小川国彦の発言 (決算委員会)
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○小川(国)委員 実はこのほかにまだ問題がございまして、夫の減収分というのは、夫婦の減収分四十三万三千五百円だけではなくて、将来の年金の減額、退職金の減額にまでなってまいります。そのために、奥さんが九十万円以上働くということについては、御主人の方から苦情が出る、不満が出る。もちろん夫婦間の収入が減るわけですから、夫婦ともにそこは考えて、もう九十万円以上働かないということになってしまうのです。
そのためにどういうことが起こるかといいますと、パートを使っているのはもう圧倒的に中小企業なんです。大体三十人未満のところが半分を超えているわけです、パートを使っているところは。半分から七割ぐらいになっているかと思いましたが……。そういう状況のために、例えばパートが月十万円で年間百二十万になってしまうといけませんから、九月になればもうパートはやめてしまう。そうすると、中小企業の商店やいろいろなところで、事業主は、暮れの忙しいところへきてパートにやめられてしまう。しかしパートは、九十万を超えたら、今もおっしゃるように、四十五万円も負担がふえてしまうわけですからこれはもう行けない、こういう現実がある。
しかし、世界の趨勢は、北欧にしてもイギリスにしてもフランスにしても、パート労働者が全労働者の半分を占める時代になってきている。そういう状況を考えてみると、日本のパート化もどんどん進んでいく、それが有夫の低所得の方々である。こういうことを考えてみると、せめて百二十万までは働かせてもらいたいというのが主婦の願いであって、そして、ふえた三十万円の分の税金は負担してもよろしいという考え方の主婦が多くなった。ただし、扶養者控除を外さないでほしい、四十五万も減収になるようなことはしないでほしい。
私は、これをいろいろな角度から研究をいたしました。この一年来、大蔵当局の皆さんにもいろいろ伺った。例えば、九十万の限界を一万円でも限度額を上げると、国としては五十億の税収減になる。今度の野党の要求で百二万円という要求が出ています。これを仮に十万円その限度額を上げたとすると、国は五百億の負担をしなければならぬということになるのです。
私は、そういう減税要求の問題は野党共同提案でやっていることで、これはこれとして、これから政府の中で考えていかなければならない問題だと思いますが、それと別な角度で、この主婦のパートを百二十万まで働かせることができるというふうに、検討した結果、そういう結論を一つ導き出した。それは、現行の所得税法の第二条三十三号のロにおいて、控除対象配偶者の要件の定めというのがありまして、「その所得の全部が給与所得等である者で、その合計所得金額が三十三万円以下であるもの」、こういう規定があるわけなんです。これでいきますと、従来の夫の控除を受ける配偶者控除額の三十二万円、これを引き上げるということは私は言っていないわけです。それとは別に、この規定のいわば控除対象配偶者の要件を定めている限度額を、三十三万円というようになっているところを六十三万円というふうに改正をするならば、それだけで主婦に百二十万働かせることができる。そのために国の税収に与える影響というのは、私は、極めて微小なものではないか、こういうふうに判断しているわけなんです。
ですからこの点は、大蔵大臣を初め大蔵省もぜひ検討を願って、この所得税法第二条三十三号のロの規定の限度額を三十三万円から六十三万円に変える、こういうことでパートが、扶養控除も外れない、安心して百二十万まで働ける、中小企業の安定にもなる、こういう考え方をひとつ御検討願えないだろうか、こういう提言を申し上げているわけですが、大蔵大臣、いかがでございますか。