文教委員会

1985-05-24 衆議院 全251発言

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会議録情報#0
昭和六十年五月二十四日(金曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 阿部 文男君
   理事 石橋 一弥君 理事 大塚 雄司君
   理事 白川 勝彦君 理事 船田  元君
   理事 馬場  昇君 理事 中野 寛成君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      稻葉  修君    臼井日出男君
      榎本 和平君    町村 信孝君
      渡辺 栄一君    木島喜兵衞君
      佐藤 徳雄君    田中 克彦君
      中西 績介君    有島 重武君
      伏屋 修治君    藤木 洋子君
      山原健二郎君    江田 五月君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 松永  光君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 西崎 清久君
        文部大臣官房審
        議官      菱村 幸彦君
        文部省初等中等
        教育局長    高石 邦男君
        文部省教育助成
        局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育
        局長      宮地 貫一君
        文部省体育局長 古村 澄一君
 委員外の出席者
        議     員 馬場  昇君
        議     員 佐藤 徳雄君
        議     員 中西 績介君
        労働省労働基準
        局監督課長   菊地 好司君
        自治省財政局調
        整室長     鶴岡 啓一君
        文教委員会調査
        室長      高木 高明君
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本日の会議に付した案件
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共
 済組合からの年金の額の改定に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出第七〇号)
 児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校
 及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法
 案(木島喜兵衛君外二名提出、衆法第八号)
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
 する法律案(木島喜兵衛君外二名提出、衆法第
 九号)
 公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員
 定数の標準等に関する法律案(馬場昇君外二名
 提出、衆法第六号)
 公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に
 関する法律案(中西績介君外二名提出、衆法第
 五号)
     ————◇—————
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阿部文男#1
○阿部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、木島喜兵衛君外二名提出、児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関する特別措置法案及び木島喜兵衛君外二名提出、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の各案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。松永文部大臣。
    —————————————
 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共
  済組合からの年金の額の改定に関する法律等
  の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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松永光#2
○松永国務大臣 このたび、政府から提出いたしました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 私立学校教職員共済組合の給付については、共済組合設立以来、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことを建前とし、逐次改善が進められ、現在に至っております。
 今回は、昭和六十年度における国公立学校の教職員の年金の額の改定措置等に準じて、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定年金の額の改定等を行うため、この法律案を提出することといたしたのであります。
 次に、この法律案の概要について申し上げます。
 第一に、私立学校教職員共済組合法の規定による退職年金等の額を、昭和五十九年度の国家公務員の給与の改善内容に基づいて行われる国公立学校の教職員の退職年金等の額の改定に準じ、昭和五十八年度以前の退職者に係る年金について、昭和六十年四月分から引き上げること等といたしております。
 第二に、既裁定の退職年金等の最低保障額を国公立学校の教職員の既裁定年金の最低保障額の引き上げに準じ、昭和六十年四月分から引き上げるとともに、遺族年金については同年八月分以後、さらにその額を引き上げることといたしております。
 第三に、掛金等の算定の基礎となる標準給与の月額の最高額を四十五万円から四十六万円に引き上げるとともに、最低額についても七万七千円から八万円に引き上げることといたしております。
 最後に、この法律の施行日につきましては、昭和六十年四月一日といたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
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阿部文男#3
○阿部委員長 馬場昇君。
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 児童生徒急増地域に係る公立の小学校、中学校
  及び高等学校の施設の整備に関する特別措置
  法案
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
  する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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馬場昇#4
○馬場議員 ただいま議題となりました法律案について、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 今、東京、大阪等人口急増地域では人口の社会増と自然増に押され、交通戦争、住宅不足と狭隘化、公害の多発、自然の喪失等、環境条件は著しく劣悪化しており、生活、労働、文化のあらゆる面で問題点を引き起こしています。
 特に、学校では既にそのピークは越えたとはいえ児童生徒の急激な増加に伴う学級、学校の新増設計画がその実勢に追いつけないため、運動場をつぶしてのプレハブ教室の建築や特別教室の普通教室への転用、あるいは四十六名以上の学級編制等によって急場をしのいでいる学校が依然として目立っています。
 こうした状況の中で、過大学級、学校はいまだに残存し、教室、職員室、運動場、校具等、学校の施設設備は不備のまま異常な形で教育活動が展開され、子供の遊びと遊び場は奪われ、子供同士の人間関係、子供と教職員の人間関係、教職員同士の人間関係は阻害されています。
 こうした教育的対人関係の破壊、揺れ動く学校生活の中で、子供の学力の低下、校内暴力等、教育荒廃の現象は依然として大きな社会問題となっています。
 一方、地方自治体では子供の学習権を守り、行き届いた教育を保障するためにも児童生徒数急増に対応しながら、学級、学校の新増設計画に取り組んでいます。
 しかし、自治体においては、実勢に見合わない現行の国庫補助制度や地価の高騰、校地取得難等のもとで、膨大な教育財政の支出をもたらされています。このことはまた、ただでさえ危機的状況下に置かれている地方財政をますます圧迫し、一般行政水準を低下させる要因ともなっています。
 それだけに、人口急増市町村の財政力をもってしては、正常な教育を行うための施設設備を確保することはもはや困難な状況下にあると言わなければなりません。
 幸い、昭和四十六年度より児童生徒急増市町村に対する校地取得に係る定率補助制度が発足し、昭和四十八年度には校舎の新増設に対する国庫補助率の引き上げが行われることとなりました。
 また、昭和五十九年度より過大規模校の分離促進に向けた用地取得のため一定の予算が計上されるまでに至りました。
 しかし、これらの措置は一定の効果を果たしてきたとはいえ、いまだ当該市町村の要望を到底充足するまでには至っていません。また、公立高校新増設に対する国庫補助制度は、昭和五十一年度より発足し、その予算は増額されつつありますが、補助条件の制約があることや校地取得費が補助対象となっていないこと等もあって、高校の新増設計画に大きな障害点となっています。
 これらの助成措置は、元来義務教育諸学校施設費国庫負担法の抜本的改正等により、その改善充実を図らなければなりませんが、当面、四十人学級の発足に伴う学級の新増設等人口急増地域や過大規模校に山積する教育上の諸問題点を解決するためにも、当該県市町村に対する特別措置を講ずることが緊急の課題となっています。
 以上、児童生徒の増加地域における公立の小学校、中学校及び高等学校の施設整備に係る国庫補助制度の実情にかんがみ、これらの施設整備を一層促進するため、国の行財政上の特別措置をさらに拡充するための法的措置を講ずることとし、もって学校教育の円滑な実施を確保するため、本法案を提案する次第であります。
 次に、本法案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一は、この法律は、児童または生徒が急激に増加しまたは増加する見込みのある地域に係る公立の小学校、中学校及び高等学校の施設の整備に関し必要な特別の措置を定めることにより、学校教育の円滑な実施を確保することを目的としております。
 なお、今回、別途提案いたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案による過大規模校の分離、新設校整備費についても本法案による特別措置が適用されることになります。
 第二は、この法律において児童急増地域または生徒急増地域とは、市町村における過去三年間の児童または生徒の増加数などを基準として各年度ごとに文部大臣が指定する市町村の区域を言うこととし、その指定期限は、指定要件失格後も二年間は有効としております。
 第三は、第二の両急増地域における公立の小中学校に係る校舎及び屋内運動場の新増築費並びに学校給食施設及び水泳プールの整備費に対する国の負担率または補助率を四分の三に引き上げるとともに、生徒急増地域を通学区域とする公立の高等学校の水泳プールの整備費に対する国の補助率についてもこれを二分の一に引き上げることにしております。
 第四は、国は、政令で定めるところにより、両急増地域の公立の小中学校の用地取得費についてその二分の一を補助するとともに、第三の公立の高等学校の用地取得費及びその校舎等の新増築費についてもその二分の一を補助することにしております。
 第五は、国は、第三及び第四の児童生徒急増対策事業に係る地方債の資金について特別の配慮をすることとし、その元利償還金についてもこれを地方交付税で措置することにしております。
 第六は、国は、児童生徒急増対策事業に係る用地取得を容易にするための税制上の優遇措置を講じなければならないことにしております。
 第七は、地方公共団体は、その区域内で大規模宅地開発等が行われる場合において、特に必要があると認めるときは、その開発事業者に対し、公立の小中学校または高等学校の用地の確保を求めることができることとし、その場合の用地確保を開発事業者に義務づけております。
 第八は、地方公共団体は、大規模宅地開発等に伴い公立の小中学校または高等学校の施設の整備事業を行う場合、財政事情等によりその事業を適時に行うことができないときは、その開発事業者に対してその事業の立てかえ施行の申し出をすることができることとし、申し出を受けた開発事業者は、その地方公共団体との協議に基づきその事業を行うものとすることにしております。
 第九は、この法律は、昭和六十一年四月一日から施行することとし、昭和六十六年三月三十一日までの時限立法としております。
 以上が本法案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 次に、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。
 戦後の公立学校の施設整備は、焼失面積六百八十万平方メートルに及ぶ戦災校舎の復旧、六・三制発足に伴う新制中学の生徒五百万人を収容するための中学校施設の建設、ベビーブームによる児童生徒急増対策、高度経済成長に伴う大都市周辺地域の児童生徒急増対策、進学率上昇による高等学校生徒急増対策など、その量的整備が最大の課題として進められてまいりました。
 これらの整備事業に対し、地方公共団体の過重な財政負担を軽減するため、戦後初めて国の補助負担制度が導入され、順次立法化されたのであります。義務教育施設については、昭和三十三年に本法すなわち義務教育諸学校施設費国庫負担法が制定され、国の恒久的な一部負担制度が発足し、その後の公立小中学校等施設の量的整備に少なからず寄与してまいりました。
 このような量的整備は、児童生徒急増市町村や高等学校生徒急増都道府県にとって今後も引き続き必要でありますが、小中学校の児童生徒数が昭和五十七年度をピークに減少に転じた現在、今後の整備事業の重点を質的整備に置くべきであります。とりわけ児童生徒急増対策の後遺症ともいえます過大規模校の分離促進は緊急の課題であります。
 昭和五十九年度現在、小学校については二十五学級以上、中学校については十九学級以上の学校をそれぞれ過大規模校としてとらえますと、公立小学校の場合はその一五・六%に当たる三千八百六十五校が、中学校の場合はその三二・九%に当たる三千四百十八校がそれぞれ過大規模校となります。
 これら過大規模校については、教育活動や学校運営の面でさまざまな問題点が指摘されております。すなわち、校地が狭く、体育の授業、クラブ活動、学校行事が制約されること、校舎等の配置が複雑なものが多く、非常災害の場合が心配されること、音楽、理科等の授業を普通教室で行わざるを得ない場合が多いこと、教師と子どもの触れ合いや教師相互の意思疎通が困難であり、学校としての一体感が培われにくいこと、また、このことが校内暴力など多発する生徒の問題行動と無関係でないこと等であります。
 次代を担う子供たちが、常に恵まれた環境で教育を受けられるよう学校施設など教育諸条件の整備充実を図ることは、教育基本法に定められた国や地方公共団体の責務であります。したがって、このような過大規模校における教育の現状にかんがみ、その分離を促進し、学校規模の適正化を図る必要があります。
 現在、小規模校を適正規模に統合する場合には、本法により国庫負担の対象となりますが、過大規模校を分離する場合には、その対象とならないのであります。この際、その分離に伴う校舎等の整備費に対する国の負担制度を新設することとし、本法律案を提案する次第であります。
 なお、学校教育法第三条に「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、監督庁の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。」と規定されておりますが、義務教育の学校については、その施設設備の指針となるべき設置基準が未制定であります。このため、設置基準のかわりを本法の補助基準等が果たしているというのが現状であります。この際、教育施設の質的整備を進めていくためには、本法の改善もさることながら、速やかに適正な設置基準を制定する必要があることを付言しておきたいと思います。
 次に、本法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一は、国は、新たに公立小中学校の過大規模校を適正規模に分離することに伴って必要となる校舎または屋内運動場の新築費についで、その二分の一を負担することとしております。
 第二は、この法律は、昭和六十一年四月一日から施行することとしております。
 以上が本法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
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阿部文男#5
○阿部委員長 これにて各案の趣旨の説明は終わりました。
     ————◇—————
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阿部文男#6
○阿部委員長 次に、馬場昇君外二名提出、公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中克彦君。
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田中克彦#7
○田中(克)委員 公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案の質問の第一陣でもございますし、また我が党からの提案でもございます。そういう立場に立って、限られた時間でありますが、問題点を絞って御質問をいたしてまいりたい、このように考えております。
 最初に、まず、そういう意味から提案者に伺いますが、本法は国際障害者年よりなお以前から障害児教育のあるべき姿を求めて議員立法として提案、審議が重ねられてまいりました。その回数も数次に及んでいると聞いているわけであります。したがって、本法提案のあるいはまた今までの審議の経緯と今回の立法の趣旨、目的、そういうものについてまず概括的に明らかにしていただきたい、このように思います。
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馬場昇#8
○馬場議員 お答え申し上げます。
 この法律を立法する目的でございますけれども、障害児教育諸学校の教育の水準の維持向上にあるわけでございます。
 主などういう立法をして維持向上に努めるかということを申し上げますと、まず第一に、特殊教育とか特殊学校と使われておるのですが、この呼称を変更したい、こう考えておるわけでございまして、我が国には歴史的や伝統的とかあるいは医学的無知によりまして障害者に対する差別意識というものがあるわけでございまして、そういう意識が特殊、普通ではないという言葉によってあらわれておるわけでございますので、この際、障害児教育、障害児学校という形で呼称を変更して、その差別的意識をなくしたい、こういう意図もあります。
 それから、さらに、障害児教育では、普通の子供でも三つ子の魂百までといって幼児教育は非常に大切でございますが、特に障害児教育には幼児教育というのは非常に必要不可欠なものでございまして、そういう意味で障害児の幼児教育を充実させる、そういう意味で、定数法に幼稚部が入っていないわけでございますので、幼稚部の定数法をつくりたい、そういうことでございます。
 さらに、障害児教育というのは、幼稚部、小学部、中学部、高校部と教育の一貫性というのは非常に必要でございますので、幼稚部に定数法を適用し、義務教育諸学校の定数法に入っております小学部、中学部、高等学校の定数法に入っております高校部、それを一本の幼稚園から高校までの定数法に連係を持たせてやりたい、こういうことでございます。
 いま一つは、最近非常に重度とか重複障害児がたくさん入ってきておるわけでございまして、そのために、勤めております教職員の健康被害というのが非常に大きくなっております。こういう意味におきまして、そこに勤めております教職員の定数を改善いたしましてその健康被害をなくしたい、こういうことも入っておるわけでございます。
 さらに、障害児教育に大切なのは、寄宿舎の教育、これはもう寝るところではなしに寄宿舎も教育の場だ、こうとらえて、寄宿舎を教育の場にしたい、そういうことで寄宿舎教諭等の配置もしておるところでございます。
 今言いましたようなことを六年間計画で実行していきたい、こういうことでございます。
 さらに、この問題については、質問者もおっしゃいましたように、もう既に一番最初に出しましたのは一九七九年、昭和五十四年です。それから七年間実はたっておるわけでございまして、第一回目に審議いたしましたのが一九八一年、昭和五十六年、いわゆる国連で指定いたしました国際障害者年、この年に我が日本国のこの国会でも障害者に対する決議を上げておるわけでございます。これは平等と完全な参加という意味で決議を上げておりまして、その決議の中でも、障害者にかかわるすべての法律とか制度とかそういうものを速やかに改善しなさいという決議もしておるわけでございまして、その決議を国会でされましたのが昭和五十六年五月二十八日でございましたが、その翌日の五月二十九日にこの委員会で第一回の審議をいたしました。それから一九八三年の五月十八日に第二回、そして昨年に第三回の審議をいたしまして、実は本日で第四回目の審議になっておるわけでございます。
 今、全世界に障害者が四億五千万人ぐらいおると言われますし、我が国にも四百万人ぐらいおるわけですし、障害者の児童が九万人ぐらいおる。そこで五万人ぐらいの人が働いておる。こういう人たちはもう一日も早くこれを通してくださいと願望しておるわけでございますので、ぜひこれを早急に成立させたい、こう考えております。
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田中克彦#9
○田中(克)委員 今御説明がありましたように、大変長い時間をかけてこの障害児教育の前進のために努力が払われてきているわけです。特に、戦後経済の発展とともに福祉対策とりわけ障害者対策、障害児教育、こういうものに関心が寄せられまして、最もこの運動として盛り上がったのは何といっても国際障害者年である一九八一年、昭和五十六年で、「完全参加と平等」をテーマとして衆参両院で国会決議等も行われ、これが運動を大きく前進をさせ、盛り上げてきた、こう思うわけであります。しかし、こういう際に行われた議論あるいは決議の中にもありますように、いわゆる福祉対策、特に障害者対策というようなものにつきましては、一朝一夕にこれを改善するということは大変難しい、一定の長い時間をかけて、そして長期にわたるたゆみないその努力が積み重ねられて初めて、この歴史的、伝統的偏見というようなものや医学的な無知による差別意識をなくし、あるいは障害者に対する十分な理解、思いやり、こういうものが育っていくんだということが言われてきたわけであります。
 そこで、政府の方も、この障害者年にちなんで障害者年推進本部なるものを総理を本部長としてつくり、五十七年の三月二十三日には障害者対策長期計画なるものを決定をいたしております。この中に、保健医療、教育・育成、雇用・就業、福祉・生活環境の各分野に分かれてこの計画があるわけでありますけれども、特にこの教育・育成につきましても、今後十年間にわたる障害者対策の基本、こういうことで提示がされております。これは文部省十分御承知のことだと思うわけでありますが、さらにこれとは別に五十五年五月の九十一国会で定数法改正が行われ、その際に十二カ年計画も出てまいっておりまして、これに基づいて今後この計画を推進していくという方針は決められているわけであります。これは文部省の計画ということよりも、障害者対策の長期計画なるものは内閣を挙げての、いわば政府の責任における長期計画、こういうものであります。したがって、これとこの文部省自体が持つ定数改正のための十二カ年計画というものはもちろん整合性を持たせてあると思うわけであります。この計画に基づいて現状障害者対策を進めてきていると思うわけでありますが、必ずしもこれがここで言われるような計画どおりに推捗をしていない、こういう実態は指摘せざるを得ない、こう思うわけであります。
 この計画の今後における推進方策につきまして、まず最初に、文部大臣の考え方をお聞きをしておきたい、こう思います。
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松永光#10
○松永国務大臣 盲・聾・養護学校の学級編制及び教職員定数の改善につきましては、先生御指摘のとおり、いわゆる十二カ年計画の中で対処することとして、小中学部では五千百二十四名、高等部につきましては千二百九十八名の教職員定数の改善を図ることとしておるわけでございます。
 なお、この改善計画は、先生御承知のとおり、昭和五十七年度以降はその実施を抑制するということになっておるわけなんでありますけれども、盲・聾・養護学校の教職員定数の改善については、その重要性を考慮して抑制することなく、抑制前の昭和五十五年、五十六年度と同様に教職員定数を毎年百五十人ずつ増員を図ってきたわけでありまして、今後ともこの問題の重要性にかんがみまして、着実な改善計画が実行されますように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
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田中克彦#11
○田中(克)委員 大臣、今五千百二十四人の増員計画があって百五十人ずつふやしてきた、こう言われるわけですが、八〇年から八四年までに七百五十名ふやしてみても、四千三百七十四人はまだこの計画からしても大きく立ちおくれをしているわけです。そういう点をもう少し率直に文部省の立場でも現状を認めていただいて、今後どうするかという決意を私は聞きたかったわけでありますが、そういう点では答弁非常に残念でございます。しかし、時間がございませんので、こういう点を指摘だけしておいて、質問を前に進めてまいります。
    〔委員長退席、石橋(一)委員長代理着席〕
 さっき提案者からも言われております。私どもは、今質問をするにつきましても、いわば障害児諸学校、こういうことで呼んでおりますけれども、文部省の機構の中にも初等中等教育局特殊教育課、こういうことで、特殊教育、特殊学校、こういう行政用語としてもこれは実際に通用をしているわけであります。この障害者年を機会にこれを改善すべきだという意見は、今提案者からの説明がありましたように、四回にもわたって法案が出され、その都度議論がされてまいりました。特に私印象に残っておりますのは、昨年この文教委員会に湯山勇先生が出席をしまして、この問題に先生としては十数年来の執念を燃やして要求を続けてきていたわけであります。しかし、昨年の討論の中でも一向に、従前の答弁の繰り返しであって、具体的な前進がないということで、先生大分憤慨をされました。その際に、特に委員長に対して善処を要望するということで要求がございました。その際の議事録を見ますと、委員長はこういうまとめをしているわけであります。「そこで、委員長といたしましては、次の機会に何らかの御発言ができるように前向きに検討をしていただきたいという要望をいたしておきたいと思います。」いわば、委員長が文部省に対して次の機会には前向きに検討をしなさいということで要望をしているわけであります。
 したがいまして、ことしの場合は、私は前の議論をまた同じように蒸し返して同じことを言い合うというむだを省いて、去年こういうまとめになっていただいて、私の言いたいのは、実はこれは去年の五月十八日のことであります。私の記憶では、湯山先生が突如亡くなられたのは翌月の六月十七日のことであります。これはなぜ私が記憶をしているかといいますと、実は私の母親も五月十七日に亡くなりました。湯山先生がそのときに、私が質問を大変苦にしておりましたら、田中さん、親孝行はするものだ、すぐ帰って看病に行きなさい、私がかわってあげますよ、こう言って私を帰してくれたわけです。その先生がこのことに執念を燃やして議論をし尽くして、実は討論をした翌月、一カ月後に急速亡くなられているわけであります。私の立場からすれば、いわばこの湯山先生の遺志をやはり引き継いで、この会議で、次の機会にこのことについては前向きに検討して答えなさいという要求が委員長から出ているわけでありますから、私は、文部省にその責任の上からも、きょうの機会には、この特殊教育という名称を障害児教育、特殊学校という名称を障害児諸学校という形にこの機会に改めていくということについて、前向きなる答弁をぜひ聞かしていただきたい、こういうように思います。
    〔石橋(一)委員長代理退席、委員長着席〕
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松永光#12
○松永国務大臣 学校ではもちろんのこと、行政の場でもその他の場でも、差別的な用語は絶対に使ってはならぬ、私はそう思いますし、私自身そういう心がけで行動してきたつもりであります。問題は、特殊教育あるいは特殊教育課などという用語なんでありますが、これは学校教育で特別に手厚い教育をするという意味合いで使われておると思うのでありまして、差別的な用語とは必ずしも私どもは考えないまま四十年間経過をしてきた、こういうことでございます。
 湯山先生の熱心な御指摘、私もいろいろな資料で承知しておるわけでありますが、しからば、障害児教育あるいは障害児学校というふうにつけた場合が果たして妥当なのかという問題が実はあるわけでありまして一行政の内部等の場合には、これは研究する対象、取り扱う行政の対象が、文字どおり心身の障害がある児童生徒を対象にした教育を受け持つ課でございますから、これは役所の内部では私はいいと思うのでありますけれども、外で使う場合には、意味のとり方によっては当初から、はながら、そこに行っている方は心身の障害がある方というふうにむしろなってしまうという面も実はあるわけでありまして、どちらが妥当であるか、にわかに判定しがたい面もあるわけです。
 先ほど先生の御指摘にありました去年の湯山先生の御指摘の直後から、文部省では専門家に集まっていただきましてこの問題についての検討をお願いをしたわけであります。その結果としては、特殊教育という言葉にかわり得る適当室言葉がちょっと見出しにくいなというふうな御指摘も実は受けておるわけであります。私どもとしては、特殊教育あるいは特殊学校という名にこだわる気持ちはさらさらございません。国民の大部分の人が合意していただけるようないい用語がありますれば、改めるにいささかもやぶさかではないというふうなことなんでございまして、なお一層勉強していかなければならぬな、こういうふうに思っておる次第でございます。
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田中克彦#13
○田中(克)委員 昨年の答弁から一歩前進した前向きな答弁ということで私も期待をいたしたわけでありますけれども、そういう具体的なものについて示していただけなかったのは非常に残念に思いますが、既に御承知のように、東京都あたりでは、もう障害児学校という形で、障害児教育という形で呼んでおりますし、また地方へ参りましても、それぞれの障害児諸学校が、学校の名称を特別の固有名詞をつけて呼ぶとか、あるいはまた、学級の場合は先生の名前をつけて何々学級と呼ぶとかというような形に、むしろ非常な細かい配慮をしてきていることは御承知のとおりであります。したがって、私は、地方の方がむしろそういう点で先取りをしてしまって、文部行政を預かる文部省の方がむしろこの問題については後追いをしているような、そういうことについて湯山先生は非常に憤慨されたのではないかというふうに思います。福祉に対する基本的な発想の問題点の議論へさかのぼれば、また基本理念の問題になって非常に時間がかかるでありましょうから、そのことをきょうやっている時間はございませんけれども、今文部大臣が、改めるにやぶさかではない、検討さしてもらいたい、こういうことでありますから、ぜひその検討を一去年議論してもう一年たっております。一年の間にどういう検討を具体的にされたのか、そのぐらいのことについてもお聞きができる、こう思ったわけでありますけれども、これは松永文部大臣の責任で、来年この問題でまた同じような議論を繰り返すなんというようなことにならないように、ぜひ本当の意味の前向きの姿勢をこの際要求をしておきたい、私はこんなふうに思います。
 そこで、限られた時間でございますから、そういう注文をつけてまた前へ進めます。
 実は、文部省の「学校基本調査速報」、五十九年五月一日現在のものでありますけれども、盲・聾・養護学校の学校数は合計で九百二校、生徒が九万四千八百七十一人、これらのことは大体わかっておりまして、これに対する教職員の配置数は総数ではわかっているわけであります。私は、この障害児諸学校に関係する寮母、事務職、現業、介助職員、こういうものについてその数をできたらこの機会にお伺いをしておきたい、こう思います。
 なお、この中にはいわゆる国庫負担の伴うものとそうでないものと若干違いもあろうかと思いますが、でき得ましたらその内訳もあわせて聞かしてもらいたい、こんなように思います。
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高石邦男#14
○高石政府委員 昭和五十九年度の学校基本調査でございますが、それによりますと、盲・聾・養護学校の本務職員は合計で一万四千四百三十九でございます。そのうち寮母は四千七百三十一でございます。事務職員は二千八百四でございます。現業職員、これは学校給食調理従事員、用務員、警備員その他の職員でございますが、これが四千九百三十四人でございます。それらのほかに学校栄養職員等は千九百七十人となっております。また介助職員については、全体のうち千二百五十七人が介助業務を担当する職員として報告されております。
 県費負担の関係は助成局の方からお話し申し上げるかと思います。
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阿部充夫#15
○阿部政府委員 お答えいたします。
 総数はただいま初中局長の方からお答え申し上げたとおりでございますが、その中で、事務系統の職員が二千七百四十七名、寮母が四千七百十名、学校栄養職員が五百二十名、合計七千九百七十七名というのが負担法対象者でございます。
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田中克彦#16
○田中(克)委員 そのことはわかりました。
 そこで、特に問題なのは、昨年も大変議論をしたわけでありますが、寄宿舎の寮母の実態というのはなかなか大変な現状にある、こういうことであります。特に、この寮母の増員計画というのは現状ありませんので、最低保障の小規模宿舎を除き実際にはふえていないという現状になっていることは御承知のとおりであります。一方、入所者の方は、最近は非常に重度あるいは重複障害児がふえていく傾向にあるということもまた御承知のとおりであります。したがって、そういうことから寮母の負担というのは非常に過重になってきている。それが証拠には、一面で男性寮母の占める率というのは逆に言えばふえつつある。これはどういうことかといえば、重度や重複障害児がいて寮生活などで事実上介護もしながら教育をする、こういうようなことになりますと、ちょっと体の大きい障害児になれば女性の手には負えない。こういう状況なども実際にはあるようでありまして、どうしてもそこには力のある男性の手が必要だ、こういう実情もあるようであります。
 それから、前から言われていることでありますけれども、私はこの審査の前に養護学校などの現場も幾つか視察をしてまいりましたが、とにかく寮母さんが果たしている教育的役割というものは大変な意味を持っていると私は思っております。こういう重い障害児が受ける教育というものは、事実上それがそのまま、生活習慣を身につけてできるだけ自分で自分の身の始末ができるような訓練を繰り返して、それが将来の社会生活への自立につながっていく、そういう教育を中心にやるわけでありますから、これは学校の中にいるときだけが教育ではなくて、むしろ生活そのものが全部教育の場だ、こういうことになろうかと思っております。したがって、この寮生活の指導の重要性というもの、言いかえれば寮母が果たしている役割の重大さというものはもう少し直視をされなければいけないのじゃないか。
 これは昭和五十八年の数字なんですが、四千七百七十八人のうちに、いわゆる男性寮母と言われる人が実際には三百一人おります。こういう現状。しかも、私いろいろと資料をいただきましたが、神奈川の調査にしても、長野県の調査にしても、私の県の山梨にしても、寮母の健康実態を調査した表を見ますともう大同小異であります。そして、特に腰痛、それから女の人の場合であれば生理の障害、それから切迫早産、流産、帝王切開、こういうものが非常に健康をむしばんでおります。その率も、いろいろな障害を合わせれば、いわば七八%の寮母さんがそういういずれかの障害に侵されている、実はこういう数字も出ているわけであります。これは細かく申し上げたいわけでありますが、時間がありませんから総括的に申し上げたわけであります。私はそういうことを前提にして、これから二つ問題点を指摘をして回答をいただきたい。
 一つは、今言いますように、大体男性寮母なんという矛盾した言葉はないですね。寮母というのはお母さんのかわりでありますから、それが男性のお母さんのかわりなんというのは、言葉そのものとしても呼び方として矛盾しています。しかも、現場の中には男性寮母を必要とする、ふえつつある傾向、こういうものからすれば、この寮母の名称というのは、後から本法提案者の方から説明もあると思いますけれども、やはり私どもの立場からすれば、これは寄宿舎の教諭という名称と身分というものを、さきの教育的に果たしている役割や生活指導上の教育の観点から、これを身分も明確にすべきであるし、資格もそういうふうにすべきだと思うわけです。
 それから、もう一つは、生活の問題であります。寮母の場合は教育職給料表の(二)表の三等級、こういうことでありますが、それ以外にも、二等のわたりにつきましても、各府県でそれがあるところもあり、ないところもあり、またわたりの仕方についても、同じ等級から渡るのに渡る先が違っていたり、それから宿直手当につきましても、寮母手当につきましても、あるところ、ないところ。それから金額につきましても、寮母手当のごときは月額支給で二千四百円、三千二百円、いろいろな形で実際にはいわばばらつきが物すごくあります。これはそのまま、この人たちの生活が、身分が非常に不安定であるということを端的にあらわしている数字ではないかと思うわけであります。そこで、そういう点をこの際改善をしていかなければならぬ、こう思うわけでありますけれども、文部省はこういう実態についてどう考えているか、今後のあるべき姿としてどうでなければならぬか、そういう点をひとつお答えいただきたい。
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高石邦男#17
○高石政府委員 寮母の名称の問題でございますが、その名称を論ずる前に、まず教諭というのは一般的に免許状を有する者を教諭、こういうふうに言っているわけでございます。したがいまして、それと全く混同するような形の名称を使うことはどうかというふうに思うわけでございます。職務の内容が食事、洗濯等児童生徒の日常生活の世話、生活指導を主とする養育を目的として行われるわけでございますので、そういう点で、教諭という名前を使うことは免許状を有する者との混同を引き起こすというようなことから、いかがなものかと思うわけでございます。
 ただ、男性の寮母の職務に従事をする方がふえているという現実の姿がありますので、この名称、呼び方については十分検討していかなければならないだろうというふうに思っております。
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田中克彦#18
○田中(克)委員 これは後でほかの方の質疑の中でも提案者の方から考え方が示されると思いますので、時間が迫ってきておりますから、二つほど重要な問題についてだけ伺います。
 次の問題点として、寮母の宿直問題、去年も大変議論をいたしました。そこで、労働省おいでになっていると思いますから、私は、昨年のこの討論をしたものを読み直してみてもなおかつ釈然としないわけであります。要するに、労働基準法第八条十二号の教育の業務、十二号の保健衛生、こういうことで、寮母さんは十三号に該当するということで宿直が許可をされています。その際に、私はその議論を蒸し返すということじゃなくて、労働省の答弁によればこういうことが言われております。完全に睡眠がとれることを前提として宿直は許可する、これが一つ。それからもう一つは、週一回が原則として基準である。それから、通常の勤務と同じような延長ならば許可はしない、こういう見解が示されました。したがって、急病とか火災とか地震とかそういう場合に、通常の勤務と同じような状況になった場合には、その分を宿直からまたカットして通常勤務として取り扱う、こういう見解が実は前回示されているわけです。その際に、その討論の後こういうように言っているわけですね。労働省自体も、通常の場合に比べてその緊張度が非常に高いことは事実だ、週一回だけを守っていただくように文部省にお願いをしている、定員が充足されない事情でそれを超える例も間々あるようだけれども、その点につきましては今後指導監督に十分に努める、こういう約束を去年の委員会でしたわけです。
 私がお聞きしたいのは、いわば文部省とよく協議しなさいという私の質問に対してそう言ったわけですから、文部省にお願いをしているわけですね。週一回だけを守っていただくようにお願いしているわけですから、その点についてどのようなお願い、話し合い、こういうものが一体されたのか、その結果はどうなのか。
 それから、そういう点につきまして今後とも指導監督に努めてまいりたい、こうありますが、私の調べた限りでは、去年の審議をした時点と、今日私が現場を回ってみた時点、何ら一向に改善された形跡はありません。むしろ厳しくなっている状況であります。そうだとすれば、労働省としても、いつどのような指導監督をどういう手だてで都道府県なり障害児諸学校にしたのか。それから、もし具体的にやった手だてというものがあれば、そのこともあわせて御報告をしてもらいたい。
 同時に、文部省にもこのことはお伺いしたいわけですけれども、労働省からお願いをされて、具体的にどのような対応を文部省としてはとったのか、これを答えていただきたいと思います。
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菊地好司#19
○菊地説明員 御指摘の点につきましては、社会福祉施設一般の問題にもかかわることでございますが、労働時間の問題について非常に多岐に、かつ深刻な点を抱えているということで、従来から重点対象として監督指導を行い、その是正を図ってきているところでございます。五十九年におきましては、先生の御指摘も踏まえまして、従来にも増して多数の事業場に監督指導を実際に行いました。五十八年の一年間における監督実施状況の分析も取りまとまりましたので、財政的な援助あるいは関係機関の指導というようなことも必要になってまいりますから、そのようなデータも含めまして、具体的にどのような解決策が可能なのか、それをさらに突っ込んでいきたいというように考えております。
 方針といたしましては、地方段階に文部省初め都道府県の関係機関から成っております改善協議会という場がございますので、そこで各論的な詰めをやってまいりたいと思いますし、文部省とも基本的な方針について再度話を進めていきたい、かように考えております。
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高石邦男#20
○高石政府委員 先生御指摘のように、寮母に関する宿直の状況というのは必ずしも週一回という実態でないというので、昭和五十九年五月一日現在でまずその実態を把握しようということで、十二県を対象にして抽出調査をしたわけでございます。これによりますと、寮母一人当たりの月平均の宿直日数は五・二ということでございますから、四をやや上回っておるという状況であることは御指摘のとおりでございます。
 そこで、これについての改善につきましては、第五次の改善計画で、一つは、小規模寄宿舎の最低保障を八人から十人にするということが一つと、もう一つは、入会児童生徒四人につき寮母一人の基準を児童生徒三人につき寮母一人の基準に改善する、こういう計画を進めているわけでございます。したがいまして、そういう年次計画の進行による定数増等の措置と相まちながら、この問題については週一回を原則とするという方向に努力してまいりたいと思っております。
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田中克彦#21
○田中(克)委員 昨年とことしとたった一年のことでありますから、現場の様子が直ちに目立つほど変わるということになることを私ども考えているわけではありませんけれども、とにかく文部省も現場へおりて現場の実態というものを少し見ていただきたい、私はこういうことを強く要求をしておきたいと思うわけです。
 時間が既に来てしまいましたが、一つ重要な点が残っておりますので、ちょっと時間をオーバーしますが、質問をお許しいただきたいと思うのです。
 それは、私は補助金一括法の際に連合審査へ参画をしまして、地方財政法第十条の問題を指摘いたしました。要するに、義務教育に対する国庫負担制度の問題であります。それはもう言われておりますように、義務教育の問題が国庫負担制度の第一号に一、二、三、こうありまして、国庫負担の対象になっているわけでありますが、今回この中から旅費と教材費を落とすということでこの法律改正が行われました。同時に、地方財政法の三十四条で、養護学校の旅費、教材費を同じように落としてそろえるという形の措置がとられたわけであります。しかし、御承知のように、この九条に決めてあります地方公共団体の事務につきましては当然全額地方公共団体が負担すべき性格のものであります。養護学校につきましては、当時まだ義務化されておりませんでしたので、三十四条の中に第九条の例外事項として特別に取り上げられた。これが三十四条の規定という形で義務教育の国庫負担と同じ形で扱われていたわけであります。
 しかし、時間がありませんので結論の方から先にはしょって申し上げますが、その案文からしますと、要するに国がみずから進んで費用を負担しなければならないという第十条の規定と、それから第三十四条の方は、地方公共団体の事務として養護学校が位置づけられ、当分の間この費用を国庫負担していくという表現になっているわけであります。そうしますと、いわばさきの名称の問題、特殊学校を障害児学校と呼ぶというように、社会福祉や障害児教育に対する発想の転換をする時期に来ているということでありまして、今回の政府の答弁をかりれば、十条の中から旅費、教材費を落とすということは、この負担につきまして地方自治体に負担をさせることに制度として定着してきているから一般財源化するのだというのが政府の言い分でありました。三十四条の養護学校については五十四年に義務教育化されてきているわけであります。したがって、そうだとすれば、今回当然第十条の国庫負担の項目の中に取り込むべき性格のものである、そういうふうに私は思っているわけであります。そのことについて、私あれを読んでみましてもどうしても釈然としませんので、この辺についての自治省の見解をぜひお伺いしたい、こう思うのです。
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鶴岡啓一#22
○鶴岡説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、地方財政法の三十四条の四号の方で、義務教育の小学校、中学校に係ります教職員の給与、従来の規定でいきますと教材等の経費は国が全部または一部を負担するという規定になっているわけでございます。この規定が入った経緯は、先生御指摘のとおり、昭和三十一年に公立養護学校整備特別措置法ができました際に、その附則でこういう規定を置いたわけでございます。御案内のように、その当時義務教育化されていない等々の事情がありまして、第十条の規定の中に書くということよりは三十四条に書くということが立法上いいのではないかということでやったわけでございます。
 御案内のように、五十四年に義務教育化されましたけれども、いわば地方財政法を改正した経緯になりました公立養護学校整備特別措置法がまだ引き続き残っておりますので、全く法理論的なお答えで恐縮でございますが、三十四条に引き続き規定を残すことが適当であろうという判断をして今日まで来ているわけでございます。今回、この旅費、教材費につきまして同化定着しているということにつきましては、私どもは養護学校の教育費に関しても同様に判断されるということでそういう措置を予算上もとらしていただき、この間成立しました一括法でそういう改正をしたわけでございます。
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田中克彦#23
○田中(克)委員 もう時間がありませんから、あえてあれしませんが、もしそうであるとしても、国庫負担制度の場合には、経費の種目等従来法律にその負担根拠の規定を欠くものがあったり、負担区分が必ずしも明確でなかったというようなものもあったりして、そういうものを昭和五十年から五十一年にかけて関係法律の整備を行うとともに、地方財政法等の一部を改正する法律として国庫負担規定の一括整備を行ったという経過もあるように、いわばそういうものを全体的に整備をしていくことがこの際必要ではないか。だから、それを言っているわけでありまして、今後私ども十分この点は勉強いたしまして、また後の機会に討論さしていただきたい、こんなように思います。
 質問は以上でありますけれども、私は、最後に提案者に注文をいたしておくわけでありますが、先ほどから明らかになっているように、これはもう四回目ですね。昨年の議論とことしの議論がどういうふうに発展しているんだということになると、それも余りかわりばえがしない。そういうことを繰り返していても、国会でこれだけの重要な問題を審議する意味が余りない、私はこういうように実は思っているわけです。したがって、そういうことからすれば、この機会にこれらの問題について今後、従前審議はしてもこれが継続審議に持ち込まれるあるいは廃案になる、こういう形でいわばしり切れトンボになっておる。一回、各政党、各議員、委員、こういう人たちの意思表示をする機会を私はぜひつくってもらいたい、こういうふうに思うわけです。
 これは提案者としては委員長にも要求すべきことだ、私はこう思っておりますが、提案者はどのようにお考えですか。
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馬場昇#24
○馬場議員 この法律が一日も早く成立しなければならないような重要な問題が、障害児の児童の教育の問題、そこで働いておる人たちの健康の問題でたくさんあるのですから、一日も早く成立してもらいたいわけでございます。
 今おっしゃいましたように、実はこれ四回審議いたしまして、最初に提案してから七年たっているのです。そして、この委員会でも十数名の人が質問しているわけです。政府が出しましたものでもそのくらいやったら必ず結論を出しているわけです。そういう意味で、もう慎重審議を尽くした、この辺で成立さしてもらいたい、こういう気持ちでいっぱいでございますし、さらに、議会制民主主義からいいましても、政府が出した法律を大切にして、議員が出した法律を後回しにする、これは民主主義の基本に反すると私は思うのですよ。特に、諸外国の進んだところでは、議員が出した法律こそ先議する、優先するということもあるわけでございますから、これはぜひ私の方からも委員長にお願いをして、この機会に成立するようにここで結論を出していただきたい、そういう気持ちを持っております。
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田中克彦#25
○田中(克)委員 質問は終わりますが、委員長、今提案者もそういう要求を強く持っているようであります。したがって、委員長の本法律案に対する扱いの問題について、委員長見解なるものをぜひ明らかにしていただきたい。
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阿部文男#26
○阿部委員長 委員長より申し上げます。
 田中委員の発言につきましては、極めて重要な問題でございますので、理事会において十分検討さしていただきます。
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田中克彦#27
○田中(克)委員 終わります。
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阿部文男#28
○阿部委員長 伏屋修治君。
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伏屋修治#29
○伏屋委員 さきに質問されました方と重複を避けながら、若干の質問を申し上げたいと思います。
 まず最初に、障害者の数の実態、それからその教育に携わる教職員の実態、これは文部省と提案者との認識の差異はそれほどないと思いますけれども、文部省側と提案者の方から御説明をいただきたいと思います。
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