吉川芳男の発言 (地方行政委員会)
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○吉川芳男君 国民のすべての財産だから慎重にひとつ取り運びたいと、これはまことにお役人的答弁でございますが、これに対しまして、私は前回の委員会でも「NEXT」という雑誌を持ってきまして、その中で田中元総理の、ひとつ電電法案をうまく民営化して時価発行でもして国民の経済の活力を導入すれば百兆円になるんだという案を私御披露申し上げたことがございます。しかし、そううまくいくものかなと実は私も、この資料によりますと電電公社の大体の収入は五十八年度で四兆五千五百億、支出で四兆一千六百億、利益で三千八百四十億、それに資産状況でございますが、大体十兆五千億、負債の総額でもって五千五百九十億、純資産で四千九百二十億円、こういうわけですから、非常に簡単な簿記で言えば、今、資本の額もひとつこれからゆっくり決めなきゃならぬ、こういうお話ですが、総資産から負債を引けば五兆円というふうに算術計算的にはなるかと思います。
この五兆円ぐらいの資本金の会社、これだけの売上金と収益が上がりそうな会社が一体、田中先生、百兆円になるノーハウはどういうところにあるんだ、こう私が簡単に聞いたら、まあ忙しい人ですからるるは話ししませんが、まず第一に資産に含み資産がある。これがどれぐらいあるかということは電電公社も大蔵省もよく計算をし直しているんじゃないかと思うんですが、そのほかにこれは世界もうらやむほどのノーハウを持っているんだ、電電公社は。これを一つ考えなきゃならぬ。さらにKDD、国際電信電話会社の株価を見たらどうだ、五百円発行の株価が今や二万六千円になっているわけですね。
私は何も、四月一日公社が民営化された、それ株は売れ、こういうふうなことを言っているのじゃないのでありまして、一年間は三百六十五日あるわけですから、その間に十分検討して、そして何も一挙に、田中先生の言葉じゃないが、百兆にせよと言っているのじゃないんです。大体六十年度には三千億なり五千億なり、それなりの金が財政に寄与すればいいのじゃないですか。それに、何も売る株の数量と単価が決められなければこれは予算に上げられないのだ、こういうこそくな考えはとる必要はないと私は思うんです。
私は、大体今のこの大蔵省の考え方の中には、昨今、貧すれば鈍するとは言いませんけれども、どうも財政が不如意になったからということが、下世話に言えばしみったれているとでも言いますか、例えば自治省に対しまして高率補助金を一割カットするとかあるいは公共事業の資金を一割カ
ットするとか、自分だけつじつまが合えば人様の会計はどうなってもいいというような、いわゆる悪い言葉で言えば苛斂誅求的な考え方がどうもあるのじゃないか。やっぱり昔から野に遺賢ありという言葉がありまするけれども、私は田中元総理は、それは日本の国の一番の権力者とは言いませんですけれども、これは日本一の実力者と言ってもいいんじゃないですか。また、あなた方の大蔵大臣の大先輩でもあるんでしょう。こういうことを、そういういいお知恵があるならひとつかしていただきまして、使わしていただきまして、そしてこの財政再建のためにひとつ働かしてもらいます、こういうのがやっぱり私は素直な態度だと思うんです。
今のこの財政再建なんというのは、それは確かに大命題でありまするけれども、果たしてこれで財政再建が成り立つかどうかということは、もう新聞の漫画の方でやゆしていますよ。
この間もある漫画を見ましたら、中曽根総理風な人が財政再建という掛け字を見て、なかなかいいできだ、こう見ているけれども、その後ろから金丸信さんが宗匠風な格好で、これは財政再建でなく、「増税なき財政再建」のなきのところは、これは泣き泣きなんだ、「増税、泣き泣き財政再建」というのが本当だ、こういうふうに言っています。
それは、さっき冒頭申し上げたような、小さないろんなOA機器の税金だの、それから酒税だとか、そういう小手先のことをしなくても、それは政府も百二十二兆借金しているでしょう、しかし民間には四百二十兆も資金があると言っているんですよ。それを税金で出してくれと言えば、国民はそれはいやだと言うでしょう。しかし、もっと今の国の中で、北風ぴゅうぴゅうでなくて、温かい措置でするならば、民間の活力は出ますですよ。そういう考え方はとれないのかどうか、それをひとつお聞きします。