櫛渕欽也の発言 (農林水産委員会)

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○政府委員(櫛渕欽也君) ただいま御指摘の五項目の研究課題につきましては、先生御指摘の五項目のそれぞれが現在いろんな形で研究を続けているわけでございますけれども、これまでにそれぞれの課題の中で注目すべき成果を得ておるわけでございます。
 例えばまず第一の項目は細胞融合・核移植による新生物資源の開発、こういうテーマでございますが、この中で注目すべき成果としては、細胞融合の手法によりまして、従来不可能とされていました栽培種のトマトと野生種のトマトの融合細胞から稔性のある個体の作出に成功しております。さらにまた、遺伝子組みかえの研究の中ではベクターの研究というのが非常に重要なわけですけれども、こうした研究の中でバイナリーベクター、植物に遺伝子を組み込む場合に非常に有効な新しいベクターの開発に成功しておるわけでございます。
 第二の農業生物における遺伝子発現機構の解明でございますが、この課題の中では、先般新聞等にも発表がありましたけれども、米の主要なたんぱく質でございますグルテリンの遺伝子を単離しまして、そのアミノ酸の配列を決定したところでございます。
 さらにまた第三の光合成呼吸機能の生理的、遺伝的機構の解明でございますが、この研究はかなり長い研究の歴史があります。この中で、植物にC4植物という、トウモロコシなんかがそうですけれども、非常に光合成機能の高い植物と、稲や麦のようなC3植物というのがございまして、稲のようなC3植物にC4植物の持っている光合成の固定機能を持った酵素を転換できないか、あるいはその酵素の研究はどうなっているか、そういうことで酵素の研究を進めておりましたところ、これも新しい発見をしたところでございます。
 さらに、第四のバイオマス変換の微生物酵素の利用技術の開発でございますが、この中では、注目すべき成果として、最近非常に活性の高い生でん粉の分解菌を発見いたしまして、これを用いますと、サツマイモなどから蒸煮をしないで、無蒸煮でアルコールを製造する技術が開発できたわけでございます。
 最後の課題であります魚介類の雌性発生の育種技術の開発でございますけれども、これは大変興味のある成果を得たわけでございますが、ここではドジョウの精子を利用しまして、キンギョの雌の発生、雌性発生をさせましたキンギョの稚魚を雄のホルモンの溶液の中で育てまして、そうしますと、その過程で実際は雌でありますけれども、にせ雄という形態になります。そのにせ雄に性転換ということができるわけですが、こういうところまで成功したわけでございまして、この魚の雌性発生の技術につきましては、今後これからこういうにせ雄を利用することによって、生まれてくる魚を全部雌にするような技術の開発の見通しが立った、そういう状況にございます。

発言情報

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発言者: 櫛渕欽也

speaker_id: 13635

日付: 1986-05-09

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会