農林水産委員会

1986-05-09 参議院 全202発言

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会議録情報#0
昭和六十一年五月九日(金曜日)
   午後零時三十分開会
    —————————————
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     藤原 房雄君     中野  明君
     山田  勇君     関  嘉彦君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         成相 善十君
    理 事
                浦田  勝君
                北  修二君
                星  長治君
                菅野 久光君
                刈田 貞子君
    委 員
                岡部 三郎君
                熊谷太三郎君
                小林 国司君
                坂野 重信君
                坂元 親男君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                水谷  力君
                稲村 稔夫君
                山田  譲君
                塩出 啓典君
                中野  明君
                下田 京子君
                関  嘉彦君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   羽田  孜君
   政府委員
       農林水産省経済
       局長       後藤 康夫君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     関谷 俊作君
       農林水産省畜産
       局長       大坪 敏男君
       農林水産技術会
       議事務局長    櫛渕 欽也君
       農林水産技術会
       議事務局研究総
       務官       土屋 國夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        安達  正君
   説明員
       文部省高等教育
       局大学課長    佐藤 禎一君
       厚生省保健医療
       局健康増進栄養
       課長       伊藤 雅治君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○生物系特定産業技術研究推進機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○農林中央金庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    —————————————
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成相善十#1
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山田勇君及び藤原房雄君が委員を辞任され、その補欠として関嘉彦君及び中野明君が選任されました。
    —————————————
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成相善十#2
○委員長(成相善十君) 生物系特定産業技術研究推進機構法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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刈田貞子#3
○刈田貞子君 生物系特定産業技術研究推進機構法案に対する質疑をさせていただきます。私はこの法案に関しては、この後同僚の塩出委員の方から法案そのものについての審議をさせていただくことになっておりますので、私は周辺問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 まず最初に大臣にお伺いをいたします。これは試験場長であった川井一之さんが書かれたものなんですが、
  最近のバイオ・ブームの要因については後節
 でも考えるが、農村の現場に行くと、”夢のテ
 クノロジー”としてバイオテクノロジーへの期
 待が大きいのに驚かされる。農家としては、何
 とかして、農業に明るい希望がもてないかと悩
 んでいるのである。最近の農業は、どちらを向
 いても暗い話が多くて、これでは若者が農業を
 継ぐ気になれないのも無理はない。そこにバイ
 オテクノロジーが明るい夢を実現させるものと
 して登場してきたので、いっきょに大きな夢が
 膨らんできたというわけなのであろう。
  こうなってくると、その過熱ぶりを批判する
 ばかりではなく、何とかして、農業に対する明
 るい期待を裏切らないようバイオテクノロジー
 の実用的開発を戦略的に演出していく必要性が
 出てきた。
こう言われているわけであります。大臣がこのバイオテクノロジーについて明るい日本の農業の未来を切り開くことに結びつける抱負をおっしゃっていただきたい。
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羽田孜#4
○国務大臣(羽田孜君) 今のお話、川井さんのお話にありましたように、農業を取り巻く環境というのは今非常に厳しいということ、これは私も同様に感じております。しかし、その厳しい中で未来はどうなんだと考えたときに、今私たちがいろいろとこれから議論をしてまいりますこういったバイオテクノロジーなど先端技術というもの、こういったものの将来というものが期待されるということは私は言えるんじゃなかろうかというふうに思っております。そういう意味で、私どもといたしましては、こういった新しい技術というもので研究開発を進めると同時に、何とかこの研究開発の成果というものを一日も早く得たい、そのための努力をしたいと思います。それと同時に、そういった技術なんかを農業者の人たち、実際に携わる人たちがきちんと理解し、またそれを各地域において進めていかれるようなそういった後継者というものを育成していく必要があろうと思いますし、それと同時に、ただ新しい技術をあれするというだけでなくて、そういうものを受け入れる土壌である例えば基盤整備といいますか、そういった環境整備みたいなものも地道にやっていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。いずれにいたしましても、こういった新しい技術というものが日本のこの狭いしかも変化に富んだ地形というものをうまく生かして、夢のあるあるいは実りのある農業というものを切り開きたい。そのためにこれから私どもとしても懸命に努力をささげていきたいというふうに考えております。
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刈田貞子#5
○刈田貞子君 農林水産省がバイオテクノロジーについて力を入れ始めだというのは五十九年度からというふうに私たちは認識しているわけでありますけれども、そのハイテクに対する先端技術開発研究ということで五億円の予算を計上されましたね。このプロジェクトをつくり、そして研究課題五項目を挙げられて格別な研究にかかられた。私はその五項目の課題も見てみましたんですが、早いものだと五十三年度、それから遅いものだと六十五年度で完成するというふうな研究課題があるわけです。こういうことをお聞きする理由というのは、このたびのこの推進機構というのはただ突如出てきたものではなくて、農林水産省として
もこうした技術を今日の農業の中に積極的に取り入れていくということをこのあたりからずっと考えておられたその延長線上にこの機構の案が出てきたんだというふうに私は思っておりますものですから、少しさかのぼって五十九年、六十年というあたりでバイオに積極的に取り組んできたその成果というものがどんなふうに今あらわれているのか、あるいは把握されておるのか、あるいはまた何をつかまれたのかということからお伺いしたいわけですが、この五項目の研究課題はどんな状況になっているか教えていただきたい。
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櫛渕欽也#6
○政府委員(櫛渕欽也君) ただいま御指摘の五項目の研究課題につきましては、先生御指摘の五項目のそれぞれが現在いろんな形で研究を続けているわけでございますけれども、これまでにそれぞれの課題の中で注目すべき成果を得ておるわけでございます。
 例えばまず第一の項目は細胞融合・核移植による新生物資源の開発、こういうテーマでございますが、この中で注目すべき成果としては、細胞融合の手法によりまして、従来不可能とされていました栽培種のトマトと野生種のトマトの融合細胞から稔性のある個体の作出に成功しております。さらにまた、遺伝子組みかえの研究の中ではベクターの研究というのが非常に重要なわけですけれども、こうした研究の中でバイナリーベクター、植物に遺伝子を組み込む場合に非常に有効な新しいベクターの開発に成功しておるわけでございます。
 第二の農業生物における遺伝子発現機構の解明でございますが、この課題の中では、先般新聞等にも発表がありましたけれども、米の主要なたんぱく質でございますグルテリンの遺伝子を単離しまして、そのアミノ酸の配列を決定したところでございます。
 さらにまた第三の光合成呼吸機能の生理的、遺伝的機構の解明でございますが、この研究はかなり長い研究の歴史があります。この中で、植物にC4植物という、トウモロコシなんかがそうですけれども、非常に光合成機能の高い植物と、稲や麦のようなC3植物というのがございまして、稲のようなC3植物にC4植物の持っている光合成の固定機能を持った酵素を転換できないか、あるいはその酵素の研究はどうなっているか、そういうことで酵素の研究を進めておりましたところ、これも新しい発見をしたところでございます。
 さらに、第四のバイオマス変換の微生物酵素の利用技術の開発でございますが、この中では、注目すべき成果として、最近非常に活性の高い生でん粉の分解菌を発見いたしまして、これを用いますと、サツマイモなどから蒸煮をしないで、無蒸煮でアルコールを製造する技術が開発できたわけでございます。
 最後の課題であります魚介類の雌性発生の育種技術の開発でございますけれども、これは大変興味のある成果を得たわけでございますが、ここではドジョウの精子を利用しまして、キンギョの雌の発生、雌性発生をさせましたキンギョの稚魚を雄のホルモンの溶液の中で育てまして、そうしますと、その過程で実際は雌でありますけれども、にせ雄という形態になります。そのにせ雄に性転換ということができるわけですが、こういうところまで成功したわけでございまして、この魚の雌性発生の技術につきましては、今後これからこういうにせ雄を利用することによって、生まれてくる魚を全部雌にするような技術の開発の見通しが立った、そういう状況にございます。
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刈田貞子#7
○刈田貞子君 今おっしゃったのはみんなこれに載っているんですね。
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櫛渕欽也#8
○政府委員(櫛渕欽也君) 一部載っております。
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刈田貞子#9
○刈田貞子君 四つ載っている、大変よくわかりました。これなんか楽しみながらやっているようでいいなと思う。カラタチとオレンジを融合したらオレタチができたというのはいいですね。楽しみながらバイオと取り組んでおられるのだと思います。予算をかけてやっておられるのだし、その意気込みを成功に結びつけていかなければいけないということで、さらなる研究をお願いしたいというふうに思うわけであります。
 それからもう一つ、ハイテク室の機能がどんな形で動いているのかということをお伺いしてみたいわけであります。大学等へ基礎的な研究を依頼するとか、あるいはまた民間の研究に対してある種の助成をするというようなことをなさっておられるようでありますが、ここら辺の現状はどうですか。
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櫛渕欽也#10
○政府委員(櫛渕欽也君) ハイテク室の最近の活動状況でございますけれども、先生今御指摘のありましたように、一つは、大学等に対しまして、将来この分野の技術の効果の高いと思われる可能性の非常に大きい基礎的な研究を対象としまして、バイオテクノロジー先端技術シーズ培養研究と言っておりますけれども、今後の技術シーズを開発するといった面での研究を委託して進めております。
 現在のところ、遺伝子の支配機構の解則でありますとか、あるいは海洋微生物、海の底にあります微生物の有用形質の探索でありますとか、あるいは人工酵素、人工的に酵素をつくるわけですが、そういった開発のための酵素機能の解明、こういうような研究、この三つのグループに分けたシーズ培養研究を進めておるわけでございます。
 さらに、民間企業に対しましては、民間の特にポテンシャルの高い研究領域につきまして、民間の共同研究プロジェクトをつくりまして、そこに助成措置を講じているわけでございまして、例えばこの中ではバイオリアクターシステムの開発でありますとか、組織培養の研究でありますとか、こういう七つの課題についていろいろと助成、指導をしているところでございます。
 こういった研究につきましても、ハイテク室発足しまして、こういう全体の研究推進につきましてはまだ研究年限が非常に浅いわけでございますが、これまでの二年間の研究の中でも、既に先ほどの大学の委託研究の中から若干注目すべき成果が見られておりますし、民間の助成にかかわる研究の中からも幾つかの成果を見たところでございます。
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刈田貞子#11
○刈田貞子君 これは私わからないので伺うんですが、共同研究制度というのは五十六年に発足させましたね。その事業の中で、いわゆるプロジェクトでしょうか、その中で、イオ技術を特別にやっているグループないしは事業がありますか。資料が私の手元にないのですが、六十年三月一日現在でこの共同研究事業は三十件発足させてあって、九件が完了で、二十一件が事業のまだ継続中であるということがあるわけで、五十九年から民間企業からの要請もありまして、その事業の中に品種改良及び育種ということが追加されて、これは一緒に開発されているものがあるんでないでしょうか。
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櫛渕欽也#12
○政府委員(櫛渕欽也君) 品種改良及び育種、そういったことで今御指摘の新しく五十九年から始まった民間との共同研究は三件ございます。
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刈田貞子#13
○刈田貞子君 このことはまた後で、研究と実用化ということで伺うので、今ちょっと確認をしておいたわけであります。
 それでは二番目に私がお伺いしたいことは、この種の科学技術が進んでいくために必要なのは、人と資金と素材であろうというふうに思います。まず人の問題からお伺いしましょうか。これは頭脳の海外流出ということで先般新聞の記事を読ませていただきましたが、私どもにとりましても大変いろいろ考えさせられるお話でございます。具体的に申し上げますと、農業生物資源研究所の優秀な人材がお役所中心的な体制になじまないために、またアメリカのルイジアナ州立大学へ帰られてしまった。こういうことで我が国のこの種の研究事業に対して大変大きなショックを与えるのではないかというふうな論評があるわけでございますけれども、この辺の人材確保ということは、今後のこうした事業に非常に大事なものになっていくであろうというふうに私思いますものですから、この辺の事情をちょっと伺わせていただきたい。
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櫛渕欽也#14
○政府委員(櫛渕欽也君) 今御指摘の先般の新聞に載りました記事、これは農業生物資源研究所に
昭和五十九年に、大分長く十五年間アメリカで研究しておりました村井という方を、選考採用で採用したのでございますが、結果的には今のお話にありましたように、今年の四月一日で退職して、本人はアメリカに渡ったわけでございます。農林水産省としては有能な人材を何とかして確保するように、御本人のいろいろ注文なども極力聞きながら、より研究しやすい環境づくりについては配慮してきたつもりでございますけれども、村井氏の場合には、大変長い海外経験でのいろいろ向こうの状況と、私どもの研究機関の制度といいますか、こういったものとの関係でいろいろとギャップを感じていたように思われるわけでございまして、結果的にそういうことで大変残念だなというふうに思っております。
 そういうことで、今後ともこのバイオテクノロジー研究のような大変先端的な研究については、より優秀な研究者の確保あるいは養成、これが大変重要だと考えておりますし、いろいろ国の、特に行政機関に設置されておりますこういう研究機関としての制約というのが当然あるわけですけれども、こういった中でもより研究環境の改善に努めながら、研究者の育成確保、こういうことについて今後最善を尽くしていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
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刈田貞子#15
○刈田貞子君 これもこの論評に書いてあるんですが、五十八年十二月、同研究所設立に当たって国会で質疑がありました。問いに対して、農林水産省ではこの種の新しい研究分野に必要なのは人材であるというふうにお答えになっておられるわけです。したがいまして、そうした研究者の招聘に努めるんだということが書かれてあるわけであります。私もこうした遺伝子操作を中心とするバイオ研究に関しての権威者、こういう方を日本の国として失うことは大変残念なことだというふうに思いますわけで、いろいろ事情はあろうかと思いますけれども、こうした方たちが居ついて、居ついてという言い方はおかしいかもしれませんが、いていただいて、そして自由に研究ができる環境づくりというのはこれから大事であろうというふうに思うんでございますけれども、大臣、いかがでしょうか。大変重要な課題だと思います。
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羽田孜#16
○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘がありましたように、この村井先生がアメリカに再び帰ってしまったということ、私どもも大変残念に思っております。なお、ほかにも大学ですとかその他で、日本に一たん帰られて研究を始めたんですけれども、どうも日本の研究の場になじまないということでまた帰国される方があるということは事実であるようでございます。
 御指摘がございましたように、科学技術の進展と申しましても、人がなすことであるということ、そして特にこういった先端技術というものを研究開発されるような方々というのは、創造性が大変豊かであるということ、あるいは強い個性を持った方が多いということでありまして、またそういった方々を養成していかなければならない、そうでないと本当の意味での各国に先駆けての研究開発というのはなかなか難しいのかなというふうに思いますが、そういう意味で、私どもといたしましても、今度の今御審議いただいておりますような研究機関も、自由闊達に研究できるような体制というものについて、我々もいろんな角度から考えてみなければいけないのかなということを感じております。そういう意味で、研究者の資質というものの向上を図るという意味でも、今御指摘のありましたようなことを私ども念頭に置きながら体制を整えてまいりたい、かように考えております。
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刈田貞子#17
○刈田貞子君 学者の先生というのはなかなかこういう組織的なものになじめないという一つの体質もあるのは私もよくわかるんでございますけれども、だから逆にこちらの環境の方が学者風になじんでいただくというような形をとってでもここにいていただいてそういう研究を進めていただかなければならないというふうに思うんです。その言い分がどういうことなのか私はよくわかりませんけれども、海外の出張一つをとってみてもまことに融通がきかぬというふうな具体的なことなとおっしゃっていますね。こういう事実は実はあるようでございますね。いろいろあるようでございますけれども、こんなふうなことも含めまして、研究者が研究しやすい形の環境づくりをぜひお願いしたいというふうに思います。
 それから二番目がさっき言った資金といいましょうか、財政的な面のことであります。昨日も語が出ておりましたが、バイオ、バイオと言って農水省あるいは政府自体の目玉商品のようなことにはなっておるけれども、その予算を見れば六十年から六十一年にかけてたった六億一千九百万しかふえておらぬではないかというお話も昨日ありました。確かにそういうことですよね。例えば研究費用なんかを見てみますと、基礎研究なんかでは、国庫負担がアメリカの経費の十分の一ぐらいというような段階にあるわけですね。したがいまして、これだけ力を入れていくということをおっしゃっておられるのだから、この辺の財政的裏づけというようなことも今後いろいろな形で考えていかなければならないというふうに思うんですが、この辺のところはいかがですか。
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櫛渕欽也#18
○政府委員(櫛渕欽也君) 御指摘のとおりでございまして、こういった先端的な開発分野の充実を図っていくためには、一つは、当然のことでありますけれども、その研究の体制を整備していく、そういうことが重要でありますし、先ほど御指摘の人材の確保あるいは育成、これに合わせてこういった研究予算の確保、こういうことが当然重要なファクターだと考えておりまして、六十一年度におきましては、先ほど五十九年度をバイオテクノロジーの元年と申しましたけれども、三年目になりまして、ここで二十一世紀を見通してハイテク育種に力を入れようではないか、そういうことで新しいプロジェクトを興しておりますし、それから地域段階のハイテクを促進するような新しいプロジェクトも興しておるわけでございまして、そういうことで、先ほど話のありましたような前年を三割上回る予算を計上したわけでございます。なお、今後一層こういった面の予算確保、あるいは人材の問題、あるいは産学官の連携の強化、体制の整備に力を尽くしてまいりたいと考えております。
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刈田貞子#19
○刈田貞子君 それで、我が国のハイテク関係予算のあり方として、特色、特徴と言われるのが、いわゆる開発資金を援助するという傾向が強いということだと指摘されています。アメリカなんかの場合は、何といっても基礎研究を重視している、まことに対照的であるというふうに言っているのですが、この言い分はどうですか。
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櫛渕欽也#20
○政府委員(櫛渕欽也君) 政府が民間に対して融資する資金の場合と国の研究予算とでは、研究の基礎から応用開発の段階に至るいろいろな分野のウエートが違うと思うわけですけれども、国の研究はどちらかといえば、より基礎的な研究、そういうようなところにウエートを置いた予算である。民間のこういう機構への融資等の考え方なんかについても、当然基礎研究も含みますけれども、応用研究あたりが中心になっていくと、そういうふうに考えておるわけでございます。
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刈田貞子#21
○刈田貞子君 応用研究あたりを中心にして力を入れていくということですね。
 それから三番目、三番目というのは私が頭の中でつくっている三番目なんですが、人と資金と素材、その中で、先般私はジーンバンクのことについてお尋ねしたんですけれども、このジーンバンクのあり方について、農水省のジーンバンクは三センター五サブ方式でできています、中心センター三つの五サブになっています。その機能連携をどういうふうにやっていくのかというふうなこと、それからもう一つは、各省庁が持っているジーンバンクがありますが、そういうところとの有機的な関連の持ち方というのはどういうふうに考えているわけでございますか。
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櫛渕欽也#22
○政府委員(櫛渕欽也君) ジーンバンク事業の中でのセンターとサブの機能分担のお話が一つあったと思いますが、センターは、ジーンバンクと申しましても、動物、植物、微生物、林木、それか
ら水産生物、こういった全分野を含めたジーンバンクの事業でございまして、それぞれセンターを設定しまして、そのセンターは遺伝資源の収集から特性評価あるいは保存、それぞれの分野の一元的な管理を行うとともに、データベースとしての役割を受け持つわけでございますし、サブというのは、全国にあります多くの試験研究機関、あるいは原原種農場等の組織、ここをサブとして位置づけまして、ここでは遺伝資源の収集、評価でありましたり保存、こういったところを中心に分担していく。センターとの連携のもとに、主として遺伝資源の収集、評価、保存等を全部サブも分担するわけです。センターは遺伝資源の情報等の一元的な管理を担当する。そういう機能分担を考えているわけでございます。
 それから他の省庁がいろいろとやっておりますジーンバンクというのがございますけれども、これは二つの類型がございまして、一つはよくジーンバンクという片仮名で書く施設でございますが、厚生省にもあるいは科学技術庁にもございます。これはそれぞれ例えば人のがん細胞のようなもの、そういった細胞なりDNAレベルの保存機能を中心にしたバンクでございまして、科学技術庁の場合にはライフサイエンスの研究素材としてのそういうDNAでありましたり細胞でありましたり、そういうもののバンク、こういったもの。
 そのほかに植物の遺伝資源、農林水産省の遺伝資源もジーンバンクと名をつけていますのでちょっと混同しやすいんですけれども、植物の育種の素材等のための遺伝資源につきましては、農林水産省が最も組織的にやっておるわけですけれども、そのほかに同類のものは大学等の幾つかの中にそういう植物の実験材料として非常に多くのものがあります。
 こういう関係の省庁のDNAレベルのものであったり植物の遺伝資源であったり、こういうものについてもお互いの情報の交流というものを今後一層深めたい、そういうふうに考えております。
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刈田貞子#23
○刈田貞子君 言われるところは、農水省のジーンバンクというのはかなり有用なデータソースを持っているんだけれども、その整理が立ちおくれている、だから利用価値がまことに低いんだと、そういう現状にありますというふうに言われております。近い将来にある程度の体制を整えてもらわないと大変であるということがここに書いてあるんですが、アメリカあたりでは収集ももちろん進んでいますし、その整理が進んでいる、したがってまことに利用価値が高く有用にジーンバンクが機能しているというふうに伺うんですが、その辺のところはどうですか。
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櫛渕欽也#24
○政府委員(櫛渕欽也君) 我が国の遺伝資源の関連データベースの整理もかなり以前から組織的に進めておりまして、特に、作物の種類によって違いますけれども、例えば稲のデータベースなどに関しましてはかなり内容的な充実は図られておりますが、何せこのデータベースをつくるためには相当大変な手間暇がかかることがございまして、そういうことがありますので、実は先ほどの昭和六十年のジーンバンク事業から初めて組織的に相当金をかけてそういったデータベースづくりというものを進めておる。そういう意味で全体の作物を見ておくれているという状況は否めないかなと思っております。
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刈田貞子#25
○刈田貞子君 このたびの推進機構でもそうした遺伝資源の提供のあっせんみたいなことも入っていますね。だから、こうしたことを一つの契機にしてこの種の事業の充実を図るということをぜひお願いしたいというふうに思います。これはあたら持っていてそれが機能させられないということではまことに残念でありますから、よろしくお願いしたいというふうに思うわけです。
 そのデータベースの問題ですけれども、これもいつも言われることですが、これもそうなんでしょうか、アメリカ・ロスアラモス国立研究所等のデータベースに大きく依存していますということが言われていますけれども、これは本当ですか、うそですか。
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櫛渕欽也#26
○政府委員(櫛渕欽也君) 今の先生のお話の意味がちょっと理解できない点があるんですが、今私申し上げました遺伝資源のデータベースの話ですと、アメリカの場合には、ベルツビルというところのUSDAの研究機関にちょうど我が国の農業生物資源研究所の遺伝資源のデータベースと大体同様な機能を持つものが整備されているというふうに聞いておるわけですけれども、これとはまた別に研究情報、成果情報ですか、こういったもの、あるいは文献とか、こういうものを全部データベース化しまして研究者が必要に応じて自動的に検索できる、そういうような体制がとも思うわけですが、それについても現在農林水産省としても筑波の情報センターというのがございまして、技術会議の組織でございますけれども、そこの施設あるいはそこの陣容、陣営を中心にこのハイテク関係のデータベースの整備、しかもいろいろ文献情報等の検索システムの整備、こういうものを今早急に図るような体制をつくっておるわけでございます。
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刈田貞子#27
○刈田貞子君 その遺伝資源のデータベースをつくるとあわせて、研究成果のデータベース、電話一本でずっと取り出せるようにしてください、だんだんにね。大事なことだと思います。
 それから次に、そうした開発研究というものが進んできて、それが実用化されていくというような問題の段階の話を少し伺いたいんです。これは昨日参考人の方々にも私はお尋ねをしたことになると思いますけれども、まず今回のこの機構の中で二十九条の関係のところだけについてちょっと確認をしたいんです。この機構の出融資というのは、どこまでも試験研究段階までのものですよね。試験研究が成功した、いよいよ企業がプロジェクトそのもの自体を企業化しようとか実用化しようとかという段階になったときに、資金がなかった、この機構からは離れちゃうわけですが、そういうときにどうするのか。せっかく研究を手伝ってきたのにという心配があるので、私は、その実用化ということの中で、今回の法律の二十九条関係のところを読んだんですが、いかがですか。
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櫛渕欽也#28
○政府委員(櫛渕欽也君) おっしゃるように、この機構が直接支援をいたしまする技術開発につきましては、基礎研究から開発研究までの研究段階でございまして、企業化段階のものはこの対象にしていないわけでございます。また企業化段階に必要な資金につきましては、開銀でありますとか公庫とか、いろいろそういった機関での資金の融通の道が開かれているわけでございまして、一般にそういうような制度について民間におきましては十分周知されていると思っているわけでございますけれども、この機構としても、そういうことの要請があれば、そういった関係のことについての紹介とか、そういうようなことはやることにやぶさかではないというようなことでございます。
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刈田貞子#29
○刈田貞子君 話の次第によっては、民間資金への橋渡しをするというところまで考えているというふうに確認してよろしいですね。
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