業所有権制度が百周年を迎えたわけでございまして、この間、工業所有権制度は首尾一貫して我が国の技術導入及び自主技術開発を基盤として支え、我が国の経済社会の発展に貢献してまいったところであります。
 しかしながら、今や御指摘のとおり工業所有権制度は一つの転換期を迎えているものと考えられます。すなわち、近特技術開発は高度化、複雑化いたしまして、ますます重要性を増しております。また、先端技術を初め国際的な技術交流が一段と活発化しつつありまして、これに対し工業所有権行政をいかに適合させ、技術立国としての我が国の立場を確保していくかという課題があると考えます。
 今回のこの法律改正は、こうした認識の上に立ちまして、当面の諸課題に対応して制度の改善を図るということを目的として御提案申し上げた次第でございます。今後とも、二十一世紀に向けて工業所有権制度の基盤整備に向け努力してまいる所存でございます。
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志賀学#4
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 お答え申し上げる前に、仲村委員が四月十八日の式典にお忙しいところを御出席いただきましたことを厚く御礼を申し上げたいと存じます。
 おかげをもちまして、四月十八日に天皇陛下の御臨席をいただき、また中曽根総理、両院議長、最高裁判所長官、それぞれお出ましいただきまして式典を行うことができました。
 私ども、この式典のほかに百年史の編集であるとか作成であるとか、小中学生を対象とする作文コンクール、パンフレットの作成あるいは一般の方たちを対象とする特許についての啓蒙書の出版、いろいろな事業を行ったわけでございまして、この百周年を一つの大きな契機として、国民の皆様方に工業所有権制度の重要性について御認識をいただく上において大きな役割を果たし得たと思っております。特に海外からいろいろな方がおいでになったわけでありますけれども、日本の場合に、先ほど申し上げましたように天皇陛下の御臨席、それから三権の長がそれぞれ出られたということについて大変深い感銘を受けて帰っていったと思っております。
 そこで、先生お話がございましたように、明治十八年以来、日本の特許制度、工業所有権制度が日本の産業経済の発展の上に大きな役割を果たしてきたわけでありますけれども、これからの日本の将来を見渡してみますと、技術の重要性というのがますます深まっているわけであります。そういうことから申しまして、技術開発を円滑に実施していただく上において工業所有権制度の重要性というのは、権利保護の上において、あるいは技術関係の情報を提供していく上において大きな意義を持つと思っているわけでございます。私ども、そういった点においてできるだけ工業所有権制度の権利付与を円滑に行っていくべく、大臣からも申し上げましたようにペーパーレス計画の実現であるとか等々のいろいろな対策を講じていかなければいけないと思っておりますし、あるいは国際的ないろいろな要請がございます。そういった国際的な要請にも積極的にこたえていかなければいけないと思っているわけでございます。
 従来とかく特許庁は登録官庁としての性格が非常に強かったわけでありますけれども、さまざまな政策的な要請に積極的にこたえていくような、そういう特許庁にしてまいりたいと私は思っているわけでございます。
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仲村正治#5
○仲村委員 今まさに大臣からお言葉がありましたように、二十一世紀に向けて技術革新の一層の強化を図っていかなければならない、こういうことでございましたけれども、私たちは何かにつけて二十一世紀に向けての心構えを新たにする、こういうことでございますけれども、私は、工業立国としての我が国の立場から一層その思想を高めていくということが一番大事である、こういうふうに考えているわけでございます。
 今回の法律改正は、一つには、国際出願制度の利用拡大と技術開発を図るために出願手続の改善、つまり簡素化であり、二つには、特許出願等に関して優先権制度を導入すること、また三つには、国際出願について特許庁以外の他の国際調査機関等による国際調査等を受けられる制度を採用するものとされておりますが、改正後の国際出願制度を利用せんとする場合の利点というものは何なのか、また、国内法で優先権制度を取り入れられたことや、その他改正の内容についていま一度御説明をいただければ幸いと思います。
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志賀学#6
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 改正内容等についてお答えを申し上げます前に、PCTについて若干御説明をまず申し上げさせていただきたいと思います。
 PCTと申しますのは、一九七〇年にワシントンで作成されました特許協力条約のことでございまして、一九七八年に日本はこの条約に加盟をしているわけでございます。日本について効力が発生をしているわけでございます。
 PCT条約と申しますのは、一言で申しますと、統一的な手続によりまして多数の国々の特許を得やすくしていこう、こういう考え方のもとにできた条約でございます。従来から、そのPCTができる前からパリ条約がございまして、パリ条約において優先権制度というのがございました。例えば、日本の企業が日本の特許庁に出願をいたします。同時にアメリカの特許も欲しいという場合にアメリカに対しても出願をするわけでありますけれども、そのときに、まず日本の特許庁に出願した出願、それを基礎にいたしまして、アメリカの特許庁に優先権づきで出願ができるということでございます。
 ただ、その場合に、日本の特許庁に出願してから一年以内にアメリカの特許庁に出願しなければいけないという形になるわけであります。そういうバリ条約に基づく優先権制度がございまして、それによりまして外国の特許も取れるように、そういう国際的な手当てがされているわけでありますけれども、ただ、それだけでは必ずしも十分ではない、もっと外国の特許も取りやすくしていこう、こういう趣旨からPCT条約ができたわけでございます。
 PCT条約の場合には、例えば日本の特許庁に日本の企業が国際出願をいたします。それは日本語でいたします。そういう国際出願が行われますと、その後二十カ月以内に、例えばアメリカの特許あるいはヨーロッパ特許庁の特許というものが欲しいということになりますと、日本の特許庁に出願する際にそういった国の特許も欲しいというふうに指定をするわけでありますけれども、その指定国に対して二十カ月以内にそれぞれの国の言葉で出願をする、翻訳文を提出すればいい、こういうことになっているわけでありまして、そこのところでまず、パリ条約の場合には十二カ月の猶予期間しかなかったわけでありますけれども、PCT条約の場合には二十カ月の猶予期間があるということで、かなり有利になるわけであります。
 同時に、PCT出願の場合には、日本の特許庁が受け付けたものにつきまして、従来は日本の特許庁が先行技術があるかどうかという国際調査というものをいたします。その国際調査の結果を出願人に対して渡しますし、あるいは先ほど申し上げました指定国にも国際調査の結果を回付するわけでありますけれども、そういうことによりまして、出願人はそういう国際調査の結果を踏まえまして、そういうことであればさらに手続を進めていくのは意味がないということでやめるとか、手続の進行を打ち切るとか、あるいは手続が進んでいった場合に、ほかの指定国の特許庁が日本の特許庁がいたしました国際調査の結果を利用できるとか、そういった利便があるわけでございます。
 さらに出願人が希望する場合には、国際予備審査というものも要求できるということになっております。国際予備審査と申しますのは、特許性があるかどうかということについての極めてラフな審査であります。
 国際予備審査が行われますと、その結果についても出願人に送付されますし、各国の特許庁にも送付されるわけでありまして、そこでももう一度出願人は判断をする機会が得られるわけであります。
 そういうことで、PCT条約の場合にはパリ条約と違いまして、先ほど申し上げましたように翻訳文の提出の猶予期間というのがかなり長いということ、さらに手続の過程でいろいろな国際調査あるいは国際予備審査というものを利用することによってむだな手続の進行をやらないで済むというような、そういう利便があるわけでございます。
 そういうことで、このPCT条約は国際的な特許の取得ということについて大きな意義があるというふうに思っておるわけでありますけれども、ただ何分ややその手続が複雑でございます。そういうことから、昨年の二月にこの特許協力条約につきまして幾つかの点について手続の簡素化が行われたわけでございます。
 例えば願書の翻訳文の提出につきまして、先ほど二十カ月ということを申し上げたわけでありますけれども、例外的にそれよりも短い場合があったわけでありますけれども、そういった例外はやめてしまう、一律に二十カ月にしてしまうとか、あるいは翻訳文の提出の場合に、願書といったようなごく簡単なものについては翻訳文の提出をしなくてもいいとか、幾つかの手続の簡素化が行われたわけであります。そういうことによりまして、このPCTの利用というのはさらに進むというふうに思っているわけであります。
 さらに今回の改正内容について申し上げますと、今回の改正内容の一つといたしまして、先ほど先生からお話がございましたように、日本の特許庁に国際出願をしたものについて日本の特許庁にかわってヨーロッパ特許庁が国際調査をすることができるような改正をするというふうにおっしゃいましたけれども、まさにそういう改正をしようとしているわけでありまして、ヨーロッパ特許庁と日本の特許庁との間でそういう話し合いがついたわけでございます。それを受けての改正でございます。それによりまして、ヨーロッパにおける特許を取りたいという企業にとりまして、やはりヨーロッパ特許庁の国際調査というのは権威がございます。そういうことからいって、意義が大変あるというふうに思っているわけであります。
 さらに三番目の改正内容といたしまして、国内優先権制度の導入というのがあるわけであります。国内優先権制度の導入と申しますのは、パリ条約の優先権制度とかなり似通った制度であります。例えば日本のある企業が特許庁に対して出願をいたします。ところが最近の技術開発の実態を申しますと、基本的な発明というのが行われた後、さらに企業はその技術開発、研究開発を進めてまいります。それによって付加的な発明あるいは改良発明、追加的な発明が次々に行われてまいります。それが技術開発の実態であるわけでありますけれども、今回の国内優先権制度のねらいというのは、そういった最近の技術開発の実態に合わせて、網羅的に特許制度が得やすくなるようにしようというのがねらいであるわけであります。
 そういうことでございますので、この国内優先権制度の導入によりまして、一つには現在の企業におきます研究開発の実態に即して特許が取りやすくなるという意味において、現在の研究開発を推進していく上において大きな効果があるだろうというふうに私ども思っているわけでありますけれども、同時にこの制度というのはPCT出願についても適用がされるわけでありまして、そういうことによりましてPCTの利用の促進にも貢献していくだろうというふうに思っているわけであります。
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仲村正治#7
○仲村委員 工業所有権保護に関するパリ条約は一八八三年に制定されて、我が国も明治三十二年に加盟をしているわけでございますので、まさに百年の歴史を持つ条約でございますが、その後、一九七〇年にワシントン条約が作成をされて、一九七八年に効力を発した、こういうことでございますので、まさにこのPCT条約は新しい国際取り決めであるというふうに考えますけれども、なぜそのワシントン条約を作成しなくてはならなかったのかということについていささか疑問を持つわけでございます。
 話を聞きますと、二階建てみたいな感じである、こういうふうな説明もあったわけでございます。それは手続の簡素化を図るという意味ならまずわかるわけでございますが、我が国の昭和五十九年度の国際出願の状況を見てみますと、パリ条約を経て手続をしたものが三万件、PCT条約を経て手続をしたものが六百二十一件、こういうことでございますので、何となくやはり手続面で敬遠をしているような感じがいたしますけれども、そのパリ条約とPCT条約の関係が一体どういう状態になっているのか、いま一度御説明をいただきたいと思います。
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小花弘路#8
○小花説明員 お答え申し上げます。
 今先生御指摘のとおり、工業所有権制度に関する重要な国際条約としてパリ条約とPCTという条約の二つがございます。それで、パリ条約は御指摘のとおり一八八三年に締結されました条約でございますが、これは世界じゅうの国民がそれぞれの国に出願ができる、他の国で特許が取れるという、まず特許というのが普通は自国にのみ取れるというのが大原則であったのを、世界じゅうどの国でも特許が取れる、お互いに特許が取れるという内外人平等ということを原則として発足した条約でございます。したがいまして、パリ条約のもとでは、出願人の方は特許を取りたい国それぞれに全部出願をしなければならないというのが大原則になっております。そのために、その便宜を図るために、先ほど志賀長官から御説明申し上げましたように、第一国に出してから一定期間の間に出せばその出願日を認めてくれるというふうな便宜的な制度がつくられてはおりますけれども、必ずしも外国で特許を取るのに十分な状況ではなかったわけでございます。その辺を改善しようという機運が高まりました。それは、技術が重要視されるにつれて、世界じゅうでお互いに特許を取りたい、技術の交流を図りたいという技術志向の結果と理解されるわけでございますが、それが一九七〇年にワシントンでPCTという形で締約されたわけでございます。
 このPCTによりますと、先ほど長官から御説明申し上げましたように、出願の方式を統一しまして、一国にその国際条約に基づく出願をすると、その出願をもって各国に出願したと同じ効果が生ずる、一国に出願をすれば自分が欲しい国に出願したと同じ効果が生ずる、それでその後にいろいろな必要な手続をとればよい、例えば二十カ月以内に翻訳文を提出したりする、そういうことが可能になったわけでございます。
 一方、先ほど先生御指摘の二重ではないかという点に関しましては、方式を統一して、一定の方式でどこへも出せるというメリットのほかに、先ほど御説明申し上げましたように、国際調査という先行技術の調査をこの条約のもとでは行うことになっております。その先行技術の調査が行われますと、出願人はそれを見て自分の出願が特許になるかならないかある程度判断することができます。したがいまして、さらに手続を継続するかどうかという点で経費の節減その他が図れるというメリットが一つございます。
 それからもう一方、審査をする各国の特許庁にとりましては、先行技術の文献がついた形で各国に出願がされたと同じことになりますので、重複して審査をするというロードが軽減されるというメリットがございます。
 そういう点で必ずしも二重構造ではないわけでございますけれども、確かに工業所有権という重大な権利を設定するために非常に慎重な手続が決められておるので、やや手続的に面倒くさいという問題がないわけでないので、今後こういう点の改善を図っていく方向で現在改正を考えておるわけでございます。
 以上でございます。
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仲村正治#9
○仲村委員 私がその質問をいたしましたのは、このレクチャーをしたときにやっぱりパリ条約の方が出願件数が多い、PCT条約はまだ六百件そこらだということでございましたので、むしろ新しくできた条約はより簡素化された、便利に手続ができるということでなければならないけれども、なぜそういうふうになっているのかという疑問があったからでございます。
 そこで、このPCT条約への加盟国は我が国を含めて米国あるいは欧州各国、ソ連など三十七カ国だと言っておりますけれども、この特許制度についての自由主義経済圏と共産主義経済圏の認識がどういうふうなものであるかということをまず私疑問に思うわけでございます。
 そこで、PCT条約に国際出願をする件数、それが自由主義経済圏と共産主義経済圏の件数においてどういう状態になっておるのか。なぜ私がこれをお尋ねするかと申しますと、まず特許登録をするということは新技術を世界に公表するということで、そういう観点から、統制経済国家においてそういった新技術を公表することにいささからゅうちょするような面もありはしないかという点からこれをお尋ねするわけでございますが、もし御説明できたらよろしくお願いしたいと思います。
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小花弘路#10
○小花説明員 お答え申し上げます。
 まず最初に、現在PCTの条約加盟国の中でソ連等の国においてどの程度にPCTが利用されておるかという数についてまず御紹介申し上げたいと思います。
 現在PCTに出願されております件数は、全世界的に見ますと約五千件強というところでございます。その中で先ほど先生御指摘の社会主義諸国の出願件数は、ソ連、ハンガリー等現在加盟している国はそう多くないわけでございますけれども、ソ連等においては約六十件程度、それからハンガリー等においては五十六件程度でございまして、自由諸国の出願件数に比べて少ないというのは事実でございます。
 なぜそうかという点につきましては、確かなところは私どもわかりかねるわけでございますけれども、現在社会主義諸国におきます特許制度というのは、いわゆる自由主義諸国における特許制度とあわせて発明者証制度というのがございます。それで現実に社会主義諸国の中で使われておりますのは、発明者証制度の方が利用率が高いというふうに理解しております。発明者証制度ももちろんこのPCTに乗り得るわけではございますけれども、そういう点が一つの問題点となっているのではないかというふうに理解しております。
    〔委員長退席、渡辺(秀)委員長代理着席〕
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仲村正治#11
○仲村委員 私がまさに指摘したような状態が今PCT条約に国際出願をする実績としてあらわれているんじゃないかというふうなことを感ずるわけでございます。五十八年、五十九年大体五千件くらい出ている中で、もう八〇%以上、約九〇%くらい自由主義経済圏からの出願でなかろうかと思うわけでございます。そういう意味で、社会主義経済圏と自由主義経済圏において特許制度ということについての認識の差があるのではないかというような感じを持ってお尋ねをしたわけでございます。
 そこで、世界の特許制度が百年という中で、中国では去る四月一日、初めて特許法が制定されたと報道されておりますけれども、もちろんこれは共産革命後の初めてだということだと私は思います。革命以前はあったかもしれません。中国でこのたび特許制度ができたということで、私たち隣国としても今後技術提携など進めていく上で非常に画期的なことである。また、中国は今、開放経済に向けていろいろ積極的な政策転換をするという点からも、全く今回の特許制度制定ということは無関係でない、こういうふうに考えますけれども、今回中国で初めて特許制度が制定されたということについて、大臣どのようなお感じであるのか、御所見をいただきたいと思っております。
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志賀学#12
○志賀政府委員 私から先に、やや事実関係を申し上げさせていただきたいと思います。
 中国におきまして、先生お話しがございましたように、ことしの四月一日に専利法、日本で申しますと特許法でございますけれども、専利法を施行したわけでございます。中国におきましてはソビエトと違いまして発明者報償制度というのではなくて、いわゆる特許法を施行したわけでございまして、内容的には非常に我が国の制度と近い制度でございます。いずれにいたしましても、私どもといたしまして、日本の経験に徴しましても、国の産業経済の発展の上において特許制度の役割というのは大変大きな重要な役割を果たすというふうに認識しているわけでございまして、そういう意味において、中国においてこの専利法を実施したということについて大変評価をしております。
 そのことは、中国にとって、中国の経済の発展の上において大変意義が大きいということに加えまして、日本と中国との経済交流、技術交流を進めていく上におきましても大変大きな意義があるだろうというふうに思っているわけでございまして、私どもといたしまして、従来から、この中国の専利法の準備の段階からさまざまな形で中国に対して積極的に協力を実はしてまいっております。例えば、研修生の受け入れであるとか、あるいは専門家の派遣であるとか、さまざまな形態によりまして中国の専利法の作成、施行に協力をしてまいったわけでございまして、さらに、これからも中国の専利法が適切に実施されていくように協力をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
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村田敬次郎#13
○村田国務大臣 私からもお答え申し上げます。
 今、特許庁長官からお答え申し上げたとおりでございますが、最近日中交流ということが非常にあらゆる意味で進んでおるわけでございます。中国からの日本訪問も非常に多くなっておりますし、それから貿易量も年とともに非常に増加をしておる。私は、現在の状態では恐らくアメリカに次いで中国が日本との経済交流の最も大きな国になる日が近いのではないかということすら予想されるわけでございまして、そういった情勢の中にあって、今、特許庁長官からも申し上げましたように、特許制度が円滑に運営をされていくということは両国の交流のために大変重要なことであると認識をしておりまして、日中交流もそういった面でさらに強化をされる、このように考えておる次第でございます。
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仲村正治#14
○仲村委員 中国はまさに大国でございますけれども、やはり技術面ではまだ開発途上国というような状態かと思いますけれども、今回中国に特許制度ができて、国内の技術開発を促進していくということにつきましては、我が国にとりましても今後のいろいろな交流の面で非常に大きな利益になるものだと信じているわけでございます。
 そこで、先進工業国としての我が国の立場を考えるとき、政府は技術立国として国民に旺盛な技術開発意欲を促し、産業の発展にさらなる技術開発を図る意味から、特許制度の一層の拡充を図るべきであります。そして、特許制度が技術立国の基盤をなすものであることの意識高揚につきましても大変必要なことだと思うのであります。そのようなことが最近の特許、実用新案の出願件数からもあらわれているのじゃないかと思うのでございます。昭和五十九年度の出願件数は四十八万件で、全世界の四割強だと言われておりますが、いかに我が国が新技術開発や実用新案、発明に熱心であるかがうかがえるのであります。そしてその申請件数は毎年五%から一〇%の割で伸びていると言われておりますけれども、今後もそういう形で推移していくのか、その点についてお答えをいただきたいと思うのであります。
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志賀学#15
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話しございましたように、日本の特許、実用新案の出願件数というのは世界の中で大変大きなウエートを占めているわけでございます。約四割ぐらいのウエートを占めているわけでございまして、そういう出願件数ベースにおいて世界の中の特許大国というふうに言われているわけでございます。この特許と実用新案の出願件数は毎年ふえてまいっているわけでありますけれども、内容的に見ますと、特許の出願に比べまして実用新案の出願の伸びというのは相対的に低くなってまいっております。昭和五十五年度までは実用新案の方が多かったわけでありますけれども、五十六年度以降、特許の出願件数の方が実用新案よりも多くなってまいっております。そのこと自身は、恐らく日本の技術開発の内容が高度化して研究開発の内容も高度化してきた、そういうことの反映であろうというふうに思っているわけでございます。
 いずれにいたしましても、これから日本といたしまして技術立国を志向していく、いかなければいけない、そういう意味において日本の産業界、経済界はこの技術開発について非常な意欲を持っているわけでございます。そういう意味から申しまして、現在のような高い伸びが今後も続くかどうかは別にいたしまして、今後もやはりかなりの出願件数の増ということは続いていくのではないかというふうに思っているわけであります。
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仲村正治#16
○仲村委員 昭和五十九年度の申請件数が四十八万件、これは全世界の出願件数の四〇%というふうに言われているわけでございますが、その中でPCT条約に出願をした件数が五千七百件、そのうち三九%は米国、我が国は一〇・八%ということでございますけれども、世界の四割も国内出願があるにもかかわらず国際出願が低いということの理由は何でしょうか。
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梅田勝#17
○梅田政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、国内出願、例えばこれは特許だけで見ますと大体二十万件強ということでございますが、そのうちで外国に出される出願というのが大体三万五千件から四万件という数でございます。ほとんどがパリルートで出ていっております。その割合をちょっと見てみますと、大体一五%から一九%、つまり国内出願に対して外国へ出していく分というのはそのくらいの割合でございます。ただ、最近の傾向を見ておりますと、例えばアメリカで取得される特許の数というものを考えてみますと、御承知のように外国関係では日本がトップでございます。アメリカで取得されます外国人の特許といたしましては日本がトップでございまして、大体八千件ぐらいというのを日本が取得しておりまして、あと西ドイツが五千四百、英国が二千百というような数になっております。これは五十七年の統計でちょっと古うございますけれども、大体そういう割合になっております。
 ただ、二十万件に対しまして、いずれにしましても外へ出ていく、外国へ出ていく数が比較的少ないということはこれまた先生御指摘のように事実でございまして、その辺は一つ考えられますのは、確かに、例えばアメリカでは外国勢としましてはトップの座を占めているのですけれども、やはり相対的に国内出願のものと外国へ出していく技術の差というのがあるんではなかろうかというふうな感じがいたします。つまり、国内では通用するけれども外国では通用しにくいというものが、数の上だけからいいますと、そういう問題が多少あるんではないかというふうな感じはいたします。
 それからあといろいろ問題があるのですけれども、例えば費用が高いとか、はたまた外国制度というのはなかなか難しゅうございますから、そういう問題に精通してないとか等々ございますけれども、ただ、今申し上げましたように、例えばアメリカを例にとりますと、日本がトップの座に出ているということもまた事実でございます。確かに件数の上からだけ見ますと、国内出願がほぼ二十万件に対してアメリカで権利を取得するのは大体八千件ということで、数としては非常にギャップがございますけれども、非常に重要技術というものが最近はどんどん外国へ出ていっておる、こういうふうに理解しておる次第でございます。
    〔渡辺(秀)委員長代理退席、委員長着席〕
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仲村正治#18
○仲村委員 ただいまも御説明の中にありましたけれども、国際出願約四万件という中で大半がパリ条約に基づく手続をしているということについていささかどういうわけなのかなという感じを持っているわけでございますが、それを今回改正をして簡素化を図っていくということでございますので、それはそれとして結構だと思っているわけでございます。
 そこで、我が国の百年間に成し遂げた工業立国としての実績というものは世界の国々が評価をするというよりも本当に脅威の目で見ていると思うわけでございます。それは、ほとんど外国から導入した技術によって今までこれだけ発展してきたわけでございますけれども、これからさらに独自の技術開発ということが最も重要な段階に来ているんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。最近よく使われる言葉でございますが、産官学が一緒になって技術の開発を図る時期だ、こういうことを強調されておるわけでございますけれども、技術開発について大臣としてどういうお考えをお持ちか、御所見を承りたいと思います。
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志賀学#19
○志賀政府委員 お答え申し上げます。ただ、私、特許庁の長官でございますので、特許庁としての立場で、ややそういう立場でお答えをさせていただきます。
 先生からただいま御指摘がございましたように、日本といたしまして、外国からの導入技術ではなくて自主的な技術を開発していかなければいけないというのはまさに御指摘のとおりでございます。まさに私どもといたしましても、そういう自主技術の開発という観点から工業所有権制度の充実を図っていきたいというふうに思っているわけでございまして、今回改正をお願いしておりますこの法案の改正点の一つといたしまして国内優先権制度の問題があるわけでございまして、この国内優先権制度の意義と申しますのは、現在の日本の国内における技術開発の実態に即して工業所有権、特許権がとりやすくなるようにしていこう、こういう所思に出るものでございまして、こういうような制度を通じまして日本の技術開発がさらに促進されるものというふうに思っております。
 それから、やや直接のお答えになるかどうかあれでございますけれども、日本の場合に、先生から先般来お話がございましたように、非常に出願件数が多いわけです。ただ、その内容を見てみますと、日本の技術開発の実態を見てみますと、どちらかと申しますと、日本の技術開発というのは、商品についてより便利にするにはどうしたらいいか、あるいはより故障が起きにくくするためにはどうしたらいいか、あるいはより安全にするためにはどうしたらいいか、そういった面での開発、発明というのが非常に多いわけでございまして、そのこと自身決して悪いことでもございませんし、日本の現在の産業界、経済界において非常に激しい競争が行われている、そのことの反映だろうというふうに思うわけでありますけれども、そういったことを背景にして非常に出願件数が多いということも事実だろうと思います。
 ただ同時に、非常に基本となるような発明特許、そういうものが相対的に少ないということはこれまた否めないわけでありまして、これからの問題といたしまして、将来いろいろな実がなり葉が出る、そういうような太い幹になるような、そういう技術開発をし、そういう発明について特許を付与していけるように日本としてもなっていかなければいけないというふうに思っているわけであります。
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村田敬次郎#20
○村田国務大臣 ただいま志賀特許庁長官から具体的にお答えを申し上げたとおりでありますが、技術開発全般について私から申し上げますと、近年の技術の発展というのは非常に顕著でありまして、ますます高度化、複雑化しつつある、特に先端技術の発展は目覚ましいわけでありまして、これらの先端技術の研究開発がこれからの世の中を変えていこうとしておる、そういう時代だと私どもは認識をしております。ただ、こうした技術の研究開発には膨大な投資やリスクを伴うものでございまして、産業界などから十分な法的保護についての要請が強いところでございます。
 したがって、通産省といたしましても、先端技術を初めとする技術の開発は我が国産業経済の健全な発展にとって極めて重要である、こういうふうに受けとめておりまして、その促進のために法的保護の面から十分な政策的対応を図っていきたい、こういう意味で、現在御審議をいただいておる特許法等の一部改正法案もまさにこういった観点に立つものでありまして、最近の技術開発の実態にかんがみ、技術開発の成果が漏れなく特許権として保護されるよう優先権制度を導入するということがねらいの一つと、このように考えておるところであります。
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仲村正治#21
○仲村委員 先ほど来お話がありますように、旺盛な技術開発に対する意欲、それと同時に熾烈な市場競争、そのために新商品開発、そういった点が現在の国内出願の状況にあらわれていると思うわけでございます。これも毎年五%から一〇%増加していくという傾向であるようでございまして、こういった事務を処理するために、今まで二年五カ月くらいで処理をできていたものがあと十年もすればもう七、八年もかかるのじゃないか、こういうことが言われておるわけでございますけれども、そういった状況に対応するために、いろいろ御説明をお聞きいたしますとペーパーレスの事務処理計画が進められておるようでございますけれども、これについてどういう計画をお持ちであるのか。さらに、これだけの事務を処理していくためにはやはり予算が伴うことでございますので、そういったものも、今行財政改革という点から経費の節減というものもあわせて考えなくてはならない。
 それで、たまたま昨年の第百一国会で特許特別会計が制定されたわけでございますけれども、今までの収支のバランス、あるいは特会をつくって後の収支の状況の見通しについて御説明をいただければと思っております。
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志賀学#22
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 国内出願がふえてくる、それに対してできるだけ早く処理していかなければいけない、それに対してどうやっていくか、これは私どもといたしまして最も基本的な問題でございます。そのために、従来から特許庁の中のいろいろな事務処理についての機械化を図る、あるいは増員を図る、そういったさまざまな努力をやってまいっております。あるいは、これは五十一年度からやってまいっているわけでありますけれども、出願件数が多い企業に対しまして、出願あるいは審査請求などについてできるだけ十分に自己評価をして、その上でやってほしいという、適正化のための指導というようなこともやってまいっているわけであります。
 ただ、なかなかそれだけで参らないわけでありまして、そこで、先ほど先生から御指摘がございましたように、先生方の御支援を得まして、前の国会において特許特別会計をつくっていただいたわけでございまして、この特許特別会計が昨年の七月に実施されたわけでございます。私どもといたしまして、この特許特別会計がつくられたということによって財政的な裏づけ、しかも長期的な見通しを持ち得る、そういう財政的な裏づけができたというふうに思っているわけでございまして、こういった特許特別会計を背景にいたしまして、これからいろいろな施策を展開していきたいというふうに思っているわけであります。
 特に、私どもとして最大のポイントを置いておりますのが、ペーパーレス計画の実現であります。ペーパーレス計画と申しますのは、出願から審査、あるいは公報類の打ち出し、そういった一連の特許をめぐります事務、あるいは審査手続、そういったものについて、コンピューターを導入して全面的にエレクトロニクス化を図っていこう、こういうものでございまして、私どもといたしまして、五十九年度を初年度といたしまして、十年計画で実現をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 このペーパーレス計画の実現のためには、率直に言ってかなりのコストがかかるわけでございます。そういうことも含めまして、実は特別会計について出願料等の手数料の引き上げを昨年の八月に実施したところでございまして、それによりまして特許特別会計の財政基盤というものはかなり固まったというふうに思っております。ただ、今後ペーパーレス計画を実現してまいりますし、また特許庁の庁舎の新設ということもやっていかなければならないわけでございまして、そんなようなことを考えてまいりますと、これからある程度、将来には再度の料金の引き上げも必要かというふうに思っておりますけれども、ただ、いずれにいたしましても、現在のところ特許特別会計は順調な滑り出しを見せているというふうに思っているわけでございます。
 そこで、ペーパーレス計画の効果でございますけれども、ペーパーレス計画をやりませんと、現在の二年五カ月程度の要処理期間が、十年後には七年近くになってしまうのではないかというふうに思っているわけでありますけれども、このペーパーレス計画を実現するということによりまして、処理期間の長期化ということは防止し得るというふうに思っているわけでございます。
 以上でございます、
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仲村正治#23
○仲村委員 我が国が今日先進工業国として発展した裏には、やはり独自の技術開発ということも大きかったと思いますけれども、先ほど来お話がありますように、何といっても外国からの技術を導入して、それを活用していったということが大きかったわけでございます。それはもう技術貿易の実績からしてはっきりしたことがあらわれているわけでございます。昭和五十七年度の技術貿易の実績を見ますと、輸出が千三百十三億、輸入が四千四百七十四億、こういう状態になっているわけでございます。二十年前は全体の一〇%であったものが現在では三〇%まで輸出をするようになった、こういうことでございます。
 この状態が今後どういう形で推移していくのか。先ほど来、これはもう独自の技術開発をどんどん進めていかなければこれの改善を図れないわけでございますけれども、これについてどういう見通しを持っておられるのか。また、それを改善していくための措置としてどういうことを考えておられるのか御説明をいただきたいと思います。
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志賀学#24
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から技術貿易の金額のお話がございました。私ども特許庁の立場で、出願件数の出入りという観点から眺めてみますと、最近の日本から外国への出願件数というのは、この数年間大体三万五、六千件で推移をしております。やや増加傾向を持っているわけでございますが、それに対しまして外国から日本への出願件数、これはここ数年やはり三万件ぐらいで推移をしております。ただ、これはやや減少ぎみでございます。したがいまして、件数ベースで申しまして、日本から外国へ出願する件数の方が外国から日本へ出願してくる件数をかなり大きく上回っておりますし、また、その幅というのは拡大傾向にあるというふうに見られるわけでございます。
 今申し上げましたのは出願の動きでございますけれども、そういった出願の動きが、先ほど先生がおっしゃいましたような金額の動きへ反映してきているのではないかというふうに思っているわけでございまして、いずれにしても、ただ金額と出願件数の動きでございますから、恐らく出願件数の動きの方がかなり先行指標的な性格のものではないかというふうに思います。そういう面から申しますと、技術貿易における出超傾向というのはこれからも続いていくというふうに見て差し支えないのではないか。特にまた実態的にいって現在の日本の技術レベルが非常に高いということ、あるいは研究開発のレベルが高いというようなことを考えあわせますと、将来の技術貿易の出超幅というのはこれからも大体増大していくと見て差し支えないのではないかというふうに存じます。
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仲村正治#25
○仲村委員 時間が参りましたので、最後の質問になろうかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 今、まさにバイオテクノロジーの時代到来ということで盛んにバイオ技術の開発がクローズアップされており、農作物を中心に植物新品種開発が推進されると思うのであります。
 昨年二月、日本新薬がヨモギの新品種を開発し特許出願をしたところ、農林水産省は、特許権を与えるべきでないと言ったということを新聞報道で見た覚えがあります。これは、今後、バイオによる新しい育種技術によって、内外の企業が新種苗等の特許権を取り、ロイヤリティーによって農家経営を脅かすおそれがあると考えられるわけでございます。
 今後、バイオテクノロジーを応用した特許出願にどのように対処していかれるおつもりか、その点をお尋ねしたいと思います。
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志賀学#26
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 現在のバイオテクノロジーの現状から申しますと、私どもへ出願してまいりますのは、細胞融合あるいは遺伝子組みかえ、そういった先端的なバイオ技術の成果というものは、微生物などを利用した医薬品などの製造が中心となっているわけでございまして、恐らく植物の新品種というような問題にかかわってくるのは、今後将来の問題であろうというふうに思っております。ヨモギの問題というのはごくまれな一つのケースであるわけでありますけれども、一般的に言うならば、植物の新品種にかかわってくるようなことは将来の問題であろうというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、このバイオテクノロジーの保護をどうやっていくのかということについて、これは最近国際的に非常に関心が高まってまいっているわけでございまして、例えばOECDにおきましても議論が行われておりますし、あるいはWIPO、これは世界知的所有権機構という機関でございますけれども、WIPOというような場におきましても、昨年の十一月に専門家の会合が持たれまして、検討を始めているところでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましてバイオテクノロジーといったような新しい技術分野について、いかにして権利を保護していくのか、それによって技術開発をいかに進めていくのかということは、非常に深い関心を持たなければいけない問題だというふうに思っておりますし、したがいまして、そういった国際的な場における検討に積極的に参加してまいりたいというふうに思っているわけであります。いずれにいたしましても、そういう植物というようなことになってまいりました場合に、農業行政とのかかわり合いというような問題も起こってくる可能性というのはあるわけでございまして、そういった問題につきましては、農林水産省とよく意見調整をしながら進めてまいりたいというふうに思っているわけであります。
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仲村正治#27
○仲村委員 これは昨年は、薬草としての新ヨモギの特許登録によりまして、農林水産省と特許庁といろいろやりとりがあったようでございますが、しかし、今後将来の問題というふうに片づけられないと思うわけでございます。穀物にいたしましても、あるいは果樹にいたしましても、いつそういった新品種の登録申請が出てくるかわかりません。そういうときに、やはりそういう事態に十分対処していけるように、政府としてはそういう法的な措置をしておく必要がある、こういうように思いますけれども、その件について、将来の問題、こういう悠長なことで片づけられないと思いますので、いま一度ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
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志賀学#28
○志賀政府委員 どういう形で農業に対する影響があるかということについて、これはいろいろな意見があるわけであります。先生はただいまロイヤリティーというようなことをおっしゃいました。また、自家採取についての影響ということを言われる意見もあるわけであります。ただ、いずれにいたしましても、ロイヤリティーの問題について言うならば、種苗法におきましてもロイヤリティーという形であるかはともかくといたしまして、恐らくこの新しい苗を開発するに必要な投資を何らかの形で回収していかなければならないわけでありますから、そういう意味におきまして、この種苗法ベースの問題としても、そういった費用の負担、費用の転嫁の問題というのは同じ問題としてあるというふうに思っております。
 また、自家採取の問題につきましても、現在の農業の実態から申しますと、現在の農業の方たちとして自家採取をまさにやっている方というのは、非常にウエートとして少ないのではないかというような見方があるわけでございまして、そういった点についてどの程度の影響があるかどうかということもあろうかと思いますし、あるいは特許権の権利がどこまで及ぶかという、その解釈論といたしまして、自家採取にまでは及ばないというふうな解釈も十分あり得るわけでありまして、そういったことをいろいろ総合的に考えまして、バイオテクノロジーについての権利保護の問題というのを考えていかなければならないというふうに思っております。
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仲村正治#29
○仲村委員 時間が参りましたので終わります。
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