愛知和男の発言 (地方行政委員会)
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○衆議院議員(愛知和男君) ただいま議題となりました行政書士法の一部を改正する法律案及び住居表示に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
まず、行政書士法の一部を改正する法律案について申し上げます。
御承知のように、昭和二十六年第十回国会における行政書士法の制定により、行政書士の地位は確立されたのでありますが、その後、国民に直接関連する行政分野の多様化、高度化等に伴い、行政書士の果たすべき役割は著しく増大しております。
これに対応して行政書士法の改正も幾たびか行われてきたところでありますが、最近の行政書士法の施行状況を見ますと、行政書士の業務のより適正な運営に資するためには、登録事務の一元化、登録の拒否及び取り消し、資格審査会の設置、行政書士の受ける報酬、自治大臣の援助等について速やかに法改正を行う必要があると考えられるのであります。
これが、本案を提出いたしました理由であります。
次に、本案の内容について御説明申し上げます。
第一は、昭和五十七年第九十七回国会の改正で、行政書士試験が国家試験に改められたことにかんがみ、行政書士となる資格の認定の全国的な統一を図る等のため、現行法では、都道府県の行政書士会が行っている行政書士名簿の登録を、日本行政書士会連合会が一元的に行うこととし、これに伴い、所要の規定を整備することとしております。
第二は、行政書士に対する社会的信用の確保に資するため、行政書士の登録の申請をした者が心身の故障により行政書士の業務を行うことができない者または行政書士の職責に照らし行政書士としての適格性を欠く者であるときは、登録を拒否しなければならないこととしております。また、あわせて、行政書士の登録を受けた者が偽りその他不正の手段により登録を受けたことが判明したときは、当該登録を取り消さなければならないこととし、登録の取り消しを受けた者は、当該処分を受けた日から二年間は行政書士となる資格を有しないこととしております。
第三は、登録に関する処分の公正を確保するため、日本行政書士会連合会に会長及び委員四名をもって組織する資格審査会を置き、登録の拒否、取り消しまたは抹消について必要な審査を行わせることとしております。
第四は、現行法では行政書士の受ける報酬は、行政書士会の会則で定める額を超えてはならないとされておりますが、行政書士制度の成熟した今日においては、このような規制を存置することは適当でなく、また、類似の制度との均衡も考慮して、これを削除することとしております。
第五は、行政書士の資質の向上を図るため、自治大臣は、講習会の開催、資料の提供その他必要な援助を行うよう努めることとする規定を設けることとしております。
このほか、本法の施行に伴う経過措置等所要の規定を整備することとしております。
次に、住居表示に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
御承知のように、住居表示に関する法律は、昭和三十七年の第四十回国会で制定されましたが、当初におきましては、住居表示の実施に当たり、その合理化を追求する余り、従来の町の区域を全面的に改編したり、また町名を全面的に変更したりしたため、由緒ある町名が消滅し、批判を招くような事例が少なくない状況でありました。
このような事態を改善するため、昭和四十二年の第五十五回国会において、住居表示の実施に当たっては、できるだけ従来の町または字の区域及び名称を尊重するとともに、住民の意思を尊重しつつ慎重に行うよう手続を整備する改正が行われたのであります。
しかしながら、その後の住居表示の実施状況を見ましても、なお一部の市町村におきましては、町名について従来の名称と縁もゆかりもない名称をつける等必ずしも適正とは言いがたい事例も見受けられるところであります。
そこで、本案は、このような状況を踏まえ、町名等はそれ自体が地域の歴史、伝統、文化を承継するものであることにかんがみ、住居表示の実施に当たって旧来の町名等がより一層尊重されるよう、町名等を定めるときは従来の名称に準拠することを基本とするとともに、住居表示の実施に伴い変更された由緒ある町名等の継承のための措置を講じようとするものであります。
これが、本案を提出いたしました理由であります。
次に、本案の内容について御説明申し上げます。
第一は、街区方式による住居表示を実施する場合において、町または字の名称を新たに定めるときは、できるだけ従来の名称に準拠するとともに、読みやすく、かつ、簡明なものにしなければならないとしている現行第五条後段の規定を削除し、同条に第二項を設け、まず、新たな町または字の区域を定めた場合には、当該町または字の名称は、できるだけ従来の名称に準拠して定めなければならないことを基本とし、これによりがたいときに限って、できるだけ読みやすく、かつ、簡明なものにしなければならないこととしております。
第二は、由緒ある町または字の名称で、住居表示の実施に伴い変更されたものについて、その継承を図るため、市町村は標識の設置、資料の収集その他必要な措置を講ずるように努めなければならないこととするとともに、その事務について、自治大臣または都道府県知事は、市町村に対し、報告を求め、または技術的な援助若しくは助言をすることができることとしております。
このほか、本法の施行に伴う経過措置等所要の規定を整備することとしております。
以上が両案の提案の理由及び内容であります。
これらの両案は、衆議院地方行政委員会におきまして、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の五党の合意に基づき、委員会提出の法律案とすることに決定され、衆議院で可決されたものであります。
何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
なお、衆議院地方行政委員会において、政府は旧来の町名等をできる限り消失せしめないよう、市町村に対して指導すること等、町名等の保存及び継承に関し決議が行われたことを申し添えます。