田中克彦の発言 (文教委員会)

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○田中(克)委員 そのことはわかりました。
 そこで、特に問題なのは、昨年も大変議論をしたわけでありますが、寄宿舎の寮母の実態というのはなかなか大変な現状にある、こういうことであります。特に、この寮母の増員計画というのは現状ありませんので、最低保障の小規模宿舎を除き実際にはふえていないという現状になっていることは御承知のとおりであります。一方、入所者の方は、最近は非常に重度あるいは重複障害児がふえていく傾向にあるということもまた御承知のとおりであります。したがって、そういうことから寮母の負担というのは非常に過重になってきている。それが証拠には、一面で男性寮母の占める率というのは逆に言えばふえつつある。これはどういうことかといえば、重度や重複障害児がいて寮生活などで事実上介護もしながら教育をする、こういうようなことになりますと、ちょっと体の大きい障害児になれば女性の手には負えない。こういう状況なども実際にはあるようでありまして、どうしてもそこには力のある男性の手が必要だ、こういう実情もあるようであります。
 それから、前から言われていることでありますけれども、私はこの審査の前に養護学校などの現場も幾つか視察をしてまいりましたが、とにかく寮母さんが果たしている教育的役割というものは大変な意味を持っていると私は思っております。こういう重い障害児が受ける教育というものは、事実上それがそのまま、生活習慣を身につけてできるだけ自分で自分の身の始末ができるような訓練を繰り返して、それが将来の社会生活への自立につながっていく、そういう教育を中心にやるわけでありますから、これは学校の中にいるときだけが教育ではなくて、むしろ生活そのものが全部教育の場だ、こういうことになろうかと思っております。したがって、この寮生活の指導の重要性というもの、言いかえれば寮母が果たしている役割の重大さというものはもう少し直視をされなければいけないのじゃないか。
 これは昭和五十八年の数字なんですが、四千七百七十八人のうちに、いわゆる男性寮母と言われる人が実際には三百一人おります。こういう現状。しかも、私いろいろと資料をいただきましたが、神奈川の調査にしても、長野県の調査にしても、私の県の山梨にしても、寮母の健康実態を調査した表を見ますともう大同小異であります。そして、特に腰痛、それから女の人の場合であれば生理の障害、それから切迫早産、流産、帝王切開、こういうものが非常に健康をむしばんでおります。その率も、いろいろな障害を合わせれば、いわば七八%の寮母さんがそういういずれかの障害に侵されている、実はこういう数字も出ているわけであります。これは細かく申し上げたいわけでありますが、時間がありませんから総括的に申し上げたわけであります。私はそういうことを前提にして、これから二つ問題点を指摘をして回答をいただきたい。
 一つは、今言いますように、大体男性寮母なんという矛盾した言葉はないですね。寮母というのはお母さんのかわりでありますから、それが男性のお母さんのかわりなんというのは、言葉そのものとしても呼び方として矛盾しています。しかも、現場の中には男性寮母を必要とする、ふえつつある傾向、こういうものからすれば、この寮母の名称というのは、後から本法提案者の方から説明もあると思いますけれども、やはり私どもの立場からすれば、これは寄宿舎の教諭という名称と身分というものを、さきの教育的に果たしている役割や生活指導上の教育の観点から、これを身分も明確にすべきであるし、資格もそういうふうにすべきだと思うわけです。
 それから、もう一つは、生活の問題であります。寮母の場合は教育職給料表の(二)表の三等級、こういうことでありますが、それ以外にも、二等のわたりにつきましても、各府県でそれがあるところもあり、ないところもあり、またわたりの仕方についても、同じ等級から渡るのに渡る先が違っていたり、それから宿直手当につきましても、寮母手当につきましても、あるところ、ないところ。それから金額につきましても、寮母手当のごときは月額支給で二千四百円、三千二百円、いろいろな形で実際にはいわばばらつきが物すごくあります。これはそのまま、この人たちの生活が、身分が非常に不安定であるということを端的にあらわしている数字ではないかと思うわけであります。そこで、そういう点をこの際改善をしていかなければならぬ、こう思うわけでありますけれども、文部省はこういう実態についてどう考えているか、今後のあるべき姿としてどうでなければならぬか、そういう点をひとつお答えいただきたい。

発言情報

speech_id: 110205077X01319850524_016

発言者: 田中克彦

speaker_id: 29728

日付: 1985-05-24

院: 衆議院

会議名: 文教委員会