岸田俊輔の発言 (大蔵委員会)

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○政府委員(岸田俊輔君) 一任勘定を認められます業者につきましての資本金の問題でございますが、まず、法律案ではこれは法人でなければいけないという限定をいたしております。ただ、資本金の額の算定でございますが、これは資本金が多ければ安全である、小さければ不安であるというわけにもいかない。ないしは、その人的構成も十分見ていかなきゃいけない問題でございまして、現在までできておりますいわゆる証券系、銀行系の資本金を見てまいりましても、大きいところでは四億五千とか八億とかというのもございますが、千万円台のものもございます。ここら辺は、資本金基準をどの程度にするかということも一つの問題ではございますけれども、それが決め手にはならないんじゃなかろうかなというふうに私どもは考えております。
 それから、信託銀行との競合の問題でございますが、信託業務と投資一任業務とは、法律的には、まさに預かる財産の所有権が移るか移らないかということで極めて明快に分かれているわけでございますが、実務面ではなかなかそういうわけにもいかない面もあるわけでございます。ただ、実際問題といたしましての機能といたしましては、信託銀行と投資顧問業者というのは極めて明快に分かれておりまして、最近、聞くところによりますと、信託銀行も投資顧問会社をつくりたいという意図があるように聞いております。そこら辺で実務的には区分が明確に分けられるのではないかというふうに考えております。
 それから、投資一任業務が大口投資家のみを対象にして一般庶民はこれにかかわりないではないかというお話でございますが、まず、投資一任業務と申しますのは、顧客の財産を直接動かす、まさに顧客との間の非常に重要な信頼関係のもとにおきます大切な仕事でございます結果、その資金運用につきましては慎重にかつ精密に計画をしなければならない。そういたしますと、ある程度の高度の人的組織なりなんなりが必要になってくる。そのことがすなわちある程度のコストがかかってくるというわけでございます。その場合、小口の投資の委託を受けます場合には、そのコストと見合わない結果、もしも受けた場合には極めて安易に運用が行われるという危険性があるわけでございます。
 それから、小口の投資家と申しますのは、一般的に言えば、まだ自己責任原則というものが徹底していない面もあるわけでございまして、小口の投資家に一任運用を認めます場合にはどうしてもトラブルが多発するのではなかろうかなというふうに私どもは心配をいたしているわけでございまして、小口の一般的な投資家につきましては、一任運用を利用するということを考える場合には、むしろ合同運用という形で、投資信託で大きく資金をまとめて、それを小口化して販売をいたします投資信託等を利用されるのがベストな方法ではなかろうかなというふうに私どもは考えております。
 それから、いわゆる銀行系、証券系の親会社との癒着の問題でございますけれども、法律的にはこの癒着の問題というのは非常に念頭にございまして、役員の兼業禁止とか、または契約時の書面に親会社との関係、資本関係等は十分ディスクロージャーするというような手当てをいたしているわけでございますが、現実の問題としてこれから投資顧問業界はかなり激しい競争の時代に入ってくるだろうと思います。その場合に、その会社が親会社と癒着して顧客に損失を与えている、ないしは実績が上がらないような結果が出る場合にはそういう投資顧問業者はこの業界から脱落していくという、いわゆる市場の原則というのが働いてくるのではなかろうか。この点はアメリカやイギリスの事例を見てもこれが実証されていると考えておりますので、法律的にも十分手当てをいたし監視はいたしますけれども、事実上市場原理でここら辺は排除できるのではなかろうかなというふうに考えております。

発言情報

speech_id: 110414629X01419860520_018

発言者: 岸田俊輔

speaker_id: 34744

日付: 1986-05-20

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会