西村康雄の発言 (運輸委員会)

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○説明員(西村康雄君) 日本航空一二三便の事故の概要及び対策の概要について御説明申し上げます。
 この事故は、昭和六十年八月十二日十九時ごろ発生したものでございまして、航空機の墜落場所は、群馬県、長野県の県境、三国山付近、三国山の北西部でございます。墜落航空機は日本航空株式会社所属ボーイング式747SR100型、航空機登録番号はJA八一一九でございます。この飛行機は日航一二二便として東京国際空港を十八時に出発し、大阪国際空港に十九時に到着する予定でございました。実際に同機は十八時十二分に東京国際空港を出発しております。同機の搭乗者は、乗客五百九名、うち幼児十二名、乗員十五名、計五百二十四名が搭乗しておりました。乗員は機長が高濱雅己以下でございます。
 事故に至る経過と捜索活動の状況について申し上げます。
 本航空機は、八月十二日十八時十二分に東京国際空港を離陸し、大阪国際空港に向け飛行中、十八時二十五分、伊豆半島東方上空で東京航空交通管制部に対しまして異常事態が発生したという緊急連絡を行い、東京国際空港へ引き返すことを要求してまいりました。同管制部は、直ちに、大島上空を経由し同空港へのレーダー誘導を行うために右旋回して東方向に戻るよう指示を行いましたが、同機からは操縦不能との報告がございました。同機はさらに北西に向かい、駿河湾上空を横断して焼津付近上空で針路を北にとり、不安定な飛行を続けながら富士山の西側の上空を通過し北東に向かいました。大月付近上空では高度を下げながら北上し、十八時五十七分、東京国際空港から磁方位で三百八度、五十九海里の地点で羽田レーダーの画面から機影が消失したわけでございます。
 この直後、関係機関は直ちに捜索業務を開始いたしまして、夜を徹しまして、航空自衛隊を初め陸上自衛隊、警察、消防等の関係機関が空と地上から必死の捜索をいたしました。その結果、八月十三日の払暁に群馬県、長野県の県境の三国山付近で墜落している現場を確認したわけでございます。
 事故対策の概要でございますが、政府は、今回の事故の重大性にかんがみまして、捜索救難活動を強力に推進するため、事故発生の八月十二日に直ちに運輸大臣を本部長とする日航機事故対策本部を設置いたしまして、昨日までに五回にわたり会議を開きまして、生存者の救出、遺体の収容に全力を尽くすことを申し合わせ、関係機関の協力体制の確立、ヘリポートの設置、その他緊急に措置すべきことを決定し、これを実施に移しております。
 また、運輸省について申しますと、事務次官を長とする事故対策本部を事故発生後直ちに設置しまして、関係機関との連絡体制をしいたわけでございます。
 現地における捜索救助活動について申し上げますと、事故の現場が確定されました八月十三日の午前十一時五十分に、群馬県の多野郡上野村には現地における捜索救助活動に当たる体制として現地対策本部が設けられております。現地におきまして捜索救助活動に当たりました要員、機材の出動状況について申し上げますと、昨八月十五日までの出動状況は、防衛庁が延べで一万六百人、航空機が九十機、警察関係では延べで七千五百人、航空機十六機、消防関係では三万三千人、車両二百七十両、航空機二機、海上保安庁が四十五人、航空機七機というのが出動しております。
 現場の状況は、非常に山奥で、地上からは約五、六時間の行程を要する道のない山奥でございます。現場は三十度ないし四十度の急傾斜地で人間が立っているのも困難な場所でございます。この場所におきまして、十三日の早暁からヘリコプターで人員が次々と降下しまして救助活動を開始いたしまして、まず第一に生存者の救出に努めたわけでございます。この結果、十三日の午前中には四人の生存者が発見されまして、生存者は吉崎博子さん(三十五歳)、吉崎美紀子さん(八歳)、川上慶子さん(十二歳)、落合由美さん(二十六歳)、いずれも女性でございます。このほかには生存者は現在までに確認はされておりません。
 それから遺体の収容、確認でございますが、現在、遺体の収容、確認には全力を挙げておりまして、本日十三時現在では、収容遺体総数は二百八十八体、身元確認がなされた遺体は百四十七体でございます。現在引き続き遺体の搬出に努めておりますが、なお三百の遺体が現場にあるわけでございまして、これらの遺体は現場の谷底にあるということで、非常に搬出が難しい状況がだんだんふえてまいりますが、現在のところ、さらに現場にヘリポートの増設をする等、可能な限り遺体の引き揚げの速度を速めるように努力を続けているわけでございます。現在対策本部では、この遺体の引き揚げにつきましていろいろな方策を引き続き検討して、全力を挙げてこれに努めていく所存でございます。
 それから事故の原因の調査でございますが、航空事故調査委員会は、十二日の午前中に委員長ほか十二名の担当官が現場に到着いたしまして調査を開始しております。現在、墜落現場の機体の残骸と海上からの揚収物件の収容、情報の収集に当たっております。八月十四日の午後にはボイスレコーダーとフライトレコーダーが発見されまして、その調査、解析を始めたところでございます。
 それから浮遊物でございますが、相模湾付近の海域で八月十三日に垂直安定板の前方上部、そして十四日には補助動力装置の空気取り入れ口ダクト、下部方向舵の表面、さらに八月十五日には垂直安定板前方上部の一部が発見されたわけでございます。海上保安庁では引き続きこの相模湾を中心とする海域の海上捜索を実行しております。
 それから今回の事故原因につきましては、現在航空事放調査委員会で調査中でございますが、これまでのところ、垂直尾翼の損傷が事故原因の端緒であるという疑いが非常に強くなってまいりました。そこで、とりあえず、八月十五日、ボーイング747型の航空機を所有しております航空会社四社、日本航空、全日本空輸、日本アジア航空、日本貨物航空の各会社に対しまして、この型の航空機の垂直安定板と方向舵について所要の検査を行い、ふぐあいがあれば修理するということを指示したところでございます。
 現在の事故の概要及び事故対策の概要は以上でございます。

発言情報

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発言者: 西村康雄

speaker_id: 17309

日付: 1985-08-16

院: 参議院

会議名: 運輸委員会