金子みつの発言 (社会労働委員会)

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○金子(み)委員 その点はぜひ確認をして、よろしくお願いします。
 そこで、次の問題は、こういう記事があるのです。
  戦後の混乱の中で、中国の地でわが子と離ればなれになった親。必死にさがしても見つからず、血の出るような思いであきらめ、日本に帰った人たち。あるいは、願いをこめて中国の地にあずけて帰国した人たち……。どうか無事でいてほしいとの祈りの中での別れでした。
  その親の思いを、中国の人たちはしっかりと受けとめたのでした。敵国——ついきのうまで軍靴で踏みにじられた敵国の子供を保護し、預かって育てたのです。逃げおちていく日本人の心を、母親や父親、肉親の子を思う”親心”を、中国の人たちは黙って受けとめてくれたのでした。
  わが子を中国の人に託して帰った日本人とそれを預かった中国の人々。真心と真心の結び合いに、私は深く感動させられます。中国の人に、ありがとうと心からお礼をいいたいと思います。
こういう記事がございます。まことにそのとおりだと思いまして、その問題は非常に貴重な問題でございます。
 そこで、これを読むまでもないことだと思いますけれども、日本が今なすべきことは何かということなんですが、今までお話し合いをしておりました肉親捜しも一つの方向だと思います。捜して、そして日本人であることがはっきりして、肉親がわかって、日本へ、何というのですか帰国して、そして移住する人もあると思うし、あるいはわかったことで安心して、わかったんだからよかったということで安心して、また中国へ帰って中国で生活をする人もあると思います。いろいろその人その人の事情があると思いますので一概には言えないと思いますけれども、いずれの場合でも日本がすべきことは、特に中国で育てられて日本へ戻ってきて、そして日本で生活を改めてやるという人たちは、中国に養父母を残してきているわけですね。
 この残された養父母の人たちに対する感謝の気持ち、今の文章にもございましたけれども、それを具体的な手段として、要するに感謝の気持ちを具体的にあらわす方法としての扶養費とでも申しますか、今まで長い間育ててくださったことに対するお礼の気持ちを何がしかの形であらわさなければいけないということが考えられると思います。どういう言葉を使ったら一番適切なのかわかりませんが、扶養費という言葉でいいのかどうかわかりませんが、要するにそういう意味のことでございます。
 このことは御承知だと思いますけれども、中国残留日本人孤児問題懇談会というのがありますね。この懇談会の報告書の中にも、「養父母等に対する扶養費の支払い等」、ここには「扶養費」と使ってありますね。「日本政府は一日も早くその支払いを開始すべきである。」というふうに書かれております。これは昨年七月二十二日のものでございますから、昨年の七月と申しましたらもう間もなく一年になりますが、こういうことが出されて、「一日も早く」というふうに書かれているわけでございます。
 私もこれに全く賛成で、最初に訪日調査が始まったのが五十六年でございましたから、それからいきますともう四年はたっているんですね。五年目に入っている。そうすると、中国の養父母の方たちもだんだん年をとられて病気にもなられるかもしれないし、あるいは死亡されることもあるかもしれないしというような不幸なことも考えないわけにはいかなくなります。そして、この考え方が、だんだん両方の間の溝が広まり深まっていくような感じがして大変に寂しく思うわけでございます。これをできるだけ早く実現させるという必要があると思うのですけれども、今日までなお実現できないのはどういうわけなんでしょうか。何がネックになってこういうことになっているのでしょうか、それをぜひお知らせください。

発言情報

speech_id: 110404410X00919860403_019

発言者: 金子みつ

speaker_id: 24663

日付: 1986-04-03

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会