佐藤誼の発言 (文教委員会)

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○佐藤(誼)委員 どうも理解できないのが、当然の法理ということですね。この当然の法理というのはいかなるものであるのか。少なくとも日本は法治国家であり、法律に基づいて行政が行われるわけですから、少なくとも憲法を頂点とする法律上の根拠がなくて、行政府の判断で一方的に行政行為が行われるというふうに私たちは理解できないわけですよ。行政行為をやることはできないと思うのです。すなわち、今の点に関して言うならば、職業選択の自由を制限するためには、少なくとも国会の定める法律によるべきであり、法律の規定がないのに行政の一方的判断で制限することはできない。このような行政行為は、つまり憲法が定めるところの法治主義に関する違反ではないか、そういう意味では違憲の疑いすらあるのではないかというふうに私は思うのです。
 これに類似した例は、かつて司法試験に合格した、言うなれば外国人をその国籍条項によって研修生に採用しないという問題が出まして、今私が述べたような法治主義の原則に違反するということでいろいろ議論になりまして、最後はこの外国人の方は国籍条項を除外されて研修生になったという経過があるのです。ですから、私は、当然の法理という考え方自体が行政権としては行き過ぎた判断であり、見方ではないかと思うのですけれども、まずその点が一つ。
 それからもう一つは、国公立の学校には適用するけれども私立には適用しない、こういうことですが、これは余り時間がありませんから深みに入りませんが、ただ、私は教育活動というのが国家権力の行使そのものではないと思うのです。これは、文部大臣は予算委員会でもそのことは言っておりますね。これは清水委員に対する答弁の中で議事録に明記されております。それはそうだと思うのですね。ただ、公の意思形成ということがそれじゃどういうことになるのかとなりますと、私はその理解が非常に難しいのですけれども、少なくとも大臣の答弁では公的なものという言い方をしております。つまり、私もそうだと思うのですが、私的なものに対して公的なもの、こういう意味だと思うのですね、少なくとも教育というのは。これは教育基本法の第六条の教育は公的であるというこのものにつながる考え方であって、この教育基本法そのものは、公立であろうが私立てあろうが全部適用されますから、少なくともそういう公的なものというそういう意思形成というのは、教育基本法をまつまでもなく、公立であろうが国立てあろうが私立てあろうが、これはやらなければならぬし、やっているわけです。とするならば、公の意思形成ということを前提にして、国公立には適用するけれども私立には適用しないというこういう考えは、私は少なくとも成り立たぬと思うし、教育基本法の第六条に照らしても、これは等しく扱わなければならないことだと思うのです。まずそれが、公立、私立ということを差別する理由はないということと、少なくとも教育活動というのは権力の行使でありませんから、したがってそこに国籍条項を適用するというのはおかしいというふうに私は思うわけです。
 以上の点について、どうですか。

発言情報

speech_id: 110205077X00819850419_020

発言者: 佐藤誼

speaker_id: 45

日付: 1985-04-19

院: 衆議院

会議名: 文教委員会