本田詔一の発言 (農林水産委員会)
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○本田参考人 参考人の本田であります。
私たちの農林年金は、ほぼ同一の職場実態にある市町村役場の職員と対比しまして低賃金であった、それから、市町村職員共済組合よりも年金受給などで老後保障も低劣であったというようなことが条件になりまして、その職場に有能な人材を確保し、またその人たちの待遇を改善し、老後保障を充実して安心して働けるということを前提に、昭和三十四年に誕生したというわけであります。
しかし、現実にそういう問題が全部解決されて私たちの職場が今日まで来ているかというと、必ずしもそうではないというふうに言い切れると思います。そういう中で、茨城の農協の実態、これは全国の農協の実態と言っても過言ではないと思うのですが、それをざっくばらんに報告をしてみたいというふうに思います。
茨城は今年の十一月、状況調査というものをやっております。その中で農協の職員数が五千九百七十八人という結果が出ております。この数字は昨年と対比しましてわずかに三名増というような結果であります。それから、平均年齢を見ますと三十五・二歳ということで、これも前年よりも〇・四歳ほど高まっているというのが実態であります。そういう三十五・二歳の平均年齢の職員がどういう賃金実態下にあるかと申しますと、何とこれが十七万七千五百三十八円という結果になっております。三十五・二歳で十七万七千五百三十八円という実態であります。
こういうことでありますから、当然五十五歳の退職時の基準内基本給になりますと、例えばの例でこちらで調査した結果がありますので御報告しておきますと、本県でもナンバーワンと言われる賃金を誇っている農協に結城市農協というところがあります。そこに五十五歳の年齢の人が現在二名おるわけですけれども、その二名の平均賃金が二十八万四千六百四十三円です。ところが、県内の非製造業の二百九十九人以下の企業、これで調査をしますと、新制高校及び旧制中学校卒ということで五十五歳の平均基本給が三十六万一千三百七十四円というように、もうここで相当の開きが出ていることが実態として明らかになっているわけであります。
それから、今も五十五歳ということで例をとりましたけれども、まだまだ農協の職場は六十歳定年に着手したばかりで、五十五歳、五十七歳というのが圧倒的であります。そういうことが現在の農協の実態だと思います。
それから、最近特に目に見えていることとして、減量経営と株式会社化という問題について報告をしておきたいと思います。これは先ほど人数で申し上げましたが、たった三名しかふやしていないということで、減量経営の極端なことがうかがい知れると思います。と同時に、多様なニーズにこたえるためということで、株式会社ということで農協から切り離して会社を設立しておる。そういうのが最近の農協の中で変わった実態だと感じております。
そういう現在の農協における低賃金の実態からして、今度の国庫補助削減による保険料の大幅引き上げが実施されれば、農協労働者は毎月の生活さえ圧迫されるような状況になってしまうというようなことであります。それから、年金額が切り下げになれば今よりも老後保障が低劣となって、毎月苦しくなってなおかつ老後も安定して生活できないということで、不安ばかりの毎日になってしまうというのが実態かと思います。
年金支給開始年齢をとっても、六十五歳になってしまえば、今が五十五歳、五十七歳が圧倒的でありますから、このギャップがあって、大きな問題となるだろうと考えます。
それから、年金適用対象範囲についても、先ほど報告しましたように関連企業というような格好で職場から切り離してしまっています。これは今の法律でも農林年金には入れません。そういう格好でますます農林年金の底上げができない環境になりつつあるということだと思います。臨時職員等の加入有資格者についても、余り厳しくチェックされておらないものですから、現行法でも四カ月以上たてば農林年金に加入させなければならないことになっておりますが、臨時だとかパートだとか嘱託という職員については必ずしもそれが守られていないということで、これについても底上げを阻止している原因になっているということだろうと思います。
そういう問題については、五十九年度末の所要財源の増加が千分の二十九・三八というようなことで言われていますが、これらの要因の中に、組合員数の伸びが停滞したことによるものが千分の十二・九二ということになっております。これを見ても、この関連企業の問題をどうしていくのか、それからこの臨時職員等の加入促進についてはどう罰則規定を厳しくしていくのかということについても、現行の中ででも触れていただきたいと思います。
そういうような今の状況を報告しまして、今度の農林年金制度の改悪案については、私たち農協に働く労働者にとっては将来への不安を募らせるばかりでなく、毎月の生活をも圧迫することが必至だと受けとめております。農林年金に加入をして保険料を支払い、老後に一定の給付を期待している私たち若い労働者にとっても、今回の法案が給付水準の大幅低下ということで残念でなりません。農林漁業の見直しなど、その職場の特性を十分検討し、対策を講じていただくと同時に、社会保障財源は税負担という原則を前提に農林年金制度を再度見直し、検討していただいて、私たちが将来ともに安定して働けるように、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
以上で、意見を述べさしていただきました。ありがとうございました。(拍手)